英ARMはCOMPUTEX TAIPEI 2015開催前日の6月1日に台北にて記者説明会を行い、Cordio IPとCortex-Mに関する新IPを発表した(Photo01)。さて、発表の一つ目はCordio IPに関するものだ。CordioはARMが提供するRF関連のIPである。中核になるのは米Sunrise Micro Devicesが提供していた、Sub 1Vで動作するBluetooth IPである。Sunrise Micro Deviceはフロリダをベースとしていた会社で、ARMから出資を受けて作られた会社である。2014年3月まではStealth Modeで動いており、その後製品発表に合わせてStealth Modeから脱している。同社はBluetooth 4対応のRADIO IPをTSMCの55nm LPプロセスで開発しており、動作電圧は0.95Vと低いことが特徴であった。その後同社はARMに買収され、Cordio 4という製品がCordio IPとしてARMから発売されるようになった。今回の発表はこのCordio IPがBT 4.2に対応したといものだ(Photo02)。Cordioの最大の特徴は動作電圧が低いことで、この結果としてバッテリー電圧が定格ではもちろん、落ちてきた状況でも問題なく通信ができることである(Photo03)。アルカリバッテリーで最大60%、リチウムイオンでは最大2倍にバッテリー寿命を延ばせるというのは、そこまで電圧が降下する状況まで使い続けられる、という意味である。発表を行ったDipesh Patel氏(EVP of Technical Operations)は、実際に動作するCordioベースの評価チップ(Photo04)を示しながら、Wearable機器とか、あるいはBeaconなどにも最適だと説明する。ちなみにこのチップそのものはCortex-M0+コアにCordioを組み合わせ、実際に動作するものだそうだが、あくまで評価用ということでSRAM/Flash容量はそれほど大きくない。そのため、mbed OSは載らないとのことだ。もっともARMがチップ自身を製造するわけではないので、パートナーがmbed OSの動くCordioベースのチップを作ることは十分可能という話であった。2つ目の発表は、その55nmに関する話だ。ARMはIoT Subsystem for Cortex-M ProcessorというIPを発表した(Photo05)。これは何か?というと、TSMCの55nm ULPプロセスに最適化された、Memory ControllerとCache、Power Management、Interconnetなどをひとまとめにしたものだ。ターゲットとなるのはTSMCの55nmのEmbedded Flashで、これを使ってMCUを作る際に必要な機能をまとめた形になる。従来ARMはCPUコアのみを提供していた。そのため、SRAMの容量や構成、Flash Memory周りなどはライセンスを受けた各社がそれぞれ実装し、差別化を行ってきた。そこにARMがどうこうという話はあまりなかったのだが、今回はそこから一歩踏み込んだ形になる。これと組み合わされるTSMCの55nm ULPは0.9V動作が可能になるプロセスである(Photo06)。まだTSMCのWebサイトには55nm ULPの詳細が記載されていないが、基本は55nm LPプロセスの特徴を生かしつつ、Vddを0.9Vまで下げることで大幅な消費電力削減を可能にしているとする。実のところ55nmプロセスはすでに自動車向けのFlash MCUでは広く使われていた。理由は大容量のFlashである。特にECUに求められる機能が増えた上、機能安全を盛り込むという場合、大容量のFlash Memoryが必要になる。ただ、外付けで大容量Flashを接続するのは部品原価と実装面積の点で不利だし、外付けにする時点で故障確率が上がるからできれば避けたい。一方で、180nm~90nmプロセスのまま大容量Flashを搭載したら、ダイサイズが極端に肥大化する。55nmへの移行はこうしたジレンマを解決するための方法である。では汎用MCUではどうか? というと、ひとつは微細化による動作電圧低減で消費電力を増やそうという目的があるが、もうひとつはやはり大容量化が必須になりつつあることだ。例えばmbed OSはまだ正式にはMinimum Requirementが発表されていない。ただ、一通りのNetwork StackやSecurity Featureを載せて使おうとすると、SRAMが64KB程度は欲しいとされるし、プログラムの方もそれなりに肥大化するからFlashの容量は大きく取りたい。SRAM容量を増やすには微細化するのが一番で、例えば90nmで20KBの容量を確保するのと同程度のエリアサイズで、55nmならば64KBが確保できる。MCUに要求されるニーズが増えつつある現状では、微細化はまだ効果的である。Flashの方も同じで、複数のNetwork StackとかProtocol Stackを載せるためには、やはりそれなりのFlash Memoryが合ったほうが良い。また、最近On-the-Air機能、つまり複数バンクを用意し、片方のバンクからシステムを動かしつつ、もう片方のバンクをアップデート用に確保することで、稼動状態でのファームウェアアップデートを可能にしたいというニーズも増えているが、これを行うためには必要となるFlashの容量がきっちり倍になる。こうしたことへの対応にも、55nmへの以降は良い解になる。これに対して、ARMはCortex-M3をターゲットとしたTSMC 55ULP用のArtisan Physical IPを提供するとしており(Photo07)、これを使った製品は早ければ年末頃には登場するかもしれないとしている。うがった見方をすれば、これもmbed OS普及に向けた手のひとつなのかもしれない。55nmで製造されたCortex-Mは性能/消費電力比が現在のものよりずっと優れたものになりそうだが、それに向けたソフトウェアとしてmbed OSがすでに準備されているというのであれば、mbed OSを使わない理由はあまりない。本来なら明らかに逆な気がするのだが、単にWearable向けに最適なソリューションを提供、という以上の何かを感じさせるものであった。
