保護者からの期待がどんどん高く......。監督の顔を潰さずチーム外自主トレでできることは?
と保護者の期待も高まり、少年団に対するフラストレーションもあるようです。このような状況で私自身どこまで関わって良いものか、自主トレで行えるメニューなどとあわせましてご指導いただきたく思います。 どうか宜しくお願い致します。
<池上さんのアドバイス>
ご相談、ありがとうございます。
つまり、メインコーチのうかがい知れないところで、秘密の練習をしているということですね。結果が出たこともあって、保護者も「もっと練習して」と要求しているようですが、小学2年生からこのように期待して練習をたくさんさせるという状況がいいとは私は思えません。
■クラブに預けたのならコーチに任せた方がいい
結論から言いましょう。
保護者に、チーム練習外のトレーニングを頼まれても、引き受けないほうがいいでしょう。
そのクラブに預けたのだから、そこにいるコーチに任せたほうがいい。もし、保護者が担当コーチに不満を感じているのなら、話し合えばいいことです。
もし、みんなでコーチに話したけど、その方自身が変わらないときは、その時点で親子で判断すればいいのではないでしょうか。例えば、移籍を考えた場合、近くに良いクラブがないという話は少なくありませんが、サッカーができる環境は間違いなくあるはずです。
■自分たちで考えることで選手としての引き出しが広がる
私が京都サンガに在籍しているとき、バドゥー監督がある時「ちょっと用があって30分ほど抜けるから、ちょっと見てて」とほかのコーチに指導を委ねることがありました。
すると、ほかのコーチは「監督の指導方法もわからないのに、どうしたらいいんですか?」と戸惑うわけです。すると、彼は「いや、ただサッカーをすればいいんだよ」と涼しい顔で答えていました。
任せたコーチがバドゥーと違うことを言ったとしても、そこで判断するのは選手です。
選手からすると、監督と違うことを言われたら、そこに疑問も生まれますが、同時にそこに考える機会も生まれます。
そして、そういうことは、彼らのそこから先のサッカーキャリアの中では起こりがちです。
「監督はこう言ってる」
「ヘッドコーチはこう言ってる」
では、僕たちはどうする?
そのような経路をたどることで、選手の引き出しは広がります。
そう考えると、バドゥーの態度は何ら間違ったものではありません。
「なんでもいいよ。サッカーやってくれれば」