楽天の三木谷浩史社長と米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフCEOは4月8日、京都大学の「iPS細胞研究基金」へそれぞれ約2.5億円を寄付する事を発表し、都内で調印式を開催した。調印式には京都大学の山中伸弥教授と三木谷浩史社長が出席、マーク・ベニオフCEOは中継で参加した。2009年4月に設立された同基金はiPS細胞研究所において基礎から応用研究まで実施できる研究環境を整備し、研究の加速化を図ることを目的としている。寄付金は知的財産の確保と維持、優秀な研究者・研究支援者の確保、安定的な研究の推進、医療応用に向けた研究費としての支出などに使用されている。今回の件は、ベニオフCEOが来日した際に山中教授に資金援助を申し出たことがきっかけだという。その際、ベニオフCEOが「他に賛同してくれる人はいないか」と聞いたところ山中教授から三木谷社長の名前が挙がったという。会見で三木谷社長は「山中先生は研究者という立場を超えて再生医療の実現に向けて資金調達をやっておられる。国からの支援も制約があると聞いた。今回の寄付金でより自由に研究できるようになればといい」とコメントした。iPS細胞研究所は国から競争的資金という名目の援助を受けている。しかし、この資金で同研究所でかかる費用の全てをカバーできるわけでなはい。競争的資金では国から許認可を得る専門家、高度な実験を行う技術員などを有期雇用することしかできず、研究所の職員の9割が不安定な立場にとどまっているという。iPS細胞研究の医療応用を目指している同研究所にとって、優秀な研究者や技術員を確保できないということは大きな痛手だ。自身もマラソン大会に参加するなどして資金集めに奮闘している山中教授は「研究所では年間5億から10億円の資金が必要となる。今回の支援をいたたいだことは、研究にとって非常にありがたい。最大限有効に生かして臨床応用の実現に向かってこれからも頑張っていきたい」と感謝を述べた。
2015年04月08日コラボで実現、新発想の美容液『PLAYBOY AGARU SERUM』発売!株式会社サンライズジャパンは、プレイボーイ社とのコラボレーションで誕生した美容液『PLAYBOY AGARU SERUM』を4月2日から発売した。“魔法か、科学か”をキーワードにしたPLAYBOY AGARU SERUMは、すぐれたリフトアップを実現するスキンケアのブランド。このたびジェンダーレスやエイジレスおよびボーダレスをモチーフとして、弾力性やたるみ、シミのないキレイな素肌へと導く“新発想”顔用美容液が登場した。「購入可能な店舗概要」BARNEYS NEWYORK 新宿店(2015年5月~販売予定)東京都新宿区新宿3-18-5。BARNEYS NEWYORK 銀座店(2015年5月~販売予定)東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビルそのほか、「PLAYBOY AGARU SERUM」のECサイトでも買い求めることが可能だ。どんな商品なのか?商品には強い抗酸化力を持つ【プラチナナノコロイド】や、楊貴妃が愛用した若返りの源といわれる【加水分解アナツバメ巣エキス】、さらに1g6リットルの水分をキープできる、すぐれた保湿力を持つ【ヒアルロン酸】など、“7つの美容成分”が豊富に調合されている。またエジプトで“若返りの精油”として知られていた【フランキンセンス】のナチュラルアロマの香りが使用されているので、リラックスしながら心地良く使用できるだろう。(画像はプレスリリースより)【参考】・株式会社サンライズジャパン プレスリリース (PR TIMES)・株式会社サンライズジャパン・PLAY BOY
2015年04月06日国立がん研究センターは4月2日、乳がんの脳転移にがん細胞から分泌される微小な小胞エクソームが関わっていると発表した。同成果は分子細胞治療研究分野の富永直臣 研修生、落合孝広 分野長の研究グループによるもので、4月1日付けの米科学誌「Nature Communications」電子版に掲載された。乳がんは比較的予後の良いがんとして知られる一方、治療後、長期間を経て脳転移が認められることがある。脳への転移は予後に大きな影響を及ぼしQOLを著しく低下させるが、そのメカニズムについてはわかっていなかった。同研究では、がん細胞が分泌する直径約100nmの顆粒(エクソーム)が、脳血管で物質透過を制限しているBBBという生体バリア構造を破壊していることを突き止めた。エクソームに含まれるmiR-181cというマイクロRNAがBBBの構造を変化させた結果、バリア機能が失われ、がん細胞が容易にBBBを通過し、脳転移を引き起こしていると考えられるという。がんの脳転移メカニズムを明らかにした今回の成果は今後、早期発見および新規治療法の開発への応用が期待される。
2015年04月02日日清食品は4月13日、「日清焼そばU.F.O. チーズカレービッグ」を発売する。同商品は、「日清焼そばU.F.O.」の"やみつき濃厚ソース"をベースに、ビーフの旨みとスパイスを利かせたカレーソースが特徴。具材には、大切りキャベツとニンジンをそろえた。別添で、カレーと相性のよいゴーダ、エメンタール、パルメザンの3種をミックスした特製粉チーズが付いており、あとがけすることによりコクのある味わいが楽しめるという。サイズは159g(麺130g)の大盛りで、価格は205円(税別)。
2015年04月02日日清食品は4月13日より順次、同社が展開するブランド「日清麺職人」の全6品をリニューアル発売する。同ブランドは、2000年の発売以来、"まるで、生めん。"のような麺を手頃な価格で味わえると主婦を中心に人気を集めるカップ麺シリーズ。今回は麺との相性を考え、スープを"香るスープ"にリニューアルする。対象商品は、「日清麺職人 しょうゆ」「同 みそ」「同 しお」「同 酸辣湯麺」「同 担々麺」「同 とんこつ」(各税別180円)の6品。しょうゆ味は、しなやかな中細ストレート麺が、煮干しだしの香りが特徴の「淡麗系しょうゆスープ」にマッチしているとのこと。みそ味は、太手もみ風麺にみそスープを組み合わせた。スープは、すりごまの香りに加え、野菜のうまみとコクが楽しめるという。しお味は、中細ストレート麺に香味野菜の香りのすっきりとした「淡麗系しおスープ」を合わせた。とんこつ味は、厚みのあるとんこつスープで、ガーリックの香りととんこつのうまみがアップしているという。麺は極細ストレート麺を採用。担々麺は、すりごまの香りと辛みをきかせた坦々スープに中細ストレート麺を採用した。酸辣湯麺は、酸辣湯と細ストレート麺の組み合わせ。スープは黒酢が香り、本格中華を思わせる酸味と辛みのバランスがとれた味わいとなっているとのこと。なお、元男子プロテニス選手の松岡修造さんが職人姿になって登場する特別パッケージ商品が期間限定(4月中旬~6月末)で登場する。