2015年06月02日ネクストジェンは5月12日、同社のマルチキャリア対応SIPゲートウェイ「NX-E1010」が、NTTコミュニケーションズのIP電話サービス「Arcstar IP Voice」に対応し、日本アバイア製PBXとIP Voiceの接続を実現したと発表した。NX-E1010は、IP-PBXをはじめとした国内外のSIPサーバ製品を、通信事業者のIP電話サービスに接続するためのVoIPゲートウェイ製品。企業LAN側に接続したIP-PBXなどを通信事業者のIP電話網に接続可能であり、NX-E1010搭載のサーバ1台で多数の回線を収容できる。企業はIP回線での音声通話を利用することで、IP電話同士での無料通話やIP回線でのレガシー回線の集約効果などにより通信コストを低減できることに加えて、INS1500などのPRI接続では困難だった突発的な回線数増加への対応が従来と比べて容易に行えるようになる。今回の接続実現により、アバイア製PBXのユーザー企業は、NTTコミュニケーションズが提供する各種のサービス上で高品質なIP電話を利用可能になるという。
2015年05月13日テクノマセマティカは5月7日、独自開発した8K/60P対応H.265/HEVC(次世代映像圧縮技術)リアルタイムデコーダ用ソフトIPの本格的な国内販売を開始すると発表した。独自アルゴリズムである「DMNA(Digital Media New Algorithm)」を用いて開発したH.265/HEVCは、少ない演算量でリアルタイム・エンコード/デコード処理が可能なため、安価な環境においても高画質、小型化、高速化、低消費電力化を実現することが可能。なお、同社としては、適用用途として、テレビモニターなどのデジタル表示機器のほか、テレビ会議や業務用放送機器、その他の映像関連機器などを想定しているという。
2015年05月07日ソフトバンクモバイルと西菱電機、クラリオンはこのほど、カーナビゲーションシステムとIP無線機を一体化した業務車両向け車載端末「UA-1137A」を発表した。3社によると、カーナビとIP無線機を一体化したIP無線サービスは業界初だという。提供するサービスは、クラリオンの業務車両向け車載端末SOLID AD-1シリーズ「UA-1137A」にUSBスティック型データ通信端末とPTT(プッシュ・トゥー・トーク)のマイクを接続することで実現。ソフトバンクが提供する「SoftBank 201SJ」や「SoftBank 301SJ」などのIP無線機との相互呼び出しや音声通話(単方向)も可能だ。IP無線サービスの利用には別途契約が必要なものの、従来の業務用無線のような無線免許申請や無線資格従事者による基地局設置工事が不要になるため、コスト削減に繋がるとしている。価格はオープンで、端末の導入台数の規模によって個別見積もりとなる。なお、Solid-ADは、Androidベースの車載端末であるため、カスタマイズが容易だ。今回も、SI向けにクラリオンが用意しているSDKを活用してIP無線システムの融合を果たした。USBスティック型データ通信端末+PTTマイクをカーナビと繋いだだけの簡便な機器構成で「効率の良い配車システム構築に繋がる」(クラリオン 常務取締役 大町 秀雄氏)。SDKを活用した事例としては、配送業務支援や安全運転解析サービスなどもあり、無線機にとどまらず、ハードウェアと共に固定化されていた業務車両に必要とされる機能に柔軟に対応できるようになる。なお、これらのソフトウェアは、SDカード経由でドライバーに提供される。今回の発表では、W-CDMA(3G)の900MHz/2.1GHz帯の対応にとどまっているが、今後のLTE化については「将来的には当然そうなると思う。LTEになっても、伝送路がLTEになるだけで、IP無線としての機能は変わらない」としており、将来的にスムーズな置き換えも十分可能といえそうだ。
2015年04月29日日立情報通信エンジニアリングは4月20日、企業・事業所向け電話システムである中・小容量向けIP-PBX(構内交換機)の新製品「NETTOWER MX-01」を販売開始した。価格は、ひかり電話8ch/24ボタン機能電話機20台/FAX用回線2台分/10分間停電対応バッテリーのシステム構成例の場合で130万円(税別)から。新製品は、同社の小容量向けIP-PBXである「NETTOWER MX900IP」の後継となる中小容量向けIP-PBX。ユニファイド・コミュニケーション、モバイル端末、キャリアサービスへの対応に加え、上位モデルの大容量IP-PBX「NETTOWER CX-01」が持つコンタクト・センター(ACD、CTI)向け機能やサーバー連携などの機能を実装し、小容量から中容量の企業・事業所のコミュニケーション基盤として活用できる。MX900IPの機能や操作性を継承し、既にMX900IPを利用中の場合は、設置場所や配線などの再使用が可能で、導入コストの低減を図ることができるという。MX-01は導入企業の事業拡大に伴うPBXの拡張に対応可能であり、中小容量域に加えてCX-01との連携による大容量化や音声ネットワークも実現できるとしている。両機種は、公共施設/ホテル/店舗/病院/介護施設など多様な業種の特殊な要件にも対応し、容量や業種を問わず幅広く使用できるとのこと。
