腕まくりだってOK! パパがおしゃれに“クールビズ”をするコツ3つ
このボタンダウンシャツですが、もともとブルックス・ブラザーズが“ポロカラー・シャツ”という正式名称で「ポロ競技の際に着用しても襟がめくれないシャツ」として発売していたものを、石津さんらが日本の若者向けに苦労してアレンジし、素材を開発して定着させてきたものです。
クールビズとして着る場合は何といっても「汗をかいても襟の形が崩れない」ことが最大の特長です。
レギュラーカラーだと夏の暑い環境下で働いて汗をかけばどうしても崩れてしまいますが、ボタンダウンなら一日が終わるまで元の形のままでいてくれます。
ただし一つだけ気をつけていただきたいことがあります。
ボタンダウンのシャツは、仕事でフォーマルな場(冠婚葬祭、お祝い事など)に出席する際には着用しないでください。いくらクールビズとはいってもフォーマルではボタンダウンはNG です。
これも石津さんやくろすさんの書物にはしっかり書いてあることですが、ボタンダウンのシャツはハーバード大学とかイエール大学といった米東部8校からなる“アイビーリーグ”出身者のエリート意識の象徴でもあるからです。
だから「ボタンダウンは政敵をつくる」ということでハーバード出身のあのJ.F.ケネディ大統領でさえも公式の場ではけっして着用しませんでした。
わたしたち日本人はそういったことには比較的無頓着ですが、それでもやはり東京六大学の出身者たちなどが好んで着るボタンダウンは公式の場では着ない方が無難です。
真夏でも、取引先の創立記念パーティーのような場にはレギュラーカラーのシャツで行ってくださいね。フォーマルな場以外ではボタンダウンシャツの涼しさと機能性を最大限に活用して、快適なクールビズを実現しましょう。
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トラッド服メーカーのダンマスターズさんは、今はもうありません。筆者が営業で訪問するととても嬉しそうに石津さんやくろすさんのお話をしてくださった社長さんも、その後どうされたかは存じません。
ただ、仕事で着る服にはルールがあり、ルールをわかったうえでならTPOに応じて着崩すことも許されるという“メンズファッションの神様”の「哲学」を教えてくださったことに、ただただ感謝申し上げるだけです。
【参考文献】
・『人間的なーかっこいい“貧乏人”の人生四毛作論』石津謙介
・『アイビーの時代』くろすとしゆき・著
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
●モデル/倉本麻貴(和くん)