前向きな気持ちが回復を早める! Jクラブドクターが教える長期離脱からの復帰策【医師監修】
非接触時のケガは自分の弱い部分に負荷がかかってしまった時に起こるのが特徴。つまりウイークポイントをケガします。
ケガにより体のウイークポイントを発見でき、その部位をリハビリで徹底的に鍛えることで、バランスを整えてより強靭な体にすることだってできるそう。
大塚先生がケガからの復帰をサポートした選手の中には、現在日本代表や海外チームで世界を相手に大活躍している人が多数います。
「あのときのケガがなかったら、あの選手は代表に選ばれたり、海外チームで活躍できるほどの今なかったかもしれない」と思える選手が何人もいると言います。
ケガを糧により良い未来を実現することだってできると思うと、まさに「ケガの巧妙」。起こってしまったアクシデントを未来に繋げるための「今」にできることはどんなことなのでしょうか。
■ウイークポイントをストロングポイントに変えられる選手とそうでない選手の違い
大塚先生によると、ケガを糧によりパワーアップした選手に共通しているのは「常に質問をして、自分の体にしっかり向き合ってリハビリをアレンジできる」ことだそう。
逆に、ケガからの復帰が予定より遅れたり、ケガをきっかけにパフォーマンスが落ちるのは「1日3セットやればいい」など、医師やトレーナーに言われたことを、自分なりに消化せず(創意工夫なく)そのまま実践してしまう選手だそうです。
リハビリは自分の体の様子やコンディションに合わせて主体的にアレンジすることがその後を大きく左右します。「天気や湿度で洗濯物が乾く日とそうでない日があるように、人間の体も毎日調子が変わります。毎日同じ事を繰り返すのではなく、回数や内容はその日の体の様子を見て増減させるべき」と大塚先生。
とはいえ、その判断は小学生には難しいのが事実。とくに男子は精神年齢が女子より低いため(5歳分違うというエビデンスがあるそう)、お父さんお母さんのサポートが絶対的に必要になります。
ちなみにプロの世界では、選手のケガをケアするスペシャリストが複数人います。まずは医師が医学的なところを診て判断し、チームの理学療法士とアスレチックトレーナー、フィジカルトレーナーと連携を取り、段階に応じてさまざまなサポートをします。
小学生の場合は、医師以外の3人分を保護者が担うと心得ましょう。大塚先生の診察を受ける小学生や中学生の選手は、診察やリハビリにお母さんやお父さんに一緒に来てもらって、トレーナーとしての目を養ってもらっているのだとか。