技術指導どころじゃない、おとなしく話を聞けない低学年・未就学児に説明不要で楽しめる練習メニューを教えて
と問いかけます。全員が楽しむことの大切さを味わってもらうことが重要です。
その子たちにとってはハードルが低くなり過ぎて楽しくなくなることもあります。よって、小さい子のためのルールを入れた試合はずっと続けるのではなく、みんなが楽しくなり始めたらまたルールを変えてください。そうすると、出来る子たちが注目される場面が出てきます。
行きつ、戻りつでいいのです。それぞれの子どもたちが楽しめる機会を創出しながら、月日が経つと「いつの間にかみんな上手くなったね」とか「みんなで普通に試合できるようになったね」と言えるようになります。
■サッカーの要素を「止める・蹴る」に限定しないこと
講習会などに出かけると、そこで出会うのは初めて指導する子どもばかりです。
初めましての関係なので、その子たちの様子みながらどうオーガナイズすればいいかを考える。どんなメニューが合うかな?どうルールを変えてあげればいいかな?と観察しながら考えます。
しかし、ご自分のチームであれば普段から見ているから子どもの特徴がわかるはずです。練習の途中で遊ぶこともあるけれど、こんな遊びを入れるとまた熱中し始める。さまざま試せばうまくいったオーガナイズの引き出しは増えていきます。前述したルール変更同様、試合をする人数を減らして小さいコートでやるのもいいでしょう。環境をさまざま調整します。
もうひとつ大事なのは、指導者がサッカーの要素を「止める・蹴る」に限定しないことです。
サッカーで遊びたい子どもたちは、そんな練習に興味はありません。楽しくなさそうな話です。よって「楽しくないこともやらないとうまくならないよ」などと言わずに、勝ち負けがあるようなサッカー遊びをどんどん提供しましょう。
■池上さんが実際に2年生対象に行っている練習メニュー
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
私のスクールの話をしましょう。私のスクールは2年生がすごく多いです。しかも元気で、練習があまり好きではありません。先日、ミニゲームの合間に20分練習をしました。
2人組をつくってドッジボールみたいなコートに、3つの2人組、つまり計6人が入ります。1組はディフェンスになります。中央のライン付近でしか動けない決まりです。そこで二つの2人組がパス交換をします。2年生でも理解できます。取られないよう、うまくパスを通さなくてはいけません。