他人事じゃない! 育児と介護を同時に行う“ダブルケア”の実態と体験談
こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。
この記事をご覧になっている読者様は、子育て中で年齢は30~40代という人も多いのではないでしょうか。
子育てだけでもヘトヘト……という中で、実は日本では大変多くのママが介護も同時に行っているのです。
このように育児と介護を同時に行うことを“ダブルケア”といいます。
今回は、社会問題化しつつあるダブルケアについて、内閣府の情報や体験者への取材などからお話ししていきます。
●ダブルケアをする育児世代は25万人超!
内閣府男女共同参画局の『育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書』によると、ダブルケアをする人は、全国で25.3万人であることが判明しました。
ダブルケアを行う女性の平均年齢は38.9歳、男性は41.2歳。
ダブルケアをしている人の8割が30~40代 ということも推測されており、子育て真っ最中、人によっては乳幼児の子どもがいる状態での介護であることがうかがえます。
●体験談から知るダブルケアの実態と対策
実はかくいう筆者も経験者の一人でした。さらに、筆者のまわりにもダブルケアをしているママがちらほら……と増えてきています。その体験談をみてみましょう。
●体験談その1
『育児、家事で大変なときに、祖母に目をかけることができなくて徘徊されました。小さな子を連れて祖母を探すのも大変だし、徘徊者の交通事故も増えていると聞き心配だし、一度は警察に保護されているときもあって、肉体的にも精神的にもツラい です』(30代女性、子ども2人、ワーキングマザー)
●体験談その2
『当時は小さかった子どもを連れて、介護のために病院通いをするのが一番キツかった。認知症の父はイライラして大声を出すこともあるし、重ねて子どもが泣いたりすると地獄 でした。
夫には申し訳なく思いましたが、家計から捻出してヘルパーをお願いするようになって少し救われました』(40代女性、子ども2人、専業主婦)
●体験談その3
『フルタイムで仕事をしていましたが、介護を機に近場のパートにしました。
子どもももう一人欲しかったけど、心も体も余裕なし。実際に介護してみたら、「何やってんだろう、私」とどんどん孤独になり、鬱っぽくなりました 。行政が紹介していたシルバー人材センターの家事手伝いを頼むようになってから、介護の話し相手ができ、家事、育児も手伝ってくれて少しずつ元気になりました』(40代女性、子ども1人、ワーキングマザー)