2015年04月21日NYの60歳オーバーのシニアファッションを撮影したブログと写真集「アドバンスト・スタイル」を題材にしたドキュメンタリー『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の日本公開日が、5月29日(金)に決定した。2008年に、アリ・セス・コーエンが創設したブログ「アドバンスト・スタイル」。独自のファッションに身を包み、NYの街を闊歩する60歳オーバーの女性たちを写真に収め、インタビューを紹介するそのブログは、瞬く間に人気となり、ファッション業界で大きな話題となった。2012年にはブログをまとめた写真集が出版され、翌年には日本でも翻訳本が発売され大きな反響を呼び、今年の2月に渋谷西武で開催された写真展には多くの女性たちが足を運んだ。このたび公開が決まった映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』では、62歳から95歳までの7人の女性を中心に、ファッションを通したそれぞれの人生に焦点があてられている。伝説的なアポロシアター出身のグラマラスな81歳のダンサーから、アッパーウェストサイドの有名ブティックのオーナーで派手なアクセサリーを好む80歳、93歳のウェスト・ビレッジに住むカラフルな着こなしと自身の髪の毛から作った赤いまつげで有名なアーティストなど、彼女たちは人生の障害をスタイルとエレガンスで軽々と乗り越え、年齢など精神的なものにすぎないと証明してみせる。美や若さへの執着に疑問を投げ、自立したスタイリッシュな女性たちを親密かつカラフルなポートレイトで描く本作。マイ・スタイルを地で行く女性たちの姿に、大いに元気をもらえそうだ。『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』は、5月19日(金)より、TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月15日NTTぷららは4月9日、「ひかりTV」において、2015年12月より光回線を通じた4K映像のIP放送サービス(4K-IP放送)を提供すると発表した。放送するチャンネルや番組編成内容などの詳細は今後決定される。ひかりTVは、NTTぷららとアイキャストが運営しているスマートTVサービス。4K-IP放送については、2014年6月よりNTT東日本・NTT西日本の光回線「フレッツ 光ネクスト」を通じて配信トライアルを行い、技術開発と検証を進めていた。ひかりTVの4K-IP放送は、現在提供中のひかりTV対応チューナー「ST-4100」のファームウェアをアップデートすることで利用可能となる。また、4K-IP放送チューナーを内蔵した4Kテレビでも視聴できる。4K-IP放送対応テレビについては現在、シャープと東芝ライフスタイルが対応予定、パナソニックが対応を検討している。4K-IP放送の技術仕様は、解像度が3,840×2,160ドット、動画圧縮方式がH.265/HEVC、音声圧縮方式がAAC、配信速度が約30Mbps、フレームレートが60フレーム/秒。なお、4K-IP放送を視聴するにはNTT東日本・NTT西日本の光回線「フレッツ 光ネクスト」「フレッツ・光プレミアム」「B フレッツ」の契約が必要だ。NTTぷららは同日、都内で記者発表会を開催。その詳細レポートを追って掲載する。
2015年04月09日ピクセラは4月10日、Mac向けDTCP-IP対応のメディアプレーヤーアプリ「StationTV Link」を発売する。価格は税込3,000円で、ダウンロード販売となる。StationTV Linkは、DTCP-IPに対応したメディアプレーヤーアプリ。DTCP-IP対応のテレビやレコーダー、ネットワークストレージから、ホームネットワーク経由で放送中のテレビ番組や録画番組をMacから視聴できる。家庭内のサーバーを自動で検出し、再生可能な番組を一覧で表示する。対応OSはMac OS X 10.9以上。対応機種は2011年以降発売のMacBook Air / MacBook Pro / iMac / Mac miniおよび2013年以降発売のMac Pro。Intel Core iシリーズまたは同等以上のCPU、メモリ2GB以上で動作する。インストールには100MB以上のハードディスク空き容量が必要だ。
2015年04月09日ピクセラは4月8日、Mac向けDTCP-IP対応のメディアプレーヤーアプリ「StationTV Link」を発表した。4月10日からダウンロード販売を開始し、価格は3,000円(税込)。DTCP-IP対応のテレビで受信した放送中の番組、レコーダーやNASに保存された録画番組を、ホームネットワーク経由でMacから視聴できるようにするメディアプレーヤーアプリ。DTCP-IPに対応したのは、Mac向けアプリとして初めてだという(ピクセラ調べ)。家庭内のサーバーを自動検出し、横断的に録画番組一覧を表示する。対応OSはMac OS X 10.9以降、対応機種は2011年以降発売のMacBook Air / MacBook Pro / iMac / Mac miniおよび2013年以降発売のMac Pro。動作環境はCPUがIntel Core iシリーズまたは同等以上のCPU。メモリは2GB以上、インストールに100MB以上のハードディスク空き容量が必要となる。
2015年04月08日テックウインドは1日、QNAP製NASの新モデルとして、DTCP-IPに対応した2ベイNAS「HS-210-D」、4ベイNAS「TS-420-D」を取り扱うと発表した。17日の発売を予定し、店頭予想価格は「HS-210-D」が44,800円、「TS-420-D」が67,800円。同社製NASとして初めてDTCP-IPに対応したモデル。ダビングした地上デジタル放送の番組などを、NASにダビング/ムーブが可能なほか、ダビングした番組をLAN経由でストリーミングできる。また、「HS-210-D」は「スカパー!プレミアムサービスLink」(録画・ダビング)に対応し、「スカパー!プレミアムサービスチューナー」から放送画質で「HS-210-D」に番組を録画できるという。「HS-210-D」の主な仕様は、CPUがMarvell 1.6GHz、メモリが512MB、ホットスワップ対応の2.5インチ/3.5インチベイを2基備える。主なインタフェースは、Gigabit Ethernet×1、USB 3.0×2、USB 2.0×2、SDカードスロット。「TS-420-D」の主な仕様は、CPUがMarvell 1.6GHz、メモリが512MB、ホットスワップ対応の2.5インチ/3.5インチベイを4基備える。主なインタフェースは、Gigabit Ethernet×2、USB 3.0×2、USB 2.0×2、SDカードスロット。対応OSはWindows XP / Vista / 7(32/64-bit) / 8(32/64-bit)、Windows Server 2003/2008 R2/2012、Mac OS X、Linux / UNIX。
