医師が解説! サッカー少年少女の足が臭い理由と今日からできる足のにおい対策
前回の記事で「爪を短く切る」「ゴシゴシ洗うのはNG」「ブラシでこすらなくてもOK」などとお伝えしたのはそんな理由からです。
トレーニングシューズやスパイクは群れやすく熱がこもりやすいので、ばい菌が繁殖しやすい
■「腰から下」はばい菌の生息地
ちなみに、医療の世界では床に近づくほど「菌」が多いというのが常識で、腰から下はばい菌が多いとされています。ドラマや映画で観る手術前のシーンでは、医師が手を消毒後に両腕を上げて歩いていますよね。腰より下に手を下げないようにしているからです。
それゆえ、シューズの中は蒸れやすいのはもちろん、そもそも床に隣接する足はばい菌が多いのです。臭くなりやすい原因はそれもあります。
■足のにおいの発信源は、ずばり「足先」
足が臭うといっても、足の中でも特に臭いやすい=「ばい菌が繁殖しやすい」ところがあり、それは足先。足の裏全体と思われがちですが、実はかかとや土踏まずあたりより、足指のにおいが強いんです。
理由は汗が一番多く出るのが足の指だから。ヒトの足の汗は圧がかかることで出ます。これはもともと、足の指でも何かを掴むことがあったことに由来しているそう。適度な水分=汗ですべりにくくするためです。走ったり蹴ったり止まったりというサッカーの一連の動作で酷使される足の指は、常にプッシュされていますよね。だから、足指から汗の量が多くなりがちです。
さらに、ソックスの中で足の指と指が密着していることで、他の部位より蒸れます。ばい菌が繁殖する条件が整ってしまいますよね。
前回の記事で「指の間を丁寧に洗う」「厚手のソックスや5本指ソックス」を推奨したのはこれが理由です。
■医療に頼る方法もあります
なお、あまりにも足の汗が多く日常生活がままならないほどの人は「原発製足蹠多汗症」である場合も。最近、手汗が多い人のための薬のテレビCMが流れていますが、その足バージョンもあります。その場合は医師の診断のもと、塗り薬を処方してもらうことも可能ではあります。
■家庭にある「消毒用アルコール」が足臭対策に
そもそも菌が繁殖しないために、足にある菌を減らしておくことが有効です。ばい菌が繁殖しないようにするには、除菌や殺菌をして元となる菌の母数を減らすことが効果的なのです。
前回の記事で洗った後のシューズや靴下は「高温で乾かす」などは除菌・殺菌のためですが、もっとおすすめなのは、コロナ禍を経て一家に1つは必ず常備しているであろう消毒用アルコールジェルを足に使うことです。