2015年04月01日富士フイルムは3月30日、iPS細胞の開発・製造を手がける米Cellular Dynamics International(CDI)を約3億700万ドル(約360億円)で買収すると発表した。今回、CDIを買収したことでiPS細胞を使った創薬支援分野に参入することになる。CDIは2004年に設立され、2013年7月にNASDAQに上場したバイオベンチャー企業で、良質なiPS細胞を大量に安定生産する技術に強みを持ち、大手製薬企業や先端研究機関と供給契約を締結している。現在は創薬支援や細胞治療、幹細胞バンク向けのiPS細胞の開発・製造を行っており、創薬支援向けに、心筋や神経など12種類のiPS細胞を安定的に供給している。富士フイルムは、写真フィルムの研究開発・製造で培ってきたノウハウを活用して、細胞増殖のための「足場」として生体適合性に優れ、さまざまな形状に加工できるリコンビナントペプチドを開発したほか、2014年12月には日本で再生医療製品を提供しているジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)を連結子会社化するなど、再生医療分野への取り組みを強化してきた。今後、CDIのiPS細胞関連技術・ノウハウと富士フイルムの高機能素材技術・エンジニアリング技術やJ-TECの品質マネージメントシステムとのシナジーを発揮させ、再生医療製品の開発加速、再生医療の事業領域の拡大を図るとともに、再生医療の産業化に貢献していくことを目指すとしている。
2015年03月30日富士フイルムは3月19日、再生医療に向けた細胞培養・移植に必要な足場素材「リコンビナントペプチド(RCP)」のマイクロサイズのペタロイド状微細片(petaloid μ-piece)を開発したと発表した。これを細胞と組み合わせて、モザイク状の三次元細胞構造体「CellSaic」を作りマウスに移植すると、細胞だけを移植した場合に比べて、生存効率が大幅に向上するという。生体に移植した細胞を機能させるには、移植した細胞や組織を効果的に生体内に生着させることと、移植した組織や細胞において栄養・酸素の供給や老廃物排泄を可能にすることが重要となる。細胞を生着させるためには細胞の足場となる素材使うこと、栄養・酸素の供給や老廃物の排泄を可能にするためにはその通り道となる血管を早く導入する方法が有効とされている。しかし、細胞塊が大きくなると中心まで栄養や酸素が供給されず、老廃物の排泄も困難になるため血管導入までに細胞が死滅してしまうという課題がある。富士フイルムが開発した「RCP」のペタロイド状微細片を用いて作製した「セルザイク」では、細胞の足場が確保されるとともに、内部に空間が形成され、その空間を通じて栄養・酸素の供給、老廃物の排泄が可能となり、生体からの血管系の通り道が形成される。マウスで行った実験では細胞のみ移植した場合と比べて生存率が約2倍に向上した。また、1型糖尿病モデルマウスを用いた実験も行った。1型糖尿病など、血液中のブドウ糖を調節する役割を持つ膵島の機能不全によって血糖値の制御が困難な場合には、ドナーから膵島を移植するという治療方法が存在する。その際、間葉系幹細胞(MSC)と共に移植することで治療効果が上がることが報告されている。同実験では、hMSCと「RCP」のペタロイド状微細片を組み合わせた「セルザイク」を膵島と共に1型糖尿病モデルマウスに移植したところ、正常レベルまで血糖値を下げることができた。これは、移植したhMSCが生体内で多く生存しているため、膵島移植の効果が高まったことによるものだと考えられるという。「RCP」のペタロイド状微細片を組み合わせた「セルザイク」は今後、細胞移植や細胞再生、臓器再生などさまざまな再生医療への活用が期待される。
2015年03月20日日本科学未来館(未来館)は3月20日から、5階常設展の生命エリアで新展示「細胞たち研究開発中」を公開する。同展示ではiPS細胞をはじめ、現在"研究開発中"の細胞研究について知ることができる。エリアはシアター部分と展示部分に分かれており、5つあるシアターでiPS細胞について約8分間の映像を見たあと、展示エリアに進むことになる。シアターの映像は、iPS細胞による治療などが現実になった近未来が舞台となっており、難病や怪我などを抱えた患者や相談者の人生ドラマを通じてiPS細胞とどう向き合っていくべきか「自分ごと」として実感できる内容となっている。展示エリアでは、体性幹細胞、ES細胞、iPS細胞という3種類の本物の幹細胞、受精の瞬間から6日間をとらえたヒト受精卵の映像、胎児が成長し誕生するまでの様子の3D画像などを見ることができる。また、情報を「知る」だけでなく実物大のヒト胎児模型や体の動きに合わせタンパク質の動きがわかるインタラクティブ展示など、細胞研究を「体験」できるように工夫した展示も用意された。同館ではこのほか、生命科学をはじめとする先端研究分野における社会的・倫理的な課題についてアンケート方式で回答し意見を発信する「オピニオン・バンク」も新設。科学技術に関する最新ニュースとリアルタイムの回答結果を得られる大型ディスプレイもあり、来場者に科学について自分なりに考えるきっかけを提供する。また、4月からは本物のiPS細胞を実験で扱う「iPS細胞から考える再生医療」がクラブMiraikan会員限定でスタートする。小学4年生以上を対象とし細胞の観察などを行う基礎編(所要時間2.5時間)、中学1年生以上を対象としiPS細胞をさまざまな細胞へと変化させる発展編(2週間にわたって実施:1回目は終日、2回目は2.5時間)という2コース設定された。募集人数は基礎編が各回16名、発展編が各回8名。月1回程度、2コースを月替りで交互に開催する。参加にはホームページから事前申し込みが必要で、その後抽選となる。
2015年03月19日大阪市立大学は3月18日、iPS細胞と人工神経を組み合わせて、マウスの坐骨神経損傷部に移植し、神経再生の長期有効性と安全性を実証したと発表した。同成果は同大学医学研究科整形外科学の中村博亮 教授、上村卓也 病院講師らのグループによるもので国際細胞組織学誌「Cells Tissues Organs」オンライン版に掲載される予定。外傷などによる末梢神経損傷に対しては自家神経移植が行われるが、神経を採取した部分に新たなしびれが生じてしまう。そのため、人工神経の臨床応用が進められているが、現在市販されているものは材質が硬く、移植場所が限られる、人工神経の神経再生が乏しいなどの課題がある。同研究グループが開発した人工神経は二層構造となっており、内層をポリ乳酸とポリカプロラクトン、外層をポリ乳酸のマルチファイバーメッシュで構成することで強度を保つと同時に、高い柔軟性を実現した。研究では、マウスiPS細胞から分化誘導した神経前駆細胞を人工神経に充填し、培養したものを坐骨神経損傷マウスの損傷部に移植し、48週間にわたり知覚機能の回復を調査した。その結果、iPS細胞を付加した人工神経を移植したマウスでは、人工神経のみを移植したマウスに比べて有意な神経再生が確認された。また、iPS細胞移植による腫瘍形成は認められず、iPS細胞と人工神経の併用によって長期的に安全かつ有効な神経再生が得られることがわかった。今回の成果によって今後、iPS細胞の移植再生医療が実現すれば、末梢神経領域へのiPS細胞の応用も可能になる。また、将来人工臓器や人工の手足が作成されるようになった場合、それらを神経でつないで動かすことに応用できる技術であると考えられるという。