2015年04月01日NTTコミュニケーションズは、同社が提供しているIP電話アプリ「050 plus」と法人向けの「050 plus for Biz」において、アプリを起動していなくても着信ができる「プッシュ着信通知機能」を30日より提供する。IP電話アプリ「050 plus」と「050 plus for Biz」ではこれまで、アプリを起動していない状態で着信した場合、「留守番電話センタ」でメッセージを預かり、メールで着信を通知していた。30日より、「プッシュ着信通知機能」が追加されることで、端末に搭載された通知機能を利用し、アプリを起動していなくても着信を通知する。「050 plus」、「050 plus for Biz」の対応OSは、iOS 6.0以降、Android 2.2以降。「プッシュ着信通知機能」に対応するアプリのバージョンは、iOS、Android共に「050 plus」がバージョン5.0.0以降、「050 plus for Biz」がバージョン3.0.0以降となる。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年03月27日ケイデンス・デザイン・システムズ(ケイデンス)とARMは3月18日(現地時間)、IP相互運用契約を締結したと発表した。同契約はARMとケイデンスのIPポートフォリオへの相互アクセスを提供し、両社のIPを含むテストチップの試作、カスタマー向けの開発プラットフォームの提供を許諾するもの。具体的には、既存および今後開発される ARM Cortexプロセッサ、ARM Mali GPU、ARM CoreLinkシステム IP、ARM Artisanフィジカル IP、ARM POP IP、さらに PCI Express、MIPI、USB、HDMI、DisplayPort、Ethernet、アナログ、DDR/LPDDR PHY、およびその他のメモリー、ストレージ、プロトコル向けコアなどのケイデンスの設計 IPが含まれるとのこと。ケイデンスは「今回の新契約によって、両社のカスタマーは、統合済みの IP ソリューションを使って市場投入を早め、低消費電力と高性能 SoC 設計の限界への挑戦を継続することができるようになります」とコメントしている。
2015年03月20日IoT向け無線規格であるIP500の確立・普及を図るIP500 Allianceは2月24日、IP500 Alliance Japanの発足を発表した。IP500はEUで868MHz、米国で915MHz、日本では915MHz/928MHzというサブ1GHzの周波数帯を使用する。通信速度は500kbps、通信距離は500mと、同じ周波数帯のZigBEEやZWaveと比べて高速かつ遠距離で通信できる。また、ノードの数も最大2000と多い。IEEE802.15.4-2006、IPv6、6LoWPAN、UDPおよびBACnetTMに対応しているためネットワークコストを低減することができ、電池で5~10年動作が可能だという。また、メッシュネットワークを基本とし機器がアドホックでつながるため、機器が壊れてもすぐに他の機器でバックアップすることができるほか、既存ネットワークとの完全相互接続が可能となっている。IP500 AllianceのHelmut Adamski CEOによれば、HEMSやセキュリティ(防犯防火)設備の一元遠隔制御、公共施設に設置されたセンサー網で収集されたデータの一括管理システムなどでの利用を想定しており、中でもビルの火災警報器での活用を促進していくという。例えば、IP500をビルに導入した場合、火災時にモバイル端末所持者の位置を瞬時に捉え、即座に避難方向を指示できるほか、避難扉などの防火設備の動作を細かく操作したり、消防署への通報も行うことができるようになる。2015年春には日本で評価キットが発表される予定で、現在のモジュールは2チップ構成だが、今後2015年末までにモジュールをシングルチップ化することを目指していくという。IP500 Alliance JapanのPresidentに就任した豊崎禎久氏は「日本の独自市場として自動車産業のほか、多ノードのネットワークを利用するカラオケ業界でも普及を図りたい」とコメント。さらに、「春に向けて社団法人化する。年内に30社のメンバーを獲得したい」と具体的な計画を明かした。
2015年02月24日トリニティは、IP68に準拠した防水・防塵性能を備えるiPhone 6向けケース「Catalyst Case for iPhone 6」の販売を開始した。価格は税別9,500円。「Catalyst Case for iPhone 6」は、防水と防塵の国際規格であるIP試験で最高の等級を示す「I68」を取得したiPhone 6向けケース。深さ最大5mまでの水中で使用可能だという。また、厚さ約11.4mmというスリムなボディながら、米国防総省の軍事規格MIL-STD-810に準拠した耐衝撃性能も備え、2mの高さから落下しても中のiPhoneを傷つけることはないとしている。そのほか、ケースを装着したままでの、ボリューム、スリープボタン、サイレントスイッチ、Touch IDの操作が可能だ。「Catalyst Case for iPhone 6」のサイズ/重量は、高さ約150mm×幅約80mm×厚さ約11.4mm/約46g。パッケージには、専用ストラップが付属する。
