漫画『スインギンドラゴンタイガーブギ』の物語の舞台は昭和26年、米軍占領下における日本のジャズシーン。ロックもポップスもない時代、まちにはジャズが鳴っていた。「自分がマンガを描く以前から興味のあったジャンルなんです。1巻の第2話で、新宿駅…
友人や同僚の何気ない言葉や態度、SNS上の無神経なメッセージに傷ついたり、もやもやするのはよくあること。7年ぶりの描き下ろし漫画となる益田ミリさんの最新作『スナックキズツキ』は、そんな「傷つくこと」をさまざまな視点からすくい取っている。傷…
人間の内側から発せられ、他者と共鳴していく詩は、世の中に生まれたときから、官能とは切っても切り離せないものだったはず。古今東西の詩における官能とその味わい方を、近代詩伝道師のPippoさんに指南していただきました。古今東西の詩で味わう、官…
タイトルの風太郎とは、忍者ものなどで一世を風靡した戦後の娯楽小説家・山田風太郎のこと。本作は医学生だった山田青年が兵隊として召集されず、東京で細々と暮らしていた日々を綴った『戦中派不戦日記』のコミカライズだ。手がけているのは、これまで主に…
あの、もちぎさんの自己啓発書『悪魔の夜鳴きそば』と聞いて、どんな内容をイメージするだろう。ご存じない方のために説明すると、もちぎさんは父親と死別後、母親からDVを受けて育ち、高校生のときゲイに売春をしていたことがバレて家出。ゲイ風俗やゲイ…
上下巻同時にリリースされた須藤佑実さんの『夢の端々』は、まるで一本の美しい映画を観たような読後感だ。登場人物たちの人生にすっかり入り込み、物語が終わってもなお、心はその世界を漂っている。なぜ彼女たちは心中を選んだのか。“未遂”後の70年に…
デジタル時代のニューアイコンとして、活躍の場を広げ続ける“バーチャルヒューマン”。どのように誕生し、現在は主にどんな活動を展開しているのか、人気キャラクターを通してその魅力を分析します。時間の概念を超越するリアルと異なる存在感。昨今、バー…
2018年に第9回ananマンガ大賞を受賞した『セクシー田中さん』の最新刊が、ますます盛り上がっている。会社では超地味だけど、実は超セクシーなベリーダンサーの顔を持つ田中さんと、そんな生き方に憧れてファンと化す、朱里(あかり)。それぞれの…
SNSを中心に活躍する“バーチャルヒューマン”を知っていますか?ネット上に次々と登場している個性豊かなキャラクターたちが、リアルの世界で支持される理由とは。ベールに包まれた存在に迫ります!バーチャルヒューマンの先駆者・immaを直撃!ピン…
物語に没頭しながら、舞台となっている社会のあり方に思いを巡らせたり、多様な価値観があることに気づいたり。ライターの瀧井朝世さんと三浦天紗子さんが、“今”を感じられる小説を指南!注目を集めたキーワード、“シスターフッド”。瀧井:最近、世の中…
クイズ番組『東大王』で才女ぶりを発揮している、現役東大生の鈴木光さん。クラシック音楽にまつわる問題も得意分野で、今回ソニー・ミュージックでリニューアルされた名盤100枚シリーズ「ベスト・クラシック100極」のイメージ・キャラクターを務める…
『プリンセスメゾン』や『雑草たちよ 大志を抱け』などで、さまざまな世代、境遇の凛とした女性を描いてきた池辺葵さん。最新作は4姉妹と母の物語なのだが、姉妹モノは「いつか絶対、というか最後に描きたいと思っていた」テーマだそう。罪悪感を抱えてま…
最期に食べたいものから、その人の生き様が見えてくる!?おおひなたごうさんによるコミック『星のさいごメシ』。誰もがきっと一生に一度は考えるであろう永遠のテーマ“もし明日死ぬとしたら、何を食べるか”。食べ方について侃々諤々と意見を戦わせたギャ…
テーマも発表時期も異なる3つの短編が収められた、山中ヒコさんの最新作『クラスで一番可愛い子』。表題作は、整形手術を繰り返す女性の心理を掘り下げている。「私は整形手術をしてみたかったけどできなかったタイプなのですが、今の10代、20代の子た…
好きなことについての話は尽きないものだが、書き手としてはもちろん、読み手としてもプロといえる作家同士が、本について自由テーマで語り合ったら盛り上がらないわけがない。『ほんのよもやま話~作家対談集~』の著者はアンアンでもおなじみのライター、…