2015年03月19日日清食品は3月24日から5月31日までの期間、JR渋谷駅構内の「日清ラ王 袋麺屋」にて、「日清ラ王 つけ麺 濃厚魚介醤油」の特盛り、大盛り、並盛りをどれでも1杯300円で販売する。○"まるで、生めん。"のような"つけ麺"のおいしさを「日清ラ王 袋麺屋」で「日清ラ王 袋麺屋」は、"まるで、生めん。"のようなおいしさの「日清ラ王 袋麺」が食べられるラーメン店。2012年11月にJR渋谷駅構内にオープンして以来、インスタントラーメンなのに街のラーメン店で食べるような本格的なおいしさを手軽に味わえると、好評を得ているという。今回は、3月23日に新商品「日清ラ王 つけ麺 濃厚魚介醤油 5食パック」(525円・税込)を全国で発売することに伴い、期間中、「日清ラ王 つけ麺 濃厚魚介醤油」の特盛り(3食分600g)、大盛り(2食分400g)、並盛り(1食分200g)を、いずれも1杯300円(税込)で販売する。トッピングは、チャーシュー・煮玉子・メンマ・輪切りねぎ。また限定販売期間中は、店舗の装飾も「日清ラ王 つけ麺 濃厚魚介醤油 5食パック」のパッケージをイメージした特別仕様に変更して営業する。なお期間中、「日清ラ王 醤油」「日清ラ王 味噌」「日清ラ王 塩」「日清ラ王 豚骨」「日清ラ王 担々麺」は販売しない。販売店舗は、「日清ラ王 袋麺屋」。場所は、JR渋谷駅 山手線内回りホーム上(中央)。営業時間は、10時~22時(ラストオーダー21時30分)。※情報は掲載時のもの
2015年03月18日Coyori 美容液オイル株式会社JIMOSでは、自社が発売中のエイジングケアブランド「Coyori(こより)」より「美容液オイル-白(はく)-さっぱり」を発売する。2015年春夏限定商品。3月より出荷開始。オイルが必要な年代加齢と共に、増えるシワやたるみ。その原因は実は皮脂不足。「美容液オイル-白(はく)-さっぱり」は皮脂を補いつつ、さっぱりとした使い心地を実現しており、べたつく季節に最適だ。春夏向け「美容液オイル-白(はく)-さっぱり」は従来品に比べてオイルの量が3分の1。その分美容液を増やし、さっぱり感を実現した。また、春夏に最適な、メラニン抑制と紫外線ダメージケア機能ももつ。「ソメイヨシノサクラ葉エキス」「ゲットウ葉エキス」の力によって、透明肌へと導く。こだわりの4種のオイル配合されているオイルは、4種の植物オイル。肌の皮脂と同じ脂肪酸組成を含む「椿油」「オリーブ油」「ユズ種子油」「コメヌカ油」。肌に近い独自のバランスで配合。Coyori(こより)とは「Coyori(こより)」は、「『素材をこよる』=ブレンドする、『想いをこよる』=お客様とのコミュニケーションを活発にする」などのコンセプトにより命名されたブランド。(画像はプレスリリースより)【参考】・「Coyori 美容液オイル」史上、最高のさっぱり感!春夏の肌に合わせて、オイルと美容液をブレンド。紫外線ダメージケアも叶える「美容液オイル-白-さっぱり」新登場。
2015年03月17日ミトコンドリア・パワー株式会社chaseは、機能水「ミトコンドリア・パワー」の公式サイトをオープン。「ミトコンドリア・パワー」は細胞レベルから美容・健康に挑戦する機能水だ。株式会社chaseは医学的にも学術的にも根拠のあるヘルスケア商品を取り扱う会社。「ミトコンドリア・パワー」も多くの医療機関や整骨医院、スポーツジムなどから支持を得ており、トップモデルやトップアスリートの愛飲者も多い。この度、「一般の方々にも広くにご飲用頂くため」に公式サイトをオープンする。ミトコンドリアとは人間のからだのエネルギーは、約90%がミトコンドリアで生産されている。つまり、ミトコンドリアは人間の健康・美容・活力に多大な関わりがあるのだ。「ミトコンドリア・パワー」は、ミトコンドリアを活性化する機能性飲料水。ミトコンドリアが入っているわけではない。「ミトコンドリア・パワー」がミトコンドリアの活動を助けることにより、健康や美容への近道となる。約1ヶ月で株式会社chaseは1日500ml~1,000mlの飲料を推奨。約1ヶ月で体調の変化を感じるのが一般的とのこと。価格は1,000mlを12本セットで7,800円(税込)だ。(画像はプレスリリースより)【参考】・細胞レベルから美容・健康に挑戦する機能水「ミトコンドリア・パワー」公式サイトオープン
2015年03月14日理化学研究所(理研)は3月11日、iPS細胞とES細胞の違いを決める分子を特定したと発表した。同成果は理研ライフサイエンス技術基盤研究センタートランスクリプトーム研究チームのピエロ・カルニンチ チームリーダー、同 アレクサンダー・フォート 客員研究員と、理研統合生命医科学研究センター免疫器官形成研究グループの古関明彦 グループディレクターらの研究グループによるもの。2月12日付け(現地時間)の米科学誌「Cell Cycle」に掲載された。体細胞に由来するiPS細胞と受精卵に由来するES細胞は、幹細胞としての多くの共通した性質をもつ。これまで、両者では遺伝子発現が異なると報告がある一方、特定のiPS細胞はES細胞とほぼ区別がつかないという報告もある。同研究グループは、2014年に、iPS細胞とES細胞の核内にはこれまで知られていなかった数千種類のRNAが発現していることを独自技術によって明らかにしていた。また、その多くがレトロトランスポゾンという遺伝子因子に由来するノンコーディングRNA(ncRNA)であることを突き止めた。ncRNAは、メッセンジャーRNAと異なり、タンパク質の設計図として用いられないRNAのため、これまでの解析では詳しく調べられていなかった。今回の研究では、マウス由来のES細胞とiPS細胞を用い、ncRNAを含めた全転写産物の網羅的な発現比較を行った。その結果、ES細胞の核内で発現するncRNAの多くが、iPS細胞では十分に発現していないことが判明。これらのncRNAの中には、多能性に関わる遺伝子の発現を促進する遺伝子制御部位や、レトロトランスポゾン由来のRNA配列が含まれており、既存のiPS細胞作製方では、ES細胞で機能している多くの遺伝子制御部位の活性が十分に起きていないことが示唆された。今回の結果は、今後、臨床に用いるiPS細胞を適切に評価する方法の開発や作製技術の改良に役立つと期待される。
