2017年9月19日 07:00
真心ブラザーズ「偶然の産物が名曲を呼ぶ、そんな感じ」
狙ったのはステレオ以前の’60年代にラジオから流れていたビートルズやボブ・ディランのモノラルサウンド。しかしレコーディングはデジタル、ミックスはモノラルという新手法で完成させた。ギターやスチールギターの生音に、切ないフレーズを奏でるハーモニカ。2017年の作品なのに、その音色ひとつからも、時空を超えた熱気が伝わってくる。
「わざと歌詞も1番だけとか、リズムもきちんと決めずにスタジオに入り、メンバーを煙に巻きながら、セッションで作っていったんです。偶然の産物が名曲を呼ぶ、そんな感じでしたね。まぁ性格的に詰められないというのもあるんだけど(笑)」(YO-KING)
「YO-KINGの持ってきたものに、楽器陣がどう応えるか、というセッションでしたね。これでどうだ、といういろんな大喜利を繰り広げながら、初日から面白いようにハマったよね。
パッと聴いてパッと返してという応酬は、めちゃくちゃ疲れたけど楽しかったな。僕の楽器の腕も数段上がった気がする。でもポップ、ロック畑でこんなことやってる人はいないと思うけど(笑)」(桜井)
さらにはその歌詞にも、大いに惑わされる。例えば、恋人との別れのことなのか、人生への惜別なのか、答えがすぐに分からない歌詞世界がめくるめく妄想を呼ぶのだ。