舞台『千と千尋の神隠し』が、プレビュー公演を経て、現地時間5月7日(火)、英ロンドン・ウェストエンドのロンドン・コロシアムで開幕した。本作は2022年に東宝創立90周年記念公演として、宮﨑駿の名作映画を、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け初の舞台化。映画の世界から飛び出したようなキャラクターたちと、熱い息遣いまでが感じられるライブならではの醍醐味が相まった舞台は、大衆演劇の優れた業績を表彰する『第47回菊田一夫演劇賞』で上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞を受賞する快挙を成し遂げた。2023年名古屋御園座での再演を経て、2024年3月東京・帝国劇場からスタートし、名古屋・御園座、福岡・博多座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru での上演が決定している全国ツアー公演と並行して、4月から8月にかけて初の海外公演を上演する。ロンドン公演では、冒頭、引っ越し先の風景に千尋が「ベー」と舌を出す映画を思い出させる演技や、湯婆婆の部屋のカーテンから登場する頭(かしら)の動きやパペットひとつひとつに観客から嬉しそうな反応があり、神さま達が油屋を訪れる場面では、グランドサークル(客席内)に設置された提灯が点灯し、場内全体が不思議な街となり、ロンドン公演ならではの光景も。また、カオナシが登場すると、観客から「わあ!」と感嘆の声が上がり、千尋とハクがおにぎりを食べる場面では、観客はその演技に集中し、静かに見入っていたという。(撮影:Johan Persson)(撮影:Johan Persson)(撮影:Johan Persson)カーテンコールではスタンディングオベーションが起き、割れんばかりの拍手と歓声、指笛で歓喜に包まれた初日を終え、この日千尋役を務めた橋本環奈、上白石萌音からも「あれだけあたたかい歓声で迎えられて本当に嬉しいなと思いました」(橋本)、「しばらくボーっとしてしまうくらいびっくりしました」(上白石)と喜びのコメントが届いた。舞台『千と千尋の神隠し』5月7日昼の部カーテンコールより舞台『千と千尋の神隠し』5月7日夜の部カーテンコールより舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン公演は、8月24日(土) まで同劇場で上演される。橋本環奈・上白石萌音 ロンドンでの生活は?【橋本環奈コメント】――日本人俳優として、ロンドン・ウェストエンドで舞台のセンターに立ち、スタンディングオベーションを受けた気持ちはいかがですか?今日が初日なので、初日の反応であったりとか、どういうふうな感じになるんだろうという、ワクワクが大きいんですけどプレビューの段階でも日本人のお客様と全然違って、いろんなところで笑いが起こったり、ロンドンの方たちのジブリ好(ず)きな気持ちであったり、お酒を飲みながら観ていたり、ポップコーン食べたり、鑑賞スタイルがすごく気楽な部分が、本当に素敵だなと思っています。土曜日とかは小さなお子さんもいらっしゃいました。そういう方々が見てくださっていることも嬉しいですし、カーテンコールのあの熱狂を感じた時、本当にすごいなと思いました。もちろん日本人の方々の、声には出さないけど、すごく楽しんでくれてる気持ちって、舞台に立っていてすごく伝わるんですね。(ロンドンでも)あれだけあたたかい歓声で迎えられて本当に嬉しいなと思いました。(撮影:Johan Persson)――カンパニーの皆さんとの生活はいかがですか?初演の2年前の時からずっと一緒にいるカンパニーの皆が本当に大好きで、ロンドンに来させて頂いてからも、部屋で皆で集まってご飯を食べながら、しゃべったり、本当に仲良くなれて一緒に舞台に立っているキャストもそうですが、演出家のジョン(・ケアード)であったり(今井)麻緒子(共同翻案)さんであったり、トビー(・オリエ パペットデザイン・ディレクション)、サラ(・ライト アソシエイト・パペットディレクター)、ブラッド(・ハーク 音楽スーパーヴァイザー・編曲)達ともたわいもない会話をしたりとか仲間という言葉が本当に適切な表現につながると思えるくらい、心から信頼できる皆とロンドンの舞台に立てて本当に嬉しく思います。