子どもから「やりたい職業が何もない」と言われたら?
●やりたいことが見つからない!の対処法
普通の中高生の子どもにとって「やりたい仕事が見つからない」ことは至って自然で当たり前のことです。
ママやパパはだからこそ、子どもたちがやりたい仕事を見つけたときにどんな方向にでも進むことができるように幅広く勉強しておくことを常日頃から奨めておくべきなのです。
たとえば、ずっと数学嫌いだったお子さんが高校2年くらいになって突然に「将来、造園の仕事に就きたい」と思ったとします。
造園の仕事の芸術的な要素に惹かれてのことかもしれませんが、あらゆるモノづくりの仕事には相応の数学的な素地が必要不可欠です。
こんなとき、「中学校の数学をもっとちゃんとやっておけばよかった」と子どもが後悔することのないように、ママやパパは心がけるべき でしょう。
●ママ・パパの経験談は最高の教科書
子どもたちにとってママやパパは、その仕事してる姿を近くで見にくい時代になったとはいえ立派に大人になり親となった人間の最も身近な標本でもあるわけですね。
中高生の子どもたちが現時点でやりたい仕事を見つけられていないからといって、自分から自分の可能性の芽を摘んでしまうような思考の方向へ誘導するようなことがあってはなりません 。
中学生・高校生くらいの子どもたちの可能性は、まだまだ無限大に近いものがあります。
立派に大人になり人の親となったママとパパから御自身の経験談を話してさしあげて、やりたい職業なんてそのうちに見つかるものだから今は幅広く勉強しておくことの大切さ に根拠づけをしてやってください。
自分のことで恐縮ですが、筆者は敬愛していた父親の町工場を存続させたいという気持ちを強く持ちすぎたことがかえって仇になり、時代が必要としなくなった分野が見えなくなって若い頃、会社の経営に失敗した苦い経験を持っています。
中高年になってから、もともと好きだったエッセイの執筆を収入源の一つにして、精神的に充実した生活を送れるようになりました。
筆者の妻は大学の後輩でもありますが、女性がまだまだ活躍の場を与えてもらえない時代にいろいろな企業で派遣社員としてその実務能力を磨き、40代の後半に入ってから公的な機関の職員に採用されて、彼女が好きな江戸の文化や風俗にかんする知識を活かせる仕事に就きました。これもひとえに彼女が「いつかはやりたい仕事に出会えるはずだ」