子育て情報『精神科医に聞く! 「ギャンブル好き」と「ギャンブル依存症」の境界線』

精神科医に聞く! 「ギャンブル好き」と「ギャンブル依存症」の境界線

精神科医に聞く! 「ギャンブル好き」と「ギャンブル依存症」の境界線

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

いわゆる『カジノ解禁法案』の可決で話題になった言葉で『ギャンブル依存症』というものがあります。

ギャンブルに伴う楽しさや高揚感の深みにはまり、抜け出せなくなってしまうことを指す言葉です。

都内でメンタルクリニックを開院し、依存症に詳しい精神科医のT先生は、『単なる“ギャンブル好き”の人と“ギャンブル依存症”の患者さんとでは決定的な「次元の違い」があり、ギャンブルを好む人のことを一律にギャンブル依存症と呼ぶのは間違い です』(50代女性/都内メンタルクリニック院長、精神科医)と言います。

また、『少々ギャンブル好きな人のことまで安易に病人扱いする必要はない』ともおっしゃっています。

では、ただのギャンブル好きとギャンブル依存症の境界線とはどこにあるのか。ひとたびギャンブル依存症の域に足を踏み入れてしまった場合にはどうすべきなのか、一緒に考えてみましょう。


●ギャンブル依存症の精神科での診断名は『病的賭博』。“借金してまで”が一つの目安

『私たちはよくパチンコやスロット、競馬、競輪、宝くじの中でもギャンブル性の強いロトやスクラッチといったギャンブルが大好きな人のことを面白おかしく“ギャンブル依存症”などと呼んだりします。

しかし、ギャンブル好きであっても別に仕事を休んでまでパチンコ屋に入り浸るとか、家族につらい思いをさせてまで競輪場に行ってしまうといったように日常の生活に問題をきたすような状態にまではなっていない というのであれば、「ギャンブル依存症」とまでは言えません。それは単なる「ギャンブル好き」です』(50代女性/前出・精神科医)

T先生はこう言い、『ギャンブル依存症』と呼ぶには少なくとも下記のような要件を満たしていなければならないと言います。

『常識的に考えて、経済的・社会的に「今はギャンブルをしない方がいいのではないか」と思われる状況であるにもかかわらず自己抑制が効かない ことが、ギャンブル依存症と呼ぶにあたっての必要要件です。

そのような状態なのに“借金をしてまで”ギャンブルに手を染めてしまうといった症状が、ギャンブル依存症の一つの目安になるかと思います。専門的で複雑な診断基準は別にありますが、一般の人たちにも分かりやすい目安はその辺りです』(50代女性/前出・精神科医)

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