――舞台『千と千尋の神隠し』のどんなところがロンドンで受け入れられたと思いますか?作品の強さはもちろんですが、ジブリがこれだけ世界に愛されている理由は、本当に様々あると思うんですよね。でもその中の一つを挙げるとしたら雑巾がけのシーンとかも日本ならではだな、という話をしているんですけど、ごめんなさい、と千尋がすごく謝っているような日本人らしいところを、ロンドンでも、日本でやっていた公演から本当に変えていなくて日本の良さやリアルを伝えられる部分はこの演劇ならではだと思いますし、ロンドンの方々から観ても楽しんで受け入れて頂けているのではないかなと思っています。(撮影:Johan Persson)――ロンドン生活での楽しさ、発見は?もうすでにロンドンが大好きです。イギリス自体初めて来るので「どういう街なんだろう」と思っていましたが、来てみて、本当に最高だなと……。街並みもそうですし、つたない英語でも聞いてくれたり、質問を返してくれたりとか、受け入れるという、文化や歴史の背景があると思うんですけどロンドンの方々が優しくてあたたかいんです。劇場で見てくださっている方々の反応であったりを見ていても受け入れてくれる人柄や街並み、全て素敵だな、というふうに感じました。何をとっても良いところしか思い浮かばなくて、絶対また旅行で来るだろうと思うくらい大好きな街になりました。(撮影:Johan Persson)【上白石萌音コメント】――日本人俳優としてロンドン・ウェストエンドで舞台のセンターに立ってスタンディングオベーションを受けた気持ちはいかがですか?浴びたことのない熱気を浴びて、しばらくボーっとしてしまうくらいびっくりしました。お客様達がとても喜んでくださったのが伝わって来て嬉しかったです。カーテンコールの最後に千尋がオンマイクで「ありがとうございました」と言うのですが、その瞬間に、私は日本人で、私たちは日本から来て日本語で作品を届けたんだなという実感がせりあがって来てグッときました。毎回そこで感じるものがあります。(撮影:Johan Persson)――日本とロンドンのお客さんの反応の違いはありますか?思ったことをそのまま出力してくださる感じがします。すごく楽しみに来てくださっているんだな、というのが伝わってきてうれしいです。客席でお酒を飲んだりポップコーンを食べたりなさっているので、全体の空気感が堅苦しくなくてリラックスしています。同時にすごく演劇へのリスペクトがある、素敵な空間だなと思います。――舞台『千と千尋の神隠し』のどんなところがロンドンで受け入れられたと思いますか?日本人がすごく日本人をやっているというところが大きいんじゃないかと思います。日本らしさを前面に出したシーンや動きがしっかり受け入れられているのを感じるので、これは私たちだから出来ることなのかな、と思っています。セリフにもたくさん反応があります。母国語ではない言葉で作品を観るのはお客様もエネルギーを使うことだと思いますが、ちゃんと言葉が伝わっているんだな、というのを感じて凄く嬉しいです。この作品には言葉のないシーンも沢山ありますが、そこでは日本で感じるのと同じような集中力や言葉のいらない一体感が共通してあって、「ああ一緒に作っているな」という感じがします。(撮影:Johan Persson)――カンパニーの皆さんとのロンドンのお稽古はいかがでしたか?色々なことが起きましたが、皆で励まし合って、緊張感を高めながらの稽古でした。知らない土地で長く暮らすとなると寂しさを感じるのかなと思っていましたが、このカンパニーにちゃんと属しているというか、居場所があるのがとても心強いです。あとは、現地スタッフの皆さんとも沢山話をして、お互いに言葉を教え合っています。(ロンドンでも)日本のスタッフの皆さんと変わらない作品への愛を注いでくださって、国も言葉も関係なくワンチームになっているな、と感じながらお稽古していました。――ロンドン生活での楽しさ、発見は?アプリでパッとチケットを取って、演劇を観に行けるのが最高に幸せです。稽古が早く終わった日は当日券を押さえて一人で劇場に行って楽しみました。演劇でアウトプットをして演劇でインプットするという純度の高い生活を送っています。