2015年02月08日Synopsysは2月5日、25 Gigabit Ethernet Consortiumが制定した25G/50G Ethernet仕様準拠の検証用IP(VIP)の提供を開始したと発表した。同VIPは、使い勝手、統合し易さ、性能を向上させるため、SystemVerilog Universal Verification Methodology(UVM)アーキテクチャをベースに開発されている。検証プランニング機能、ビルトインカバレッジ解析機能、University of New Hampshire(UNH)準拠のテストスイート、プロトコル考慮のデバッグを可能にするVerdi Protocol Analyzerのサポートといった機能を網羅しており、最先端のサーバストレージ機器向けエンドポイントSoCの開発において、検証収束までにかかる期間を短縮できる。なお、25G/50G Ethernet VIPならびにUHNテストスイートは、スタンドアロンもしくはシノプシスVIPライブラリやVerification Compilerの一部として、すでに提供が開始されている。また、同社のDesigWare Enterprise 25G/50G デジタルコントローラIPもすでに提供が開始されている。
2015年02月06日ARMは、スマートフォンなどのモバイル機器向けにプレミアムエクスペリエンスを可能にするIPスイートを発表した。プレミアムモバイルエクスペリエンスIPスイートは、あらゆるコンテンツの実行、作成、拡張が可能な常時接続のスマートフォンに対するエンドユーザの期待に応えるものである。4K 120fpsの解像度を有する動画コンテンツをリアルで高度にキャプチャする他、家庭用ゲーム機レベルの性能とグラフィックスを有する。また、ドキュメントやオフィスアプリケーションのスムーズな処理する実現する。さらに、スマートフォンでネイティブに実行される自然言語のユーザインタフェースを実現できる。そして、その中心となるのは、ARM Cortex-A72プロセッサであり、5年前の最先端スマートフォンの50倍の性能が提供される。さらに、新しいCoreLink CCI-500インタコネクトや、ARMのモバイルGPUの中でも最も性能および電力効率の高いMali-T880 GPUに加え、Mali-V550ビデオプロセッサとMali-DP550ディスプレイプロセッサも備える。この他、チップの実装を容易にするため、最先端のTSMC 16nm FinFET+プロセスに対応するARM POP IPも付属している。これらにより、モバイル機能が改善される。なお、同技術を搭載した機器は、2016年の市場投入が見込まれている。
2015年02月04日Synopsysは1月23日、DesignWare HDMI 2.0 Transmitter(TX)/Receiver(RX) IP、デジタルコントローラIPならびにPHY IPが、HDMI認可のテストセンターから仕様準拠性認証を取得したと発表した。同IPは、Elliptic Technologiesの組み込みセキュリティ機能を搭載し、HDCP 2.2仕様の認証も取得しているため、HDMI 2.0インタフェース出力のデジタルコンテンツに対する最高レベルの著作権保護機能を搭載した超高解像度マルチメディア機器向けSoCの実現が可能となる。DesignWare HDMI 2.0 IPならびに検証用IPソリューションは、60Hzのフレームレートで24ビットカラーモードの4K解像度をサポートする総計18Gbpsの帯域などの最新のHDMI 2.0仕様をサポートしている他、YCbCr 4:2:0の色調サポートにより、より少ない帯域で超高解像度映像を実現でき、21:9のフレームに対応することにより、劇場映画と同じ横長のアスペクト比が可能となる。さらに、TMDS(Transition-Minimized Differential Signaling)データスクランブル機能により、EMIを低減できる。そして、CEC(Consumer Electronic Control)仕様もサポートしているため、1つのリモコンで複数機器の操作を可能にする機能を実装できる。また、このシリコン実証済みIPに加えて、同社はDesignWare IP Prototyping Kit for HDMI 2.0も提供している。同キットは、IPのプロトタイピングと統合に必要となるハードウェアとソフトウェアをともに提供しているため、数分以内にIPのSoC実装作業に取りかかることができる。この他、事前コンフィギュレーション済みのIPとSoC統合ロジックとともに提供されるFPGAベースプロトタイピングシステムHAPS-DX、PHYドーターボード、シミュレーションテストベンチ、Linux/リファレンスドライバ/参照アプリケーションで構成されている。加えて、Linuxを実行できるDesignWare ARC 32ビットプロセッサベースのソフトウェア開発プラットフォームも提供する。なお、同IPはファウンドリ各社の28nmプロセスならびに16nm FinFETプロセスに対応したHDCP 2.2組み込みセキュリティ仕様準拠の認証済みで、すでに提供を開始している。また、DesignWare IP Prototyping Kit for HDMI 2.0も提供を開始している。
2015年01月25日アドバンスト・メディアは1月13日、音声認識・音声対話専用のバッジ型ウェアラブルデバイス「AmiVoice Front WT01」を開発したと発表した。近年、スマートデバイスの業務利用が増加しているが、スマートデバイスを使用するためには、画面を見ながら手で操作する必要があるため、ハンズフリー、アイズフリーのニーズに応えられないという欠点があった。また、これまでの眼鏡型や時計型のウェアラブルデバイスでは、内蔵マイクの耐騒音性能が脆弱なため、音声認識の性能を引き出すことができず、騒音環境下での実用が難しいという問題があった。同製品は、2マイクを用いた高指向性のマイクアレイとノイズキャンセル機能を搭載しており、騒々しい工場内などの高騒音環境下でも、高精度な音声認識を行うことができる。さらに、ヘッドセットマイク接続時においては、最大100dBの耐騒音性能、最大10mの耐風性能を有し、従来は音声認識が不可能とされてきた環境での利用を見込んでいる。加えて、屋外など雨天での作業にも対応できるIPX4相当の防水性能も備えており、本体背面スピーカによりヘッドホンを使用せずに音声出力できる他、首から掛けても使用できる。また、スマートデバイスやPC、眼鏡型ウェアラブルデバイスなど多種多様な端末とBluetooth通信で連携する。そして、本体にマルチファンクションボタンを搭載しており、音声指示に加え、ボタン操作によるコントロールも可能で、さまざまなアプリケーションと組み合わせることで、使用環境を問わず幅広い業種・業務で活用することができる。なお、8月より販売を予定している。また、同時期に無線機(インカム)の代わりとして利用可能なハンズフリーIP通話サービスも開始する予定。さらに、販売開始に先駆け、1月より数量限定で「AmiVoice Front WT01」のiOS/Andoroid版の開発キット(SDK)を、数量限定にて企業向けに販売するとしている。
