2017年8月1日 20:00
80歳女性の生きざまを描く漫画「傘寿まり子」 応援したくなるのはなぜ!?
普通のおばあちゃんなのに、なぜか応援したくなる。おざわゆきさんの『傘寿まり子』は、そんな80歳のおばあちゃんを描いた作品です。
ひょっとしたら、現代に生きるおばあさんのことを誤解していたかもしれない。おざわゆきさんの『傘寿まり子』を読むと、反省の意味も込めてそんなふうに思ってしまう。
「私の周りには母を含めて高齢の方がわりと多く、仲間みたいな感じで接していたので想像しやすかったんです。今のおばあさんは昔と違ってどんどんおしゃれになっていますし、気持ちも若くなっている。そういう意味でも、より多くの方が興味を持ちやすいテーマかなと思いました」
おざわさんいわく「達観しつつ、欲もある」のが現代のおばあさん。
「80代にもなると、高齢者という意識を持ち始めてから長い年月が経っています。
人生どうなるかわからない不安を散々経験しながら、かといって自分のやりたいことも捨てきれないんじゃないかって思うんです」
80歳で作家のまり子さんは、4世代同居で居場所がなくなり、家出を決行。一応仕事があるので、ひとりでも暮らしていけると高をくくっていたが世間はそう甘くない。それでもめげずに自らの足で立っていこうとするのだが、見ず知らずの人を無闇に信じることが難しい世の中でバカ正直なくらい人を信じ、結果、人とつながっていく様が気持ちいい。