U-10年代の守備の基本、状況認知やボールを奪う動きをどう教えればいい?
と働きかけましょう。それを重ねていくと、選手は自分が相手とどれくらいの間合いで守ればよいかを見極めていきます。これは私たちコーチが手取り足取り教えてできるものではありません。もっと言えば、その子自身の能力でしかないのです。
時折、育成年代の講習会をのぞくと「手を伸ばして相手に届く(体に指先がつくような)距離にいなさい」と教えることがあります。ところが、それはひとつの目安でしかありません。間合いをもっと詰めても抜かれない選手もいれば、その間合いでも簡単に抜かれてしまう選手もいます。自分で「自分の間合い」を見つけてもらう。
たくさん抜かれることで、詰める距離やタイミングを学ぶのです。
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■指導のポイント②ミニゲームではマンツーマンで守備をさせる
ふたつめ。この守備の感覚は主にはゲームで養います。練習の際ミニゲームをするときには、守備についてはマンツーマンでやらせましょう。
簡単に言えば「この子を離しちゃダメだよ」「まずボールが渡らないように守ろう」説明してください。それでも相手に振り切られてボールが渡ったとしたら、マークしている自分がとりに行く。もし抜かれたとしても、仲間にカバーを期待して見ているのではなく、誰より先に自分が追いかけるよう指導しましょう。
■指導のポイント③からだを当てろ、ではなく足を出せと伝える
三つめは「からだを(相手に)当てろ」ではなく、「足を出せ」と口酸っぱく伝えること。
ボール保持者に対し激しく守備することを「デュエル」と表現することがあります。が、日本ではそれについて「相手の体に自分のからだを当てよう」と伝えることが多いようです。しかしながら、からだをぶつけても相手がボールを隠して取られない位置に置けばボールは簡単にはとれません。
そこでからだを当てるのではなく、足を出すことが重要です。相手の足下にあるボールを目がけてとりに行くよう促しましょう。足を出すことを強調せず、からだの入れ方などを細かく教えてしまうと、相手とボールの間にからだを入れようとします。それでうまくからだを入れられたらいいのですが、すり抜けられることのほうが多いようです。
さらに、すり抜けられると、からだを当てにいきがちです。そうなるとファウルが増えます。悪くすれば、お互いにケガをするリスクも高まります。