2015年03月11日リプロセルは3月9日、国立がん研究センター(国がん)とヒト正常上皮細胞とがん細胞の培養試薬に関する共同研究契約を締結したと発表した。同研究では、これまで樹立や培養が困難だった各種がん細胞および正常上皮細胞を安定的かつ高効率に培養することが期待される。同社は「上皮細胞向けの培養試薬は身体のさまざまな部位に存在する、あらゆる上皮細胞を対象としております。また、がん細胞向けの試薬も、がん研究の障害であった培養の困難を克服する画期的なものであります」とコメント。次世代シーケンサーを用いた臨床検査事業におけるがん診断サービスへの取り組みに着手しているとした。
2015年03月11日金沢大学は3月5日、アルギニンバソプレシン(AVP)という神経ペプチドを産生する神経細胞が体内時計の機能に重要な役割を果たし、概日リズムの周期や活動時間の長さを決定すると発表した。同成果は金沢大学医薬保健研究域医学系の三枝理博 准教授、同 櫻井武 教授と北海道大学、理化学研究所の研究グループによるもので、3月4日の米科学誌「Neuron」のオンライン版に掲載された。ヒトを含む哺乳動物のさまざまな身体機能は約24時間周期リズム(概日リズム)を刻んでおり、視床下部の一部である視交叉上核に存在する体内時計により制御されている。同研究グループは、視交叉上核を構成する約2万個の神経細胞の中から、最も多いとされる(約40%)AVPを生み出す神経細胞に目を付け、AVPだけで細胞時計を破壊した変異マウスを作成し、実験を行った。その結果、常に光を遮断した環境でマウスを飼育し、ケージ内を自発的に動き回る行動の概日リズムを解析すると、正常なマウスは24時間弱の周期を示すのに対し、変異マウスは周期が約1時間長くなっていた。1日の活動時間と休息時間を比べると、変異マウスは正常マウスに比べて活動時間が約5時間長くなった。また、明暗サイクルを8時間早めて時差を起こすと、変異マウスは正常マウスに比べ約5日早く新たな環境に対し行動リズムが順応し、体内時計の機能が弱まっていると考えられた。この変異マウスの視交叉上核を調べると、神経細胞間コミュニケーションに重要な遺伝子の中で、AVP産生神経細胞が激減していたほか、各AVP産生神経細胞が刻む概日リズムが弱く不安定で、周期が長くなっていた。これらの結果から、AVP産生神経細胞の細胞時計がきちんと機能することで、神経細胞間コミュニケーションに重要な分子が作られネットワーク機能が高まり概日リズムが安定し、適切な周期および活動時間帯で行動するように調節されることが確認された。これまでAVP産生神経細胞は体内時計のリズムに関与していないと考えられていたが、今回それを覆す結果が得られたことで、同細胞を新しくターゲットとした体内時計を調節する技術の開発につながる可能性が期待される。
2015年03月09日日清食品は16日、「日清ラ王 Selection 辣椒担々麺(ラージャオタンタンメン)」を発売する。○肉みそ付きの本格担々麺を、湯掛け調理だけの手軽さで「日清ラ王 Selection」は、「日清ラ王」ならではの「まるで、生めん。」のような品質の麺と、こだわりのメニュー選定でスープや具材に特徴を持たせたワンランク上のシリーズ。シリーズ第3弾となる同商品は、花椒のしびれる辛さと練りごまの濃厚なコクとうまみが特徴。麺は、つるみ、コシ、もっちりとした食感が特徴の、食べ応えのある3層太ストレートノンフライ麺を採用。スープは、練りごまの濃厚なコクとうまみに花椒と唐辛子の辛味を感じさせる、味わい深い担々麺スープになっているとのこと。具材にはレトルトの本格的な肉みそとワケギを使用し、まさに「本格中華」と呼ぶにふさわしい担々麺に仕上げた。さらに、別添の風味豊かでピリッとしびれる辛さが特徴の「花椒入り唐辛子」を加えることで、いっそう辛さとおいしさが引き立つという。内容量138g(麺75g)で、希望小売価格は258円(税別)。
2015年03月08日京都大学は2月27日、ヒトiPS細胞から軟骨細胞を誘導し、硝子軟骨の組織を作製したと発表した。同成果はiPS細胞研究所(CiRA)の妻木範行 教授、同 山下晃弘 研究員らの研究グループによるもので、2月26日付け(現地時間)の米科学誌「Stem Cell Reports」に掲載された。関節軟骨は骨の端を覆い、腕や膝を曲げた時などにかかる衝撃を吸収している。正常な関節軟骨は硝子軟骨と呼ばれ、加齢に伴いすり減ったり、事故などの怪我により損傷受けるとより機能的に劣る繊維軟骨に変わってしまう。一度軟骨が繊維化すると、元に戻ることはなく、関節をスムーズに動かすことが難しくなり、痛みや炎症が起こることがある。現在、自分の軟骨細胞を移植する方法が有効とされているが、高品質で十分な量の軟骨細胞を用意することは難しい。また、採取した細胞をシャーレ上で増殖させると、繊維芽細胞様に変質し、それを移植すると修復時に繊維軟骨ができてしまうという課題があった。同研究では、ヒトiPS細胞から軟骨細胞を作製するための培養条件を検討した上で、足場材を使わずに細胞自身が作るマトリックス(細胞と細胞の間を埋めるように存在するタンパク質)からできた硝子軟骨組織を作製することに成功した。足場剤とは、細胞を培養する際に、細胞外マトリックスを模す目的で使用されるゲルや多孔体などのこと。これを用いて軟骨組織を培養した場合、残存する足場材が炎症を起こしてしまうなどの問題がある。また、免疫不全マウスやラットを用いた実験では、軟骨細胞を移植しても腫瘍形成は見られず硝子軟骨が形成されたほか、関節軟骨を損傷させたラットやミニブタの患部に移植したところ、生着して損傷部を支えるなど、動物実験において安全性および生体軟骨と融合することが確認された。同研究グループは今後、ヒトへの臨床応用を目ざして有効性や安全性の確認など、さらにデータを積み重ねる予定だ。
2015年02月27日理化学研究所(理研)は2月19日、ヒトES細胞から毛様体縁を含む立体網膜を作製することに成功したと発表した。同成果は理研多細胞システム形成研究センター器官発生研究チームの桑原篤 客員研究員、立体組織形成研究ユニットの永樂元次 ユニットリーダーらと、住友化学生物環境科学研究所の共同研究グループによるもの。2月19日付けの英科学誌「Nature Communications」に掲載された。同研究グループはこれまで、「SFEBq法」という分化誘導法を開発し、マウスES細胞やヒトES細胞から立体網膜を作製していた。今回の研究では、「SFEBq法」を改良し、胎児型網膜に似た毛様体縁を含む立体網膜の作製に成功した。毛様体縁は、胎児の網膜の端に存在する領域。魚類や鳥類などで幹細胞を維持する働きをしていることが報告されていたが、ヒトではその役割がほとんど分かっていなかった。そこで、作製した立体網膜を解析したところ、ヒト毛様体縁には幹細胞が存在し、この幹細胞が増殖することで試験管内で網膜を成長させることが判明した。今回開発された新しい分化誘導技術は、立体網膜を効率よく安定的に生産できため、同研究グループは同技術を用いて生産した立体網膜を、網膜色素変性を対象とした再生医療に応用するための研究を進めていくとしている。
