海外では主流? 子どもの国語力アップに“感情学習”が役立つワケ
Mさんは感情学習について自分なりに、『でもそうやっていろんな感情に触れて育った からこそ、人の気持ちも文章に隠された意味も読み取る力が育ったのかもしれないわね』と結論付けていました。
●読書を国語力アップにつなげるにはコツがある
読書はいろいろな感情を読み取るチャンスです。たくさんの本を読めば、それだけたくさんの感情表現に行き当たります。
でも、読んだだけではただ“知る”だけ。もちろん、それもプラスですが、読んで知った感情表現を“自分が表現する”ことで、国語力への影響の大きさが桁違いに変わってくるようです。
インターナショナルスクールで図書館司書、その後教師として働くようになったミス・パメラは、より効果的な読書法について語ってくれました。
『本を借りに来る子どもは大きく分けて2種類。一つは黙々と次々に読み続けるタイプで、話しかけてもあまり会話が弾まない子。
もう一つは、同じ本を何度も借りたがり、話しかけるとその本の内容をうれしそうに教えてくれる子』とのこと。
その後、小学校の教師として教えるようになったミス・パメラは、『読んだ本の話を人にするのが好きなタイプは表現力が豊か である』と気づいたそうです。
『ただ読むだけじゃなく、そこに書かれている表現を自分の言葉で表現することが大事なのよ』とミス・パメラは教えてくれました。
●ドラマクラスで表現力を磨いて国語力を上げる
イギリス人と日本人のハーフ家庭Lさんの娘Eちゃんは、勉強嫌いで宿題はほとんどしないし読書も気に入った本だけ。
Eちゃんが小学生のころ、ママはいつもガミガミと叱りつけていたそうです。
でも、そのEちゃんが中学に入学するとみるみる成績を上げていきました。その理由がドラマクラスにあった ようだとママが話してくれました。
『読んだ本に出てくる感情表現を使って、自分でエッセイやお話を書くというドラマの宿題だけは面白がって良く書いていた』そうです。
『そんな役に立たないことばっかりって思っていたけどね』。
中学生になると、ドラマクラスで書くのは“脚本”となり、字数も数千から数万字レベルになります。これをスラスラ書ける子は多くありません。『Eにとって、お話を書くのはお手の物。ドラマクラスで褒められて、そこから自信がついたみたい』とのこと。Eちゃんはエッセイ力を求められるIBカリキュラムの学校に通っていたため、ほかの教科への好影響が特に大きかったそうです。