森の中のような心地よさ開放感と落ち着きのちょうど良いバランス
ほどほどに繋がる
「前に住んでいたマンションは、広いリビングダイニングがドーンと広がっていて、開放感はあるけれど、いまいち落ち着けなかったんです。そこで、こっちで大人がお茶をしてあっちで子どもたちが遊ぶという風に、空間を分けつつ、ほどよい繋がりもある家にしたいと思いました」と振り返る奥さま。その希望を受けた井上さんは、リビングスペースとダイニングスペースを斜めに配置。いわばひょうたん型のくびれの部分でリビングとダイニングがつながるプランを考案し、リビングの上は吹き抜けとした。
「視線が斜めに抜けつつ空間は分かれているところをとても気に入っていて、楽しいリズムがある家だなあと感じています」(奥さま)。
また井上さんは、窓の大きさや形、並べ方にもあえてランダムさを持たせた。特に印象的なのは、吹き抜けと2階主寝室をつなぐ大きな室内窓。空間は分けつつも、どちらにいてもスッと視線が抜けるのが心地よい。
「まるで森の中にいるように、いろいろな眺めがあって、明るいところも暗いところもある。家族団らんの時間も自分の時間も満喫できる。そんな“場所のグラデーション”を追求しました」(井上さん)。
手前の吹き抜けリビングと奥のダイニングスペースが、斜めにゆるやかにつながる。