2015年01月13日サンワサプライは24日、防塵防水規格の「IP47」を取得した10.1型タブレットを収納できる防塵防水ケース「PDA-TABWPST10」シリーズを発売した。ブラックとグレーの2色を用意。価格は5,378円。水回りや海辺などでの使用に最適な防塵防水ケース。防塵防水の保護等級「IP47」を取得しており、防塵性能は直径1mm以上の固形物が侵入しない「4級」、防水性能は一時的に一定水圧の条件に水没しても浸水することがない「7級」に適合する。10.1型サイズのタブレットを収納可能で、普段は折り畳んでおけるスタンドを装備。ハンドベルトも搭載するので片手でも持ちやすい。ケースにはカメラ窓も用意されており、タブレットでの撮影にも支障はない。長さ調節可能なストラップが付属するほか、フック取り付け位置を変えることで、縦向き / 横向きのどちらでも使用できる。本体サイズはW210×D17×H330mm、重量は275g。
2014年12月24日UQコミュニケーションズは2日、モバイルルータなどのWiMAX 2+対応機器に付与されるグローバルIPアドレスを、2015年3月下旬以降順次プライベートIPアドレスへ変更すると発表した。「UQ Flatツープラス」「UQ Flatツープラスauスマホ割(2年/4年)」など、WiMAX 2+対応料金プランを利用中のユーザーが対象となる。なお、同社はWiMAXユーザーに対し、同様の措置を2013年6月より実施している。プライベートIPアドレスへの変更により、オンラインゲームの一部(ルータのUPnP対応やポート開放設定が必要なもの)や、DynamicDNSを利用したり外部からIPアドレスを指定してアクセスするサーバ、TCP/UDP以外のプロトコルを利用するリモートアクセス(VPN)の一部などが利用不可となる可能性がある。同社は合わせて、グローバルIPアドレスの割当を保証するオプションサービスを新提供する。1つのグローバルIPアドレスを複数の機器で共有するNAPT技術を利用するサービスで、提供開始日は2015年2月20日。事前申し込みなどは不要で、WiMAX 2+対応機器の設定を変更することで利用できる。利用料金は税別96円/月。2015年5月末利用分までは無料で提供される。
2014年12月03日UQコミュニケーションズは、世界的にIPv4のグローバルIPアドレスが不足していることから、WiMAX 2+対応のモバイルルーターに付与されるIPアドレスを2015年3月下旬以降、順次プライベートIPアドレスに変更する。これにより一部のアプリ等は利用不可となる。IPアドレス変更の対象となるのは、WiMAX 2+対応の料金プラン(UQ Flatツープラス/UQ Flatツープラスauスマホ割(2年/4年))を利用するユーザー。グローバルIPアドレスからプライベートIPアドレスに変更することで、以下のアプリ等の一部が使えなくなる。オンラインゲームの一部(ルータのUPnP対応やポート開放設定が必要と案内されているもの)サーバとしての利用する一部(DynamicDNSを利用するもの、外部からIPアドレスを指定してアクセスするもの)リモートアクセス(VPN)の一部(TCP/UDP以外のプロトコルを利用するもの)その他、プライベートIPアドレス未対応のアプリケーション・ネットワーク機器なお、グローバルIPアドレスを必要とするアプリ等の継続利用を可能にするオプションサービスを提供する。月額利用料は96円で、2015年5月末利用分まで無料。2015年2月20日に提供する。利用に当たっては、WiMAX 2+対応モバイルルーターの設定を変更することで可能となる。
2014年12月02日ルネサス エレクトロニクスは12月1日、ヘルスケア機器、家電製品、産業機器向けに高い耐ノイズ性と高感度を両立させたタッチセンサIPを搭載する32ビットマイコン「RX113グループ」を発表した。近年、ヘルスケア機器、家電製品、産業機器の操作部では、耐久性・デザイン性向上のため、機械式ボタンに代わりタッチキーの採用が増えてきている。また、さまざまな環境下において使用するため、さらなる操作性・機能性向上に向けて高いノイズ耐性や高感度を有するタッチキーシステムが求められている。例えば、汗をかいた状態で操作するウェアラブルなヘルスケア機器や、水回りで使用されるIHクッキングヒータなどの家電製品では、水滴が付着した場合でも誤検知なく動作することが求められている。加えて、これらの用途では、デザイン性向上のため、操作部表面のアクリルパネルを曲面にするニーズがある。一方、工場内で使用される産業機器では、手袋をしたまま操作するといったニーズも増えてきている。同製品に搭載される静電容量式タッチセンサIPでは、自己容量方式と相互容量方式の2種類の検知方式をサポートしている。自己容量方式は従来品の「R8C/3xT」に採用されたIPよりも耐ノイズ性と感度を大幅に改善した。また、相互容量方式は、手袋を装着したままでの操作や、水滴が付着していても誤検知しにくいユーザーインタフェースを実現できる。さらに、タッチキー開発用ワークベンチはGUI操作に対応する。システムに合わせたソースコードの生成や感度調整の自動化に対応しており開発期間を大幅に短縮できる。そして、厚さ10mmを超えるアクリルパネルにも対応し、曲面パネルなどフレキシブルなデザインを実現できる。しかも、感度は「R8C/3xT」に比べ約5倍改善しており、デザイン性と高感度なユーザーインタフェースを両立できるという。