子育て情報『反抗期がなくて安心!? 「友だち親子」に訪れる、危険な “親子共依存”』

反抗期がなくて安心!? 「友だち親子」に訪れる、危険な “親子共依存”

ちなみに、親子問題が専門の心理カウンセラー・平岡亜紀氏によると、個人差はあれど「 男の子なら10歳、女の子なら11歳が反抗期スタートの目安」とのこと。

また脳科学者の中野信子氏は、「反抗期は脳の発達段階のサイン」だとし、「子どもが外の世界を求め、親の価値観に逆らってみせる反抗期は脳の発達において重要」だと述べています。そして「仲良し親子のように、単調な刺激しかない状態、自分が知っているのと違う世界に触れる機会が少ない環境にいると、知能の発達に必要な知的刺激を十分に受けることができない」と警鐘を鳴らしています。

そして、「いい子のまま大人になる若者が増えた背景には、親子の密着がある」と述べるのは、精神科医の大下隆司氏。就職しても実家で暮らしたがる子や、子どもを手元に置いて抱え込んでしまうというパターンが少なくないようです。ですが、あまりにも居心地のいい家庭は、子どもの自立の妨げになることもあるので要注意。

大下氏は、「そもそも反抗期は、親の考えや価値観が自分とは違うと気づくことから始まる」と述べます。もちろん親はショックを受けますが、それはわが子が自分の力で人生を切りひらくための第一歩。
物理的にも精神的にも離れることができて初めて、子どもは自立するのです。

弊害3:「生きづらさ」を抱えるようになる
適切な時期に反抗期を迎えなかった子どもは、自立すべき年齢になっても親との共依存から抜け出せず、「生きづらさ」を抱えてしまうことも。たとえば、引きこもりになってしまったり、仕事が長続きせずに転職を繰り返したり、友人関係でトラブルを起こしたりと、さまざまな面で苦労するケースが考えられます。

日本メンタルアップ支援機構代表理事を務める大野萌子氏によると、「成長過程で、なんでも親に話すことを良しとされてきた子どもは、(大きくなっても)親に報告しないという選択肢はない」のだそう。その理由として、「親の強い圧力をはねのけることにエネルギーを費やすよりも、迎合して丸く収めることで家庭内での生きやすさを獲得してきた」ことを指摘しています。つまり、自分で考えることを放棄しているのです。親もまた、子どもが大きくなってからも、長年の癖でつい口出ししてしまうと言います。

小さい頃から親の意見に従ってばかりいた子どもは、大きくなっても自分で決断することができず、不安を抱えたまま社会生活を送るようになります。

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