シュルレアリスム界の新星と呼ばれるほど人気の画家・石原春水(しゅんすい)。ある晩、ふらふらと歩いていた環(たまき)恵美子を、ヌードモデルとして見初める。かくて平凡な会社員の〈環さん〉は、毎週金曜日に〈先生〉のアトリエを訪ねる二重生活を始め…
20歳から2年間、本誌で連載された神木隆之介さんによる「Master’s Cafe」。その第1回のゲスト、グラフィックデザイナー・佐藤卓さんと7年ぶりの対談が実現しました。神木さんが各界の達人と対談をした連載企画「Master’s Caf…
25年前、芸能界デビューし、成長とともにさまざまな役を演じてきた神木隆之介さん。6月にはYouTube公式チャンネル「リュウチューブ」を開設し、週1回配信している。27歳になった今も作品の受け手はもちろん、共演者やクリエイターから愛され続…
神木隆之介さんは今年、27歳の若さにして役者生活25周年。人気稼業といえるこの仕事を25年間も第一線で続けてきたこと自体がかなりすごいが、当のご本人に気負った感じは見受けられない。「今までも節目をそれほど気にしてこなかったから、正直実感は…
前作『あげくの果てのカノン』では、不倫×SFという大胆な設定で、先輩をストーカー的に慕う女性を描いた米代恭さん。最新作『往生際の意味を知れ!』は主人公の性別が変わったものの粘着体質は変わらず、7年前に別れた元カノを女神のごとく崇拝している…
タイトルの光の箱とは、現代人の駆け込み寺ともいえるコンビニエンスストアのこと。本作は深夜のコンビニを舞台にしたオムニバスだ。作者のマンガ家・衿沢世衣子さんに話を聞きました。暗闇の道標となるコンビニにふらりと訪れる訳ありな人々。「ひと昔前、…
もしも子どもを産むとしたらどんなふうに育て、どんな親でありたいか。自分が持つかもしれない未来の子どもについて、想像を巡らせたことがある人は多いだろう。著者の山本美希さんもそのひとり。本作『かしこくて勇気ある子ども』を描くきっかけのひとつが…
インスタグラムなどで、そのライフスタイルが幅広い層の支持を受けている女優の石田ゆり子さん。エッセイストとしても人気の彼女が、本書『LILY’S CLOSET』では愛してやまないファッションへの思いを丁寧に綴っている。本人のワードローブから…
女子高生アスリート×料理ブロガーの物語を描いた漫画『アスメシ』。原作者の見原由真さんに、作品へ込めた思いを聞きました。女子高生アスリート×料理ブロガー、血の繋がらない最強の父娘。スポーツマンガは多々あるが、本作のテーマはスポーツそのもので…
結婚はいつかするものという価値観は、もはや“古風”なのかもしれない。2040年には日本の人口の約4割が独身になるというのだから。なつみ理奈さんの『ソロ活!』はソロ活シェアハウス“ソロ門”が舞台だ。幸せのカタチは人それぞれ。“結婚しない”と…
ねむようこさんの『神客万来!』は洋館のホテルを舞台に、訪れる人たちと新人客室係のやり取りを描いた物語…と書くと不思議なところは特にないが、このホテルの特徴はお客さんが人間ではないこと。1日1組限定で、神様やおとぎ話のキャラクターなどが願い…
村上Tって何のこと?と思うかもしれないが「村上」といえば村上春樹、「T」といえばTシャツ。『村上T僕の愛したTシャツたち』は作家、村上春樹さんのTシャツコレクションを綴ったエッセイだ。村上さんはジャズを中心としたレコードコレクターとして知…
ある人を助けるために、ほかの人を犠牲にすることは許されるのか。これは「トロッコ問題」という有名な思考実験の命題だが、新型コロナウイルスの感染拡大下、まさにこの問いを突きつけられるような場面が見受けられた。本作『エチカの時間』のタイトルにあ…
このたびDVDがリリースされた、平野啓一郎さん原作の映画『マチネの終わりに』。福山雅治さんが主人公のクラシックギタリストを演じたことでも話題になったが、ギター監修を務めたのが福田進一さんだ。「日本で最初にクラシックギターがブームになったの…
夫65歳、妻70歳。本作に登場する江月朝一と夕子が子宝に恵まれる年齢だ。超高齢出産&子育てを描き、ドラマ化もされた、タイム涼介さんによる『セブンティウイザン』。その続編にあたる『セブンティドリームズ』は、娘のみらいが3歳になり、幼稚園に通…