加えて、32ビットマイコンでは業界トップクラスの低消費電流を実現。動作時の消費電流は0.1mA/MHz(typ.)、低消費電力モード時(RAM保持あり、LCD消灯)ではわずか0.44uA、LCD点灯時でも1.6μA(内部昇圧方式、1/3バイアス)を達成している。また、高性能32ビットCISC CPU「RXv1(32MHz)」、最大512KBのフラッシュメモリ、64KBのSRAM、セグメントタイプのLCDコントローラ/ドライバ(8コモン×40セグメント(100ピン版))、USBインタフェース(Full/Low Speed対応)、8チャネルのシリアルインタフェース、1チャネルのリモコン受信用IrDA、17チャネルの12ビットA/Dコンバータ(ADC)、2チャネルの12ビットD/Aコンバータ(DAC)、および相互容量方式時で最大36チャネルの入力に対応するタッチキーセンサなどを搭載する他、家電機器やヘルスケア機器の表示・システム制御、キー入力や外部との通信を1チップで実現できる。なお、同グループはパッケージの端子数が64~100ピン、内蔵フラッシュメモリサイズが128~512KBで合計12品種がラインアップされている。2015年2月より量産を開始し、2016年1月には月産100万個体制にする計画としている。
2014年12月01日アルティマは11月17日、Altera製FPGA向けにルネサス エレクトロニクスの「H8S C200」と互換性を有するIPコアを開発したと発表した。これにより、Alteraが提供しているARMベースのSoC FPGA、「Nios II」プロセッサと合わせ、より広範囲にFPGAベースの組み込みプロセッサに対応することが可能になるという。「H8S C200」は、ルネサスが開発したCISCベースの16ビットマイコンである。組み込み市場では幅広く採用されており、さまざまな機能を内蔵した多岐な製品をシリーズ展開している。「H8S C200」のCPU命令は、ルネサスの標準製品である「H8S」ファミリと互換性がある。また、周辺機能のタイマやシリアルインタフェースは、「H8S」マイコンと同等の機能を持っている。さらに、CPUが管理するメモリは、最大256KBまで内蔵されており、IoTのセンサネットワークなど、比較的小規模のシステム制御に適しているという。今回発表されたIPコアは、周辺モジュールに、バスコントローラ(BSC)、割り込みコントローラ(INTC)、16ビットフリーランニングタイマ(FRT)、8ビットタイマ(TMR)、ウォッチドッグタイマ(WDT)、PWMタイマ(PWM)、シリアル(SCI)、オンチップデバック機能を有する。命令セットはH8S/2600またはH8S/2000を有している。そして、システム統合ツール「Qsys」によるインターコネクトファブリック「Avalon」に対応しているため、同IPを使用することにより迅速にユーザー論理と接続することが可能になり、FPGAでユーザーオリジナルの「H8S C200」マイコン搭載システムチップの実現が可能になる。なお、同IPは、今年発表されたAlteraのFPGA「MAX 10」への組み込みを予定している。今後、アルティマは「MAX 10」限定の評価用IP、ドライバと「MAX10」ボードをバンドルした評価パッケージを販売していく予定。
2014年11月18日フジテレビジョン(フジテレビ)は11月17日、汎用インターネット回線を使用し、ライブ映像を簡単に伝送したり生中継することが可能な、小型IP伝送システム「VideoCastAdvance、VideoCastStation」を、エクスプローラと共同で開発したと発表した。同システムは、専用の小型伝送機器端末とサーバーで構成され、中継現場で使用するインターネット回線のアドレス情報をメーカーの設置した管理サーバーにより自動で監視制御する。これにより、通常では機器の設定が煩雑で伝送が困難な場所からの生中継を簡単化し、現場スタッフやカメラマンの作業負担を軽減する。また、高額の回線束ね伝送装置を使用せずとも、変動するインターネットの回線スピードに自動的に伝送レートを制御することで、さまざまな速度のモバイル通信や公衆無線LAN、ADSL等のインターネットを利用した一般家庭からでも、それら回線速度に応じた品質のライブ伝送が可能となる。同社は今後、同システムを簡易生中継や通常の中継車では困難な場所などで活用し、報道や情報番組を中心に迅速で臨場感ある生中継に役立てたい考えだ。なお、同システムはテレビの生伝送の用途だけでなく、教育や医療、防災などの分野に有効活用が想定されるという。
2014年11月18日パナソニック AVCネットワークス社は10月29日、高速電力線通信「HD-PLC」向けシステムLSIを実現するアナログ回路IPとデジタル回路IPのライセンスを併せた統合コアのライセンスの提供を2015年1月から開始すると発表した。HD-PLCは電力線を使った通信であるため、これを1チップ化する場合、電力に関係したアナログ回路IPと通信に関連したデジタル回路IPを持つシステムLSIが必要であり、すでに同社ではデジタル回路IPに関して、LANの通信規格であるIEEE 1901対応の「HD-PLC」Completeを2010年に、シリアル通信対応の「HD-PLC」insideのデジタル回路IPを2013年よりそれぞれ行っていたが、アナログ回路に対応したシステムLSIが別途必要という課題があった。今回の統合IPは、それらを組み合わせたものであり、これを適用することで、HD-PLC向け1チップ・システムLSIの開発が容易になると同社では説明しているほか、これにより従来に比べ小型・軽量化と省消費電力化が可能になるため、従来に比べ多くの製品へ導入が可能になるとしている。なお同社では今後、さらなる通信の広域化を目的として、通信の長距離化や接続機器の台数の増加に対応した産業用機器向けのライセンスの提供を目指すとしている。