夢のようです。(撮影:Johan Persson)<公演情報>舞台『千と千尋の神隠し』原作:宮﨑駿演出・翻案:ジョン・ケアード共同翻案:今井麻緒子出演:千尋:橋本環奈 / 上白石萌音 / 川栄李奈/ 福地桃子ハク:醍醐虎汰朗 / 三浦宏規 / 増子敦貴(GENIC)カオナシ:森山開次 / 小㞍健太 / 山野光 / 中川賢リン/千尋の母:妃海風 / 華優希 / 実咲凜音釜爺:田口トモロヲ / 橋本さとし / 宮崎吐夢湯婆婆/銭婆:夏木マリ / 朴璐美 / 羽野晶紀 / 春風ひとみ兄役/千尋の父:大澄賢也 / 堀部圭亮父役:吉村直 / 伊藤俊彦青蛙:おばたのお兄さん / 元木聖也頭:五十嵐ゆうや / 奥山ばらば坊:武者真由 / 坂口杏奈他【ロンドン公演】日程:2024年4月30日(火)~8月24日(土)会場:ロンドン・コロシアム【福岡公演】日程:2024年4月27日(土)~5月19日(日)会場:博多座【大阪公演】日程:2024年5月27日(月)~6月6日(木)会場:梅田芸術劇場メインホール【北海道公演】日程:2024年6月15日(土)~20日(木)会場:札幌文化芸術劇場 hitaruチケット情報:()日本公演公式サイト:海外公演公式サイト:
2024年05月09日取材・文:ミクニシオリ撮影:大嶋千尋編集:松岡紘子/マイナビウーマン編集部「個の時代」が叫ばれる今、誰かと一緒に、会社で働く意味ってなんだろう。今持っているスキルを活かせば、自分1人でも働けるかもしれない。そう思うと、企業の中で替えのきく人材として働くのに、疑問を感じる日もあるかもしれません。「高め合えるからこそ、人と一緒に働くのが楽しいんです」そう話してくれたのは、味の素株式会社のコミュニケーションデザイン部で働く石原由麻さん。食品業界では珍しい、インフルエンサーによるアンバサダーチームを社内キャスティングで立ち上げた彼女ですが、薬学部を卒業してアパレル会社に就職し、味の素(株)に転職したという異色の経歴を持つ人物でもあります。自分が学んできたことに縛られず、自身の興味関心ややりたい仕事に向かって、やれることは全部やってきたと語る彼女。その熱量の高さの根源には、彼女が働く上で大切にしている“ある考え”がありました。■薬学部、アパレル会社、食品メーカー。異色の経歴の根幹は「興味関心への熱量」石原さんは薬学部を卒業して、1社目はアパレル企業に就職されたんですよね。ユニークなご経歴ですが、どうして薬剤師への道には進まなかったのですか?両親が2人とも医療関係者だったこともあり、自分もその道を志したのですが……在学中から就職活動にかけてマーケティングに興味を持つようになり、若い内から色々と挑戦させてくれる会社に就職しました。最初は店舗に配属されたので、キャリアのスタートは営業からのスタートでしたが、見据える先はマーケティング部署への異動でした。店長時代は今振り返ってもとても大変だったのですが、営業の経験を積むことができた期間でもあったので、自分のキャリアとしてやらせてもらえて良かったなと思いますね。与えられた仕事をちゃんとこなして、結果を残すことの大切さを教えてもらいました。真にやりたい仕事ではなくとも、与えられた居場所で結果を出す……かっこいいですね。希望部署に異動するために、努力されたことはありますか?営業時代は売上や在庫管理、マネジメントなどマルチタスクをこなしながら結果を出し、3年目には希望部署へ移ることができました。まずは求められているだけの結果を出すことは大切だったと思いますし、周囲に「マーケティングに行きたい」と公言していたのも良かったんだと思います。私の場合は、希望部署の方にアポイントを取って業務に必要なスキルを聞いたり、面談で上司に相談したりしていたこともあり、たまたま先に異動した元上司に推薦してもらうことができ、3年目には希望部署に異動することができました。異動先ではどんなお仕事をしていましたか?担当商品のコミュニケーション戦略を策定して、企画を実行していくのが主な業務でしたね。インフルエンサーさんとの協業やイベント、デジタルプロモーションなど、幅広く関わらせていただき、マーケティングの基礎をしっかり学ぶことができました。前職でも自身のやりたい仕事を実現されていたと思うのですが、転職のきっかけはなんでしたか?