建築家夫妻が挑んだ斜面の狭小地 光と影、曲線がもたらす美しく上質な住まい
継ぎ目のない一枚板のステンレスのワークトップが美しい。
「狭い家で小さなキッチンではこじんまりしてしまうので、この空間にこの大きさのキッチンをあえてもってくることで、空間の狭さを感じさせないのではないかという狙いです。ギャップを楽しんでいますね」(綾夏さん)。
キッチンはまわり階段の上まで続く。キッチン下の収納は、階段途中から取り出すというアイデアだ。
「階段にあたる部分にオーブンも収納していますが、腰をかがめることなく使用できて、むしろ便利ですよ(笑)」と綾夏さん。
壁一面を使用した5.5mのキッチン。料理好きの綾夏さんが使い勝手を考えて図面を描き、家具屋にオーダー。
「『GAGGENAU』の食洗器は絶対に入れたかった」と綾夏さん。
コンロはIHを採用し、レンジフードを壁付けにしたためすっきり。
コンロ下の収納内にスイッチ等を隠し、表に出さない工夫も。
一石二鳥の“兼ねる”アイデア
青柳邸では、1か所で2つの用途として利用する“兼ねる”アイデアが随所に採用されている。
まず、玄関の扉を開けると、そこは階段の踊り場でもある。地下1階に位置する玄関ホールと地下2階のアトリエへ向かう階段の踊り場と玄関を兼ねているのだ。