2015年02月20日日本エイサーは13日、IPS液晶パネルを搭載した液晶ディスプレイとして、21.5型ワイド「G227HQLAbmix」、23型ワイド「G237HLAbmix」、27型ワイド「G277HLbmidx」の3モデルを発売した。価格はオープン。○G227HQLAbmixIPS液晶パネルを搭載する21.5型ワイド液晶ディスプレイ。画面周囲のフレームをなくした「ゼロ・フレーム」デザインを採用する。ブルーライト低減機能を搭載し、ブルーライトの透過率を80%~50%まで4段階で調整可能。「フリッカーレステクノロジー」と合わせて、眼精疲労の軽減を助ける。主な仕様は、画面サイズが21.5型ワイド、解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)、液晶パネルがIPS方式の非光沢(ノングレア)、視野角が水平垂直とも178度、輝度が250cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1、応答速度が4ms(GTG)。映像入力インタフェースはHDMI×1、D-sub×1。スタンドのチルト角度が上15度/下5度。1.5W+1.5Wのステレオスピーカーを搭載し、本体サイズはW499×D185×H384mm、重量は2.8kg。○G237HLAbmix「G237HLAbmix」は、画面サイズが23型ワイドのモデル。基本仕様は「G227HQLAbmix」とほぼ共通。本体サイズがW532×D185×H402mm、重量が3kg。○G277HLbmidx「G277HLbmidx」は、画面サイズが27型ワイドのモデル。基本仕様は「G227HQLAbmix」とほぼ共通。主な相違点は、映像入力インタフェースがHDMI×1、DVI-D×1、D-sub×1であること。本体サイズはW621×D179×H454mm、重量は4.3kg。
2015年02月13日幹細胞コスメへの関心度を調査いつまでも美肌を保ちたい、若返りたい。多くの女性が常にエイジングケアに関心をよせている。2月10日、パシフィックビューティーは、エイジングケアにおける調査を行ったと発表した。同調査ではエイジングケアに関する幹細胞研究、及び今注目をあびている幹細胞コスメへの関心度について調べた。加齢による毛穴の開きやしみなどに悩む女性は9割を超え、年齢肌に悩む女性の8割が幹細胞研究による肌悩みの改善を期待していることがわかった。ヒト由来成分が1位コスメにも活用幹細胞とは、分裂して同じ細胞を作るだけでなく別の種類の細胞にも分化する能力を持つ。増殖に限りがないため、細胞の新陳代謝を活発にするといわれている。女性の関心は高く、同調査でも将来のエンジングケアの進歩させるものとして「幹細胞」が1位にランクインした。また、最も美容効果のあると思われる幹細胞由来成分としては、植物や動物由来成分をおさえて、ヒト由来成分が1位に選ばれた。コスメへの活用もはじまっており、同調査では「WABIO (ワビオ)」から発売されているヒト幹細胞由来成分を配合した美容液「ステム アクティブ エッセンス」を紹介している。(画像はプレスリリースより)【参考】・パシフィックビューティー プレスリリース(@Press)
2015年02月12日理化学研究所(理研)は1月30日、ヒトES細胞を小脳の神経組織へと、高効率で選択的に分化誘導させることに成功したと発表した。同成果は理研多細胞システム形成研究センター器官発生研究チームの六車恵子 専門職研究員を中心とする研究チームによるもので、1月29日付(現地時間)の米・科学誌「Cell Reports」オンライン版に掲載された。同研究チームは、以前の研究でマウスES細部から、小脳の主要な神経細胞で、医学的に重要なプルキンエ細胞への分化誘導に成功していた。今回の研究ではマウスで成功した培養法を応用することで、ヒトES細胞をプルキンエ細胞を含む小脳の神経細胞へと分化させ、さらに初期の小脳皮質構造へと誘導することができた。また、iPS細胞からプルキンエ細胞への分化誘導にも成功しており、将来的にはヒトiPS細胞を脳神経組織へと分化させることで、さまざまな脳神経系疾患に対する治療法開発への応用につながることが期待される。
2015年01月30日ベンキュージャパンは23日、IPSパネルとフリッカフリーLEDバックライトを搭載する4K対応32型ワイド液晶ディスプレイ「BL3201PT」を発表した。1月27日より発売する。価格はオープンで、店頭予想価格は129,800円。3,840×2,160ドット(4K)対応の32型ワイド液晶ディスプレイ。sRGB100%をカバーし、視聴距離約600mmの位置で活用するのが最適としている。ちらつきにくいフリッカーフリーバックライトやブルーライト軽減モードなどを搭載。目に対する負担も軽減する。映像用途にデザイン / CAD / CAMなどのモードを搭載。デザインモードでは10段階での輝度調整が可能になった。そのほかにも、PIP(ピクチャーインピクチャー)や、PBP(ピクチャーバイピクチャー)などの多彩な機能を搭載する。ディスプレイ前面にEcoセンサーを搭載することで、ディスプレイの前から人がいなくなったのを検知し自動で待機状態に移行する。そのほか、ディスプレイ周辺の照明条件を検出してバックライトを自動調整する機能なども搭載する。主な仕様は、液晶パネルが32型ワイド、解像度が3,840×2,160ドット(4K)、視野角が上下 / 左右ともに178度、輝度が350cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1(DCR時20,000,000:1)、応答速度が12ms(GTG:4ms)。映像入力インタフェースはHDMI×2、DVI-DL×1、DisplayPort×2。5W+5Wのステレオスピーカーと5ポートのUSB 3.0ハブ機能を搭載。スタンドのチルト角度は-5~20度、スイーベルは左右45度、150mmの高さ調整が可能で、ピボットも可能。ディスプレイパイロットソフトウェアを導入することで、回転させるだけで表示画像も自動で回転するオートピボット機能も利用できる。VESAマウント100mmに対応し、本体サイズはW740.3×D213.4×H490mm、重量は約12.5kg。
