サッカーチームでいじめ? 親はどう振舞えばいいのか問題
今回の「いじめかも問題」をきっかけに、子離れしてみませんか?
中学以降は学区が違うため、いじめらしいことをしている子たちとは同じチームにならない。よって「最後まで続けさせよう」と、お母さんは思っている。ただし、状況がひどくなるなら「途中でも辞めさせよう」と考える。一方で、Bチームの子と上手くやっているから「辞めさせる」のもためらう。
続けさせる。辞めさせよう。辞めさせる。
言葉の端々に、子どもに対し「○○させる」と話す方のほとんどが、過度に干渉する子育てに陥っていました。
15年余りの教育やスポーツの育成現場を取材してきた知見からのお話です。
子どものことを考えるとき、話すとき、お母さんは主語が自分自身になっています。「私は」サッカーを辞めさせたい。「私は」今のチームで続けさせる。
この主語を、ぜひ「わが子」にしてください。君はどうしたい?どうしたらいいと思う?そんなふうに「問い」を立てられる母親になってほしいのです。
主語が親御さん自身である限り、お子さんはその手から離れることはできません。
「お母さんは、サッカーを辞めさせる」「お母さんは続けさせる」――この思考の中に、お子さんの存在や意思が見当たりません。
サッカーをやるのは、お子さん自身なのに。
この、子離れするために「主語を子どもにする」ことは、今の状況を変えるひとつの鍵になるでしょう。さらに、鍵はあと二つあります。
■やられたらやり返せというのは有効なアドバイスではない
もうひとつは、お母さん自身が「正しい大人」になってください。
「私の方で何か上手く立ち回れたらいいのかもしれませんが、どんな風にすればいいのか思いつかず、やられたらやり返せと息子に言うくらいしかできません」と書かれています。
本気でしょうか?
やられたらやり返しなさいと伝えるのは、いじめられたらいじめ返せばいいと教えているわけです。恐らく、意地悪なことを言われたら言い返せばいいじゃないの、くらいな気持ちかもしれませんが、お子さんにとって有効なアドバイスになってはいないように思います。
もちろん悪いのは、嫌なことや意地悪なことを言ってくる仲間です。
ですが、これはお子さんの問題です。まずは、嫌なことを言われたお子さんの気持ちに寄り添いませんか。
「嫌だったね。よく我慢したね。君は何も悪くないよ。大丈夫だよ。お母さんに何かできることはある?」