移動のたびに風景が変わるホワイトウォールに縁どられた暮らし
ワンフロアのように
I邸は築18年の住宅のリノベーションだ。改築前は細かく区切られて小さな部屋がたくさんある間取りだった。そこで「ワンフロアのような感じに」と建築家に依頼した。
「あと、廊下を無くしてほしいとお願いしました」と奥さん。「子どもが大きくなって外から帰ってきたときに、廊下があると顔を合わさずにそのまま自分の部屋に行ってしまうかもしれない。
それがいやだったので、できるだけオープンにしてくださいと」
「ワンフロアのように」というリクエストに対し、あえて既存の壁を一部残した上で穴(開口)を開けていった。グレーの床はフレキシブルボードの表面を研磨した上で撥水剤を塗布している。
あえて壁を残す
「ワンフロアのように」というリクエストを受けた建築家の桐さんは、あえて既存の壁を部分的に残すという選択をして提案を行った。「壁をすべて取り払うこともできましたが、ある程度残し、その残した壁でフレームをつくって、フレームの向こうにまたフレームが見えるという構成にしました」(桐さん)。
この提案を受けた奥さんの感想は「壁をぜんぶ取ってしまったほうが広く感じられて気持ちいいのでは?」だった。