2015年01月23日30代からの悩みに応える新美容液ロート製薬株式会社のエイジングケアブランド「episteme(エピステーム)」から、大人のシミ急増に着目した新・美白美容液「エピステームホワイトニングコンセントレイト」が2月18日(水)に発売される。エイジング世代ならではの悩みに着目しているエピステームは、ロート製薬の研究と先端技術を応用して2009年9月に誕生したブランド。30代後半を境にシミの増加スピードが2.3倍にもなることを確認し、今回の新商品が開発されることとなった。製薬会社ならではの技術がこめられた独自処方の「メラノロックEX」を配合することで、メラニンの生成を抑え、急増するシミを防ぐ効果が期待できる。また、高浸透技術「ディープターゲットデリバリー」を採用し、美白有効成分が肌の内部にまでしっかりと浸透するという。シミ以外にも悩みの多い、エイジング世代の肌。同商品は、複合的な肌悩みにトータル的にアプローチしうるおいを与えてくれ、肌の内側から肌の透明感をひきだしてくれる。45mlの容量で、価格は11,000円(税抜)。エピステームのカウンターでは、スキンコンサルタントが肌に直接触れ、対話をしながら日ごろのお手入れのポイントや、スキンケアの悩みに答えてくれるという。(画像はプレスリリースより)【参考】・ロート製薬株式会社・プレスリリース(日経プレスリリース)
2015年01月21日注目のオイルが入った日清オイリオグループ株式会社は1月15日、健康を大切にする方のおいしい食生活を彩る新しいタイプのドレッシングソース「日清ヘルシードレッシングソース」を、2015年2月23日(月)から全国で発売開始すると発表した。人気の高い「和風」、「ごま」、「シーザー」の3つの風味をラインアップし、毎日の健康はもちろん、おいしさにもこだわりたいという人のために、今、注目の中鎖脂肪酸を豊富に含むココナッツオイル入りで、おいしさはそのままに塩分を50%カットした。中鎖脂肪酸が豊富ココナッツオイルは機能性成分である中鎖脂肪酸を豊富に含んでいて、通常の脂肪酸と比べ、食べた後、エネルギーになりやすいことが特長だ。この特長が注目され、医療用途や高齢者・介護食品、健康オイルなどに使われており、最近では、多岐にわたる有用性についての研究が進められ健康維持・増進のための新たな可能性が期待されている。同製品は、それぞれの風味の特長を活かすため、ココナッツオイル特有の風味(甘い香りなど)は抑えてあるので、どんな料理にも使いやすい。(画像はプレスリリースより)【参考】・日清オイリオグループ株式会社ニュースリリース
2015年01月20日本連載の第4回では、ADCが備える主要なセキュリティ機能の1つである「WAF」について解説した。WAFはIDS/IPSとは異なり、Webアプリケーションへの攻撃を防御の対象として利用されるものであり、WAFとIDS/IPSをうまく組み合わせることで効果的な多層防御が実現できる。今回は「ADCとIDS/IPSとの関係」について、別の切り口から取り上げてみたい。というのは、進化する攻撃に対応するためにIPSの進化もめざましい。そのIPSとADCを連携させれば、より効果的に堅牢な防御を実現できるのだ。○本来のメリットを生かすのが難しいIPSの運用まずは、IDS/IPSについて簡単におさらいしておこう。IDS(Intrusion Detection System:侵入検知システム)は、主にOSやミドルウェアの脆弱性を突く攻撃を検知するためのものだ。ネットワーク上を流れるパケットの中身を監視し、シグネチャとのパターンマッチング処理によって既知の脅威に関係すると思われる不正な通信を検知し、管理者にその旨を通知する。IPS(Intrusion Prevention System:侵入防止システム)は、このIDSの機能に不正通信の遮断機能を追加したものだ。IDSが不正な通信を検出・通知するのみなのに対し、IPSでは検出と同時に不正な通信を遮断できるため、より強固なネットワークセキュリティを実現できる。しかし、いまや多くの企業が当たり前のように導入しているIPSも、実際にはほとんどのケースでその機能が十分に活用されていない。せっかくIPSを導入しても、不正通信の遮断機能を使っていないケースが多いのだ。通信の遮断を行うにはIPSをネットワークのインラインに設置する必要があるが、実際にはスイッチのミラーポートに接続し、パケットのコピーを監視して不正パケットの検出のみを行っているケースがほとんどだ。その理由は、多くの管理者が誤検知による誤遮断を嫌うためだ。IPSにより不正通信の検知を実施すると、正常なパケットを誤って不正パケットと判断して遮断してしまうケースがどうしても起こってしまう。つまり、サービスを提供したい正規ユーザーの通信を遮断して、サービス提供をできなくしてしまうのだ。これに対処しようとすると、実はハードルが非常に高い。IPSによる不正アクセスの検知は、システムの規模にもよるが1日で数千件~数万件におよぶことがある。これは自社の環境に影響がない不正アクセスまで合わせて検知するため、検知されたアクセスが本当に実害に繋がるかどうかを判断するのが難しい。また新しい攻撃が発見された場合は、その攻撃に対処するシグネチャをIPSに随時アップデートし続ける作業が必要だ。○"次世代IPS"は高度な可視化と自動化機能で管理者を救うこうしたことから、これまで多くの企業ではIPSを採用しても、その導入メリットを十分に生かし切れていたとは言い難かった。しかし近年、こうした課題を克服できる可能性を秘めた"次世代IPS"と呼ばれる製品が出てきた。これまでにない高度な機能を備えることで、従来のIPSに付き物であった誤検知やシグネチャのアップデート作業といった運用上の泣き所を解決しようとしている。シスコシステムズの次世代IPS製品「Cisco Sourcefire」を例にとって説明しよう。既知の脅威をシグネチャベースのパターンマッチング処理で検知するという基本的な仕組みは従来のIPSと同様だが、Cisco Sourcefireではアプリケーションレベルでトラフィックを可視化し、その内容を学習することでシグネチャを自動チューニングし、誤検知を大幅に減らす仕組みが実装されている。具体的な仕組みはこうだ。Cisco Sourcefireはパケットのヘッダやデータフィールドを含めて分析し、どのようなホストOS上でどのようなアプリケーションがバックエンドで稼働しているのかを学習する。例えばLinux OS上にApacheを使ったアプリケーションが稼働していると判断された場合、Cisco Sourcefireは必要とされないWindows OS関連のシグネチャをパターンマッチングの対象から自動的に外すのだ。こうしてユーザーのアプリケーション環境にとって不要なシグネチャをどんどん外していけば、そのぶん誤検知の確率は下がり、さらにシグネチャマッチングの処理量を削減できるので性能も向上する。