職を失うかも!? 東京オリンピック後の不景気に備えるべきポイント
こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。
エコノミストによって想定される“程度の差”こそあれ、「必ずやってくることだけは間違いない」と言われているのが“東京オリンピックが終わった2020年秋以降の不景気 ”です。
五輪特需の終了で雇用が減り、建築・不動産バブルが弾け、五輪までに目いっぱい世界に発信した“和のテイスト”商品が市場にあふれて飽和状態になります。
今回、筆者は経済学士(慶大)の端くれとしてパパとママのみなさんに、「避けることのできない2020年からの不況にいかに備えたらいいのか」についてお話ししたいと思います。一緒に考えましょう。
目次備え1:急激な雇用の減少に備え“手に職”をつけ磨いておく備え2:磨いた職人技もAIが奪おうとするなら、技術に人間的付加価値を加えましょう備え3:投資よりも貯蓄重視で堅実に
●備え1:急激な雇用の減少に備え“手に職”をつけ磨いておく
筆者がこの原稿を書いている2017年の9月現在、東京の周辺にはたしかに仕事はあります。
その多くが非正規の仕事であることは別にしても、雇用がないよりは全然マシな状況であることは言うまでもありません。
雇用があるのはそれもそのはずで、森記念財団・都市戦略研究所が試算した“東京五輪開催までに新たに生み出される延べ121万人の雇用”がいよいよその“宴もたけなわ”の状態になりつつあるからです。
ほんの6~7年前はとにかく仕事そのものがなくて困っていた若い人たちも、今ならホテル・観光・不動産・建築・飲食・接客・交通・運送・和装・土産物など、どの分野であっても職に就くこと自体で困ることはありません。
現政権の支持率のポイント数がピーク時の半分以下に下がった今でも、18歳から29歳までの若者の間でだけは68%の高水準を維持しています(6月3日・4日実施のJNN世論調査より)。
この理由は、自分たちより6つ7つ年上の先輩たちと違って「自分たちは“就職だけはある”状況にいる」ことへの一定の評価に由来するものだろうと筆者は考えます。
その雇用が、オリンピックの終了と同時に消える ことになるわけです。
そしてさらにめぐりあわせの悪いことには、2020年は国民の4人に1人が45歳以上になる年だと言われています。主に若い人たちが就く“現場の仕事”が減ると同時に、45歳以上になってきたパパ・ママ世代の人たちが本来受け持つべき“管理職”のポストも奪い合い の状況になります。