2014年10月29日EIZOは28日、ネットワークカメラ(IPカメラ)の映像表示と遠隔操作に対応する23型フルHD液晶ディスプレイ「DuraVision FDF2304W-IP」において、ネットワークカメラの標準規格「ONVIF(Open Network Video Interface Forum)」への対応を発表した。新バージョンの製品は12月の発売を予定しており、価格はオープン。DuraVision FDF2304W-IPは、互換性のあるネットワークカメラをLANケーブルで接続することによって、複数台のカメラ映像を表示できる液晶ディスプレイ。手元のリモコンから各ネットワークカメラのパン、チルト、ズーム、明るさ、フォーカスといった遠隔操作も行える。今回のバージョンアップでONVIF規格に対応し、ONVIF規格に準拠するAXIS、BOSCH、SONY、JVCといった大手カメラメーカーの複数機種との接続使用が可能になる。そのほか、各ネットワークの登録情報を保存する機能などを追加する予定。対応ネットワークカメラは、EIZO Webサイトにて順次公開していく。DuraVision FDF2304W-IPの主な仕様は、液晶パネルがIPS方式、画面サイズが23型、解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)、輝度が300cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1、視野角が上下左右とも178度、応答速度(中間階調域)が8ms。入力インタフェースはHDMI×1、およびネットワークカメラ接続用のGigabit Ethernet対応有線LAN。USB 2.0×2ポートのハブを備える。スタンド機能は上30度のチルトで、VASA 100mmマウントに対応する。本体サイズはW563.5×D157×H411.5mm、重量は約7.9kg。
2014年10月29日NTTコミュニケーションズは10月15日、IP電話サービスと連携したスマートフォンアプリを簡単に開発できる「050 VoIP SDK」の提供を開始した。050 VoIP SDKは、IP電話の発着信プログラムのライブラリと併せて、アプリ開発者用ドキュメントやソースコード付きのサンプルアプリなどを含む開発キット。iOS/Android向けのアプリのUIにライブラリを組み込むことで、発着信機能を実装できる。例えば、モバイルECアプリへの組み込みや、ビジネスパーソン向けの業務アプリへの組み込みが考えられる。提供する機能は、一般加入電話、携帯電話、PHS、国際電話への発信、NTT Com が提供する 050 IP 電話番号への着信、指定した番号からの着信拒否、留守番電話(保存日数は10日間、保存件数は20件)、国際電話の発信を制限。NTTコミュニケーションズは、10月29日~31日に開催される展示会「スマートフォン&モバイル EXPO【秋】」で、050 VoIP SDKを利用した050発着信プログラムを組み込んだデモアプリによる活用事例、IP電話の発着信デモンストレーション、サービス運用方法、申込み方法などを紹介する。
2014年10月16日トライポッドワークスとフォーバルテレコムは10月6日、IP-PBXとUTMを統合した次世代版IP統合ソリューション「CuteBOX」を同日より提供すると発表した。CuteBOXは、両社が共同開発した、中小企業向けIP統合アプライアンス製品。すでに8000社に販売した実績を持つIP統合製品「SWIFTBOX」の後継モデルで、コンパクト化を図ったという。CuteBOXでは、セキュリティ機能強化を図るため、アルプスシステム インテグレーション(ALSI)製の「InterSafeWebFilter」を採用。携帯キャリアも採用する高精度なデータベースに基づくフィルタリングが可能で、不正サイトへのアクセスや書き込みを防止できるという。フィルタリング機能以外にも、SECUI UTMの全機能(アンチウイルス、アンチスパム、IPS/IDS、ファイアウォール)が利用できる。一方で、PBX機能としては、IP電話14chとISDN 4ch、内線電話機36台をカバー。スマートフォンを内線収容できる機能を搭載しており、スマートフォンアプリ「2waySmart」を活用するだけで、内線子機として使用できる。また、既存のPBXとの連携も可能だ。
2014年10月06日フュージョン・コミュニケーションズは9月29日、同社が提供するIP電話サービス「IP-Phone SMART」に着信拒否機能を追加。あわせて、同サービス用公式アプリ「SMARTalk」も刷新した。FUSION IP-Phone SMARTは、利用者に050で始まる電話番号を付与し、月額基本料0円で提供するサービス。2013年6月の公式アプリ「SMARTalk」のリリース以降、国内向け通話料一律8円/30秒(税別)、海外(対象32カ国・地域)向け通話も一律8円/30秒(通話料は輸出免税の対象)になります。新たに追加された着信拒否機能は、184を付加された番号など電話番号が通知されない着信を拒否することができるというもの。最大50まで指定できる。同機能の追加に伴い、公式アプリ「SMARTalk」を刷新し、フラットデザインを採用。加えて、複数の端末でIP-Phone SMARTを利用するユーザー向けに「発信専用」でSMARTalkを利用できる設定を追加した。このほか、iOS版FUSION IP-Phone SMARTが米Appleが提供するモバイル向けOS最新版「iOS 8」に対応した。
2014年10月01日Cadence Design Systemsは9月26日(現地時間)、TSMC 16nm FinFET Plus(16FF+)プロセス向けにIPポートフォリオを発表した。16FF+プロセス向けのIPを活用することで、16FFプロセスと比較して、同じ消費電力で15%の周波数の向上、もしくは同じ周波数で30%の消費電力の低減を図ることができる。また、16FF+プロセス向けに同社が開発中のIPポートフォリオには、最先端SoCデザインの開発で最も重要な、メモリ、ストレージおよびインターコネクト標準向けの高速プロトコルIPが複数含まれており、シリコンでテスト済みのIPとして2014年第4四半期から提供が開始される予定。
2014年09月30日