また、管理者が自社には関係のないイベントを分析するといった無駄な手間を削減することにも役立つ。こうした仕組みによって、従来のIPSには付き物であった運用上の泣き所を取り除くことを狙っているのだ。Cisco Sourcefireではさらに、シグネチャもクラウドの仕組みを通じて自動的に更新される。世界中で発生しているインシデントを分析して検出された新たな脅威情報は、自動的にシスコシステムズが運営するクラウド上にアップロードされる。そして、その内容はただちに他のCisco Sourcefireに自動的に配布される。このような体制を敷くことで、管理者は世界中で発生しているインシデントの分析結果から得られる適切な対処を、自社のシステム環境で迅速に活用することが可能となる。こうして次世代IPSは、従来のIPSにはなかった高度なインテリジェンスを備えることにより、これまでIPSを運用する上での大きな負担となっていたシグネチャのチューニング作業や新たな脅威情報のアップデート作業などを自動的に行うのだ。○次世代IPSのインテリジェンスとADCの連携による強固な防御を実現従来のIPSと比べて機能が進化したとはいえ、次世代IPSの採用でIPSが本来備える通信遮断の機能をすぐに使えるようになるかといえば、そう簡単な話でもない。次世代IPSをネットワークにインラインで設置するとなると、ネットワーク構成を変更する必要がある。スイッチのミラーポートからトラフィックコピーを行う従来の構成を変えたくないという管理者も多いだろう。またSSL暗号化通信されたトラフィックを検査するには復号化処理が必要だが、次世代IPSといえども得意な処理ではないので不安が残る。ここで大いに役立つのが、次世代IPSとADCの連携だ。先ほど紹介したCisco SourcefireとBIG-IPの連携を例にとって説明してみよう。BIG-IPは次世代IPSとの連携を前提としたAPIインタフェースを備えている。実はCisco Sourcefireには、このAPIを通じてBIG-IPと連携できる機能が実装されている。具体的にはCisco SourcefireからBIG-IPに対して、「このソースIPアドレスの通信で不正を検出したので、30秒間は特定のIPアドレスからの通信は遮断してほしい」という依頼を自動で出せるようになっているのだ。BIG-IPはリバースプロキシとして、もともとネットワークにインライン設置されているので、Cisco Sourcefireから依頼のあった特定の通信を容易に遮断することができる。この連携機能を使えば、Cisco Sourcefire をわざわざインラインに設置せずに、かつ管理者による操作を介在させる必要もなく、迅速かつ的確に不正な通信を遮断することができるようになるのだ。また、BIG-IPをはじめとするADCに搭載されているハードウェアチップでSSL通信を復号化した上でIPSに渡してあげれば、SSL通信もCisco Sourcefireで監視できるようになる。このようにADCと次世代IPSの連携ソリューションは、日々高度化しているセキュリティの脅威から企業ネットワークを効果的に守るための手段として高い注目を集めている。今回紹介したような高度な連携は、現時点ではBIG-IPとCisco Sourcefireの間でしか実現されていないが、即効性や実践性が高い機能だけに、興味のある方は詳しい情報をチェックすることをお勧めする。
2015年01月13日エイジングケアに株式会社パシフィックビューティーは1月7日、ヒト幹細胞培養液由来成分配合のエイジングケアブランド、WABIO(ワビオ)の美容液「ステム アクティブ エッセンス」を、日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)の姉妹版通販サイトcosme.com(コスメ・コム)にて、6日より販売を開始したと発表した。同社は同製品を2014年11月に発売しており、今回、cosme.comでの販売開始によってエイジングケアに向けた「2015年はヒト幹細胞コスメ元年」とするべく販売促進していくとしている。ヒト幹細胞培養液由来成分配合の、朝晩の洗顔後の1滴でエイジングケアを可能にするオンリーワン美容液である同製品は、15mLで21,600円(20,000円税抜)、肌用ビタミンCが肌に透明感を与え、毛穴を引き締めるながら、3種のヒアルロン酸が、速攻でたっぷりと潤す。バイオの力を肌に従来のエイジングケアが肌から失われてしまったコラーゲンやヒアルロン酸などを補う対処療法的なものだったのに対して、同製品の特長は、肌悩みの根本にダイレクトにアプローチし、活性力アップによって自らハリ組織を増産し、ダメージから肌を守ることのできる「自立した肌」をめざすという点である。高度な技術と高額費用を要することから、ヒト幹細胞培養液の美容医療への利用は限定的なものだったが、同社は新しいエイジングケアの市場の開拓をめざす先端的バイオテクノロジー企業との協業により、ヒト脂肪細胞順化培養液エキスを美容液に処方し、一般の消費者が購入しやすい価格帯で販売することを可能にした。幹細胞培養液に含まれるサイトカインはコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどのタンパク質や抗酸化物質の生成だけでなく、皮膚のターンオーバーを促進することで、肌をイキイキ若返らせてくれる。同社はcosme.comでの販売開始によって、より多くのエイジングケアに「効果」を期待するお客様にこの製品を届けることができると考えている。【参照】・ワビオブランドサイト・cosme.com
2015年01月10日体内のサビだといわれる、活性酸素やあらゆる毒素をはじめとして、現代社会に生きる人間の細胞は、常に高いストレスにさらされています。そんな悩みを解消するうえに、快眠にもよいといわれている成分があるようです。グルタチオンでガン予防!?グルタチオンという成分を聞いたことがありますか?これは、3つのアミノ酸で構成される抗酸化物質。医薬品にも使用されていることから、安全性が高い成分として知られています。摂取方法はサプリメントが中心ですが、さまざまな毒素を抱え込んで体の中で消去する働きがあります。そのため、細胞を活性化し、ガン予防やアンチエイジングに効果が期待できる成分だと言われています。また、脳内の神経細胞が死んでしまうのを防ぐ働きのある抗酸化物質として、医学的な関心も高いグルタチオン。今後、脳虚血疾患の治療に活用できないかと研究が進められている注目の物質なんです。脳の興奮状態を抑制する効果もあり抗酸化物質として関心を集めるグルタチオン。でも、どうして睡眠と関わっているのでしょうか?実は、グルタチオンは細胞を修復するだけではなく、脳内の興奮状態をシナプスレベルで抑制する働きがあるようです。