2018年4月1日 20:00
乱射事件が起きてるのになぜ? 米で銃規制反対の“ホントの理由”
購入希望者の身元調査をしたり、購入者を限定する規制に賛成する人は半数以上います。オバマ前大統領も法案による銃規制を目指しましたが、議会で反対され実現しませんでした。その後の規制を強化する大統領令も、現政権になり廃止されています。銃規制が一向に実現しない背景の一つが、規制に反対する団体、全米ライフル協会(NRA)の存在です。会員数は公称で500万人。潤沢な資金を持ち、政治家への影響力も大きいんですね。
また、合衆国憲法では、市民の銃の所持を重要な権利として尊重しています。銃規制は違憲という判決も出ています。
それは、もしも政府が独裁政治を強いるなど市民の権利を奪おうとしたときには、市民自ら武装して、国を守れるようにという理由からなんです。
これらから、アメリカでは銃規制の実現は容易ではありません。しかし今回の事件を受け、航空会社や保険会社など複数の企業が、NRA会員の優遇措置をやめると発表。今後、銃規制の流れがどう進むのか目が離せません。
ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN
※『anan』2018年4月4日号より。
写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
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