共存型の2世帯住宅で暮らすすべてがいいから、“いちばん”がない!
鴨居上部には間接照明が仕込まれている。
開放的なつくりと閉じたつくり
道路から見て左側は長手方向にガラス面を大きく取った非常に開放的な空間。対して右側は隣家からの視線があるため壁でほぼ閉じたつくりだ。空間のつくり方も柱梁で木を多用した空間に対して、白い壁と天井に囲まれた空間と対照的。
西側に向けて開放的なつくりにして眼前に広がる眺望を満喫できるようにすることは、敷地が決まった段階で当然のように設計条件に組み込まれた。幅1.8mのガラス窓が横一列に並んだ開口からは天気のいい日には富士山を望むこともできる。
2階が迫り出して一部中に浮いたようなつくりになった理由はこうだ。「西の眺望に気持ちよく開けるようにするために長手方向の長さを延ばすというのは必然でした。
ですが、1階はそこまでのボリュームは必要ではなかったし、道路に対して1階から全部がドーンと威圧的に立ちはだかるようなつくりは避けたかったんです」(岸本さん)。つまり2階を出したのではなく1階をひっこめたのである。
リビングから和室の方向を見る。奥の和室まで開口部はすべて障子で閉じることができる。
道路側に少し迫り出した和室部分。