くらし情報『男社会の上下関係は受け継がれるのか 注目作家が描く“男だけの物語”』

2018年9月10日 22:00

男社会の上下関係は受け継がれるのか 注目作家が描く“男だけの物語”

昨今注目度を高めている作家、古谷田奈月さん。最新刊は『無限の玄/風下の朱』。三島賞受賞作の「無限の玄」は、ブルーグラスバンドを組んだ男家族の話で、父・玄は死んでは生き返ることを繰り返す。この男性しか登場しない話は『早稲田文学増刊 女性号』に掲載された。
男社会の上下関係は受け継がれるのか 注目作家が描く“男だけの物語”


「もともと男がどう、女がどう、ということでないところを目指したいと思っていて。私という女性が、“女性だけの書き手を集めた雑誌”で女性について書くことに窮屈さを感じ、男性を書こう、と自然とそう考えました」

本作では、日ごろ男性を見て感じていたことを反映させた。

「男性だけのマチズモ的な社会の中で上下関係が形成され、受け継がれていっているように見えるので、その終わりのなさを書きたかった。ブルーグラスという弦楽器のバンドにしたのは、弦というものが締め付けや抑圧のイメージに繋げやすかったからです」

女嫌いで威圧的だった父親の元で生きてきた息子たちの関係にも少しずつ変化が訪れるが、

「自分も相手も共同体の一部であったと思っていても、実は“個”なんですよね。ずっと生きてきたコミュニティの中で自分が個であることに気づきながら生きていくのは、すごく大変だと思う。

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