広い敷地につくった2世帯住宅 階段室を中心にいろんな居場所のある家
と千紘さん。キッチンに隣接して「こもり部屋」がつくられてこの“こもれる願望”がかなったため、実現したキッチンは完全にクローズな空間にはしなかったけれども、ひとりで集中して作業のできるスペースになったという。
「完全に仕切られているわけではないので家族と話したりしながらでも料理をつくれるけれども、床が一段下がっていて白い鉄筋の棒と吊り棚で区切られた感覚もあるので集中して作業をすることができます」
キッチンとダイニングスペース。キッチンでは冷蔵庫の収めどころがいつも問題になるが、安達邸では千紘さんの「こもり部屋」との仕切りとして機能しかつキッチンと隣りあわせにもかかわらずぐるりと迂回するために心理的な距離もつくっている。
丸テーブルのところからキッチンを見る。天井は家形になりかつ壁との境目が柔らかくあいまいにされている。
ベンチは丸テーブルのところからぐるりと手前側へとつくられている。テーブルを中心に多くの人が集まれるつくりだ。
千紘さんのお気に入りの2畳ほどの「こもり部屋」からキッチンを見る。キッチンは周囲の床から13㎝下がっている。
キッチン部分に立てられた白い鉄筋棒が透過性をもちつつ吊り棚とともに通路とキッチンとを仕切っている。