子育て情報『【メリットはある?】出産するあなたへ 高齢出産への正しい理解』

【メリットはある?】出産するあなたへ 高齢出産への正しい理解

精子は日々作られていますが、卵子のもととなる細胞は胎児期に作られ終わっていて、思春期以降順次細胞分裂をして排卵を迎えています。例えば、40歳の時に排卵する卵子は、41年ほど前に作られた細胞由来なのです。したがって、加齢卵子では、染色体の不均一を生じる可能性が高くなり、トリソミーの発生確率が高まるのです」(片桐由起子医師、以下同)

1から22番目の対までの常染色体のどこでトリソミーが発生するかによって、現れる症状が異なってくるのだと片桐医師。例えば、13トリソミーは「パトウ症候群」、18トリソミーの場合は「エドワーズ症候群」、21トリソミーの場合は「ダウン症候群」のように、決まっているのだそうです。

「ダウン症を先天性心疾患の総称と考えている方もなかにはいらっしゃるようですが、 ダウン症はあくまで先天性疾患 のひとつ。高年齢で、あらゆる先天性疾患のリスクが上昇するわけではありません 」

「流産」「帝王切開」と高齢出産

高齢妊娠では 流産の確率が高まるというのも、前述の染色体の数の異常の 発生確率が増えることに起因すると、片桐医師は続けます。

「モノソミーやトリソミーが 発生した場合。受精卵はその後の生育に影響が出て流産につながるのです。
高齢出産によって流産の確率が高まるというのは、加齢による卵子の老化。そして、それによって引き起こされる染色体異常の発生確率の上昇が関係しているのです」

また、ネット上では高齢出産の場合「帝王切開」となることが多いという情報も数多く散見されますが、これについては、加齢によって、妊娠合併症が多くなり、結果として帝王切開を必要とするケースが多くなるため。

「具体的には、緊急性の高いものでは 妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離や前置胎盤などの胎盤異常。 また、微弱陣痛や分娩経過の遷延などにより胎児の状態が悪くなる胎児機能不全なども挙げられます。これらは、誰にでも発生することですが、やはり加齢によって発生確率は高くなります。この場合急速分娩の必要性が高まることから、帝王切開が選択されることが多くなるのです」

ネット上には母体への負担を懸念して帝王切開が選択されるという情報も散見されますが、必ずしもそうではなく、ほとんどの場合、 早急な分娩の必要性があり、その手段として帝王切開が選ばれているという理解が正しいそうです。これから高齢出産をむかえるママたちは、さらに増えていくことが予想されます。

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