その結果、脳内がリラックスした状態になり、スムーズな睡眠を促進してくれると言われています。実は、睡眠医学の世界ではすでに注目が集まっているグルタチオン。抗酸化・抗老化物質であると同時に、睡眠物質としてもよく知られています。このような成分を摂取することで、生体リズムや体内時計が整うというメリットもあるそうです。受験勉強や資格試験の勉強にも!?勉強したいという気持ちは大切ですが、寝不足だと効果がないことも。受験勉強や仕事によって、脳内の神経細胞であるニューロンが過剰に働きすぎることが、神経毒を生み出す原因だという説があります。グルタチオンハードな知的労働や作業、勉強で酷使された脳細胞を修復してくれる効果があるそうです。また、睡眠そのものが脳細胞を修復する働きを担っているといいます。グルタチオンを摂取すると、相乗効果でさらに脳内のニューロンをダメージから守ってくれるでしょう。テストや資格試験の勉強などで疲れた頭と身体。グルタチオンでリフレッシュすると良いかもしれません。Photo by Lies Thru a Lens
2014年12月27日慶應義塾大学(慶大)は12月24日、ヒトの皮膚細胞を血管内皮細胞に転換する遺伝子を同定したと発表した。この成果は慶大医学部微生物学・免疫学教室の森田林平 専任講師と吉村昭彦 教授、久留米大学医学部心臓・血管内科学の安川秀雄 准教授、佐々木健一郎 講師らの共同研究によるもの。12月24日(現地時間)に米科学雑誌「アメリカ科学アカデミー紀要」のオンライン版で公開された。血管内皮細胞は、発生の初期に、血液細胞と共通の前駆細胞から作られることがわかっている。同研究グループは今回、血管内皮細胞だけでなく血液細胞の発生にも重要な転写因子18種類をスクリーニング対象とした結果、ETV2という遺伝子を、健常人から採取しヒト皮膚線維芽細胞に導入することで、血管内皮細胞に3~4%と高効率で転換することを見出した。また、ETV2が細胞内の別の転写因子と共役的に作用し、血管内皮細胞の分化に重要なさまざまな遺伝子の発現を誘導していることも突き止めた。実験ではさらに、このヒト皮膚線維芽細胞から転換させた血管内皮細胞を免疫不全マウスの皮下に移植したところ、1.5カ月後に成熟した血管の形成が観察されたという。また、下肢の血管を閉塞させて壊死を起こさせる下肢虚血モデルマウスに移植した場合、有意に虚血を回復させることが分かった。これらの実験により同方法で作成された血管内皮細胞は、生体内でも機能的な血管を形成でき、虚血性疾患の治療に使用できることが確認された。この「人工的」血管内皮細胞はETV2が発現し続ければ安定するが、発現しないと血管内皮細胞のままでいる細胞と、ヒト皮膚線維芽細胞に戻る細胞に分かれるため、今後、これらの細胞集団の違いをもたらすDNAレベルでの分子メカニズムを明らかにし、「ETV2フリーの安定な血管内皮細胞」を誘導する方法を開発できれば、安全で臨床応用可能な血管内皮細胞の開発につながると期待される。
2014年12月25日理化学研究所(理研)は12月19日、7月より行っていたSTAP細胞が存在するかどうかの検証実験の結果を公表した。理研は8月の中間報告でもSTAP細胞を作ることはできなかったと発表していたが、実験には熟練した技術が必要な可能性があるとして、11月末まで小保方晴子氏が参加するかたちで検証が続けられていた。検証は小保方氏による実験と、相澤慎一リーダーと丹羽仁史副チームリーダーらの検証実験チームによるものが行われた。小保方氏による検証では、論文にあったように、脾臓由来のリンパ球からのSTAP現象の検証に集中して実験を行った。一方、丹羽氏らの検証実験チームでは、脾臓以外に肝臓と心臓についても検証を実験したが、どちらもSTAP細胞の存在を確認することができなかった。相澤氏は「これ以上は検証実験の範疇を超えるもの」と語り、当初3月末までを期限としていた同検証を打ち切るとした。なお、検証終了をもって小保方氏は理研に退職願を提出し、承認された。同氏は「予想をはるかに超えた制約の中での作業となり、細かな条件を検討できなかった事などが悔やまれますが、与えられた環境の中では魂の限界まで取り組み、今はただ疲れ切り、このような結果に留まってしまったことに大変困惑しております。私の未熟さゆえに論文発表・撤回に際し、理化学研究所を始め多くの皆様にご迷惑をおかけしてしまったことの責任を痛感しておりお詫びの言葉もありません。検証終了を以て退職願を提出させていただきました」とのコメントを発表している。
2014年12月19日ASUSTeK Computerは18日、27型IPSパネルを採用した4K(3,840×2,160ドット)液晶ディスプレイ「PB279Q」を発表した。12月19日から発売し、価格はオープン、店頭予想価格は100,000円前後の見込み。PB279Qは、6系統という豊富な映像入力インタフェースを搭載。DisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4×4(MHL 2.0対応)、Mini DisplayPort 1.2×1という内容だ。DisplayPort 1.2とMini DisplayPort 1.2は60Hzの4K表示、HDMI 1.4は30Hzの4K表示に対応する。LEDバックライトの調光にDC(Direct-Current)方式を用いることでフリッカーをなくし、ブルーライト低減モードも搭載した。色域はsRGBを100%カバーする。また、映像の輪郭などを強調するVividPixel技術によって、4K未満の映像を精細に表示できる。プリセット画面モードは8種類を備え、親子画面のピクチャー・イン・ピクチャー機能、複数の入力画面を並べて表示するピクチャー・バイ・ピクチャー機能を持つ。Quick Fit機能では、画面上に写真プリントと同じサイズの枠線を表示したり、画面を分割するグリッド線を表示したりできる。A4用紙、B5用紙、USレター、8×10インチ写真、5×7インチ写真、4×6インチ写真、3×5インチ写真、2×2インチ写真、画面9分割方眼という、計9種類の表示に対応。そのほか主な仕様は、画面がノングレア(非光沢)、最大輝度が300cd/平方メートル、コントラスト比が1000:1(ASCR時 100,000,000:1)、視野角が水平垂直とも178度、G to G応答速度が5msだ。スタンド機能は、チルトが下5度/上20度、スウィーベルが左右60度、高さ調節が150mm、縦回転(ピボット)が右回転90度で、VESAマウント100mmに対応。本体に2W+2Wのスピーカーを内蔵するほか、ステレオミニジャックの音声出力がある。本体サイズはW624.96×D220.06×H407.76mm、重量は約7.7kg。DisplayPortケーブル×1本、HDMIケーブル×1本、オーディオケーブル×1本などが付属する。
2014年12月18日