くらし情報『「悪気はなかった」はたちが悪い? 人間関係の悩みにヒントをくれる一冊』

2018年2月4日 21:00

「悪気はなかった」はたちが悪い? 人間関係の悩みにヒントをくれる一冊

手が込んでいますよね」

関係がこじれた理由のひとつは、一度理世が美名のデザインに駄目出しをしたからとも読める。

「否定されて平気な人はいませんよね。でも大人になると、駄目出しされても全人格を否定されたわけじゃないと理解して乗り越えていくようになる。美名はそのあたりの感覚が故障しているのかも」

そんな彼女、どうやら毒親に苦しめられてきたようなのだが、

「そういう背景を知ると、救ってあげたくなるかもしれない。でも専門家でもない素人が簡単にできることではないし、まず本人が自分のことは自分しか救えないんだと気づかないと、人は変われないと思います」

そんな相手に尽くすのは、穴のあいたバケツに水をくむようなもの。

「なのに人は水が溜まらないと、自分のくみ方が悪いのかも、と思ってしまう。そうではなく、相手に穴があいているんだと気づけば、楽になれる。今そういう悩みを持っている人に届くといいなと思っています」
アパレルに勤める理世は、新ブランドのデザイナーに美名をスカウト。
親しくなる二人だが、次第に美名の態度が変化し、理世を追い詰める。祥伝社1700円

あすかい・ちさ作家。1979年生まれ。

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