不自然じゃない! バイリンガル教育への偏見とメリット&デメリット
このはかりの考え方は実態に合っていないことがその後の研究で明らかにされていきました。
脳には2つの言語だけではなく、それ以上の言語にも十分に対応できる余裕がある ということがわかったのです。
●バイリンガル教育のメリット
2つ以上の言語を話せるようになることによって、どのようなメリットがあるのでしょうか?
●異文化を理解でき、広い視野で物事を判断できる
バイリンガルになることやバイリンガルであることは、自尊心と自己に影響を与えるとLambert(1974)は述べています。
たとえば、英語を習った日本人が英語で外国人とコミュニケーションができるようになると、そのコミュニケーションにより新しい文化に触れることになり、その結果自己の文化が影響を受ける ことになります。
バイリンガリズムには異文化への接触、適応が含まれるのです。
その結果として、モノリンガルの人とは違った大きな夢、世界観、価値観を持つことができる可能性が高くなります。
●学校や職業や住む場所の選択肢が広がる
英語ができることで受験することができる高校、大学の数も増えますし、留学することも可能になります。
海外勤務のチャンスも多くなりますし、海外への移住を選択することもできますよね。
●収入が増える
『ダイジョブ・グローバルリクルーティング株式会社』が20〜50代の男女に対して実施した「語学力と年収に関する調査」(2014年版)によると、「日常会話レベル以下」と「ビジネスレベル以上」で比較した場合、年収の差は40代から顕著 になり、50代の場合は、女性の「ビジネスレベル以上」の年収は「日常レベル以下」の約3倍、平均700万円台となることがわかったそうです。
●バイリンガル教育のデメリット
良いことづくめのようなバイリンガルですが、バイリンガルになるための教育、学習の過程において、気をつけないといけないこととは何でしょうか?
●外国語に対する不安とストレス
小さい子は英語をすぐに話せるようになる、外国生活にも適応できる、という話はよく耳にしますが、実際はかなり個人差がある ようです。
子どもの場合、外国語学習に関する不安は少ないと思われがちですが、必ずしもそうではありません。クロアチアで7〜10歳、11〜14歳、15〜18歳の児童を対象に、外国語学習での不安に関して行った調査では、どの年齢グループでもほぼ半分の児童が授業中に英語を話すことに不安を抱いていたそうです。