「大きな穴」が空間と家族をつなげる上下階をつなぐ吹き抜けがもたらす一体感温もりと開放感のある住まい
「2階をリビングとしながらも、いかに下の階と断絶せずに、家族の一体感を高められるか」という課題に対し、井上さんが導き出したプランは「家の中央に大きな吹き抜けを設けることによって、リビングと下階の個室群をつなげる」というもの。1階部分に広さをつくるために設ける一般的な「吹き抜け」とは違い、この場合の「吹き抜け」は2階に設けるため、吹き抜けというよりも「大きな穴」というニュアンスに近い。
この「大きな穴」を設けることで、玄関から広がる開放的なホールが生まれ、各空間をつなぎ、家族のつながりを損ねることのない居心地の良い空間を実現させた。
当初、南原さんご夫婦が選んだのは、吹き抜けのホールがなく、2階はフラットなLDKとロフトというシンプルな構成のプランだったという。
「部屋が分断されてしまうのでは、と思いLDKの中央に大きな穴があるイメージがつかなかったのですが、ワンルームの中でも、子どもが遊べるスペースと大人がゆっくりと話せるスペースを分けられるほうが良いと井上さんからご提案いただいて、最終的には現在のプランを選びました。今は井上さんがおっしゃっていた通り、吹き抜けのホールを境にして、リビングで子どもが遊んでいるときも、ダイニングでは子どもの様子を見ながら落ち着いて話すことができています」