女子サッカーチームでいじめられている娘が心配でたまらない問題
「家で姉妹に当たり散らし泣かしたりする」とあります。これは、サッカーチームで嫌な思いをしているストレスを、きちんと吐き出している証拠です。当たり散らかされたほかの姉妹にとっては迷惑な話かもしれませんが、そんなふうに感情をコントロールできない自分の負の部分「決していい子ではない姿」を親の前でさらけ出せています。
これは、娘さんにとって、お母さんたち家族の存在が「安心安全な場所」であることを示しています。
実は大概の子どもは親に対し「心配かけちゃいけない」と気を遣うものです。そこには「親にとっていい子でいたい」という自己承認欲求が隠れていることもあります。娘さんは要求しなくても承認されている実感があるのかもしれません。これはとてもいいことです。
ただし、お母さんに心配されるのを嫌がっているような記述があるので、きっとそういった欲求もどこかにあるはずです。したがって、「私はもう大丈夫だから」と言い始めたときは逆にパチリと目を開けて様子をうかがってください。本当にもう解決したかもしれないのですが、頑張りすぎている可能性もあります。
「すごいね。自分で工夫してるんだね。でも、無理しないでね。頑張りすぎるのはよくないよ。疲れたらいつでも言ってきてね」
そんなふうに伝えてみてください。
その点では、お母さんが「あなたは何も悪くない。辞める事もできる」と伝えたのは良かったと思います。ただし、最初から「お母さんが伝えてあげるから」とは言わず、「コーチに話してみたらどうかな?」と促してはどうでしょう。
その気がありそうなら、そこで「ひとりで不安だったら、お母さんもついていくから教えてね」と伝えておけばいいのです。
■様子を見た方がいい理由その3)親にちゃんと報告できている
三つめは、お母さんに経過報告ができているからです。
今のところ娘さんはお母さんにサッカーチームで起きたことを、自分なりに報告しているようです。ご相談いただいた文面だけでは100%理解はできませんが、お母さんの相談文には娘さんが家でサッカーの話をよくしている様子が書かれています。逆に、尋ねても、「別に」とか「もうその話はいいから」「もう大丈夫だから」などとサッカーの話をしなくなったら、別の方法を考えたほうがいいかもしれません。
例えば、娘さんには言わずに、コーチの方に様子を尋ねてみるとか、何か思い当たることがないかなど情報を共有したほうがいいでしょう。