アパレル会社で働くメンバーは、ファッションや洋服が大好きな方がほとんどです。私も人並みに服に興味はありましたが、周囲のメンバーと比べると熱量に差が出てしまうことが悔しかったんです。ファッションのことは必死に勉強しましたが、やっぱり自分が自信を持っておすすめできるもの、心から好きだと思えるものを世に広めたくて、大好きな「食」を展開する企業への転職を決意したんです。■「素直さ」を強みに、社内外に想いを伝え実現した新しい試み」現在のお仕事内容について教えてください。現在はコミュニケーションデザイン部で、担当商品のPRとしてコミュニケーション戦略を考えつつ、会社としては今まで弱かった、インフルエンサーさんとの共創によるPR戦略を企画・実行したりしています。コミュニケーションの仕事はゼロベースから始まるので、会議に参加したり、データを分析して、それをもとに社内で今後のプランをディスカッションしていることが多いです。味の素(株)でのお仕事の中で最も大変だったことはなんですか?自身の発案で、インフルエンサーさんとのアンバサダープログラム「あじふれんず」をイチから立ち上げたことですね。去年からインフルエンサーさん向けの試食会を行っているのですが、これは食品業界としてはかなり新しい試みなんです。最初は、社内で理解を得るのが大変でした。「なぜインフルエンサーさんとの共創なのか」「なぜリアルイベントを行うのか」。全てを合理的に説明できなければなりませんし、チーム内でも何度も議論を重ねて、稟議を通して企画の実行にこぎつけました。小規模でイベントを実施しながら少しずつ実績を積み重ねて、実績は社内でも認めていただき、2023年度は社内でチャレンジングな活躍をしたメンバーに送られる「スイング・ザ・バット賞」というアワードで年間MVP賞をいただくことができたんです。新しいことを企画して実行するのって、そんなにも大変なんですね……。味の素(株)は良くも悪くも古き良き会社ですが、そんな社内風土をいい意味で打破するべく創設されたのが「スイング・ザ・バット賞」なんです。成功例が生まれたことで、インフルエンサーさんとの共創が社内でさらに活性化していくといいなと思いますし、業界内でもこのような取り組みが増えていったら嬉しいですね。せっかく頑張って通した企画が成功した途端、誰かに真似されるのはイヤじゃないですか?味の素(株)はアミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志(パーパス)の実現を目指している会社です。だからこそ、味の素(株)に関わるみなさんとは常にWin-Winの関係であり続けたいんです。インフルエンサーさんとの関わりの中でも、そこは常に意識していて「味の素(株)と一緒に仕事して良かった」と思っていただけるよう、色々と工夫しています。新商品を知っていただく、新商品試食会もただインフルエンサーの皆さんに来ていただくだけではなく、どうやったら楽しんでもらえるか、撮影したくなるのかに重点を置いて企画しています。参加してくださったインフルエンサーさんからも「来て良かった」と言ってもらえることが多く、モチベーションになっています。なるほど……試食会の雰囲気が気になってきました。前回は「食のワンダーランド」をテーマに、味の素グループのグローバルアンバサダーでもある「アジパンダ」を入口に配置しつつ、ディズニーランドに行った時のようなワクワク感がある空間づくりを目指しました。参加者の皆さんには新商品の試食をしてもらうのですが、ただ食べてもらうだけでは飽きてしまうと思うので、麻婆豆腐をクイズ形式で試食してもらったり、ガチャガチャブースを作ったりと、イベントを楽しんでもらう工夫を盛り込みました。実はキャスティングも社内で行っているので、インフルエンサーさんも私たちと一緒に共創をしていると思っていただけるよう、参加型のイベントを多く用意しました。キャスティングまで自社で行っているとは思いませんでした。私たちが直接ご連絡を取ることで、インフルエンサーさんとも共に働くパートナーとして認識していただくことができました。インフルエンサーの方々は、どのような発信をしたらフォロワーさんに楽しんでもらえるかを真剣に考えて、プライドを持って発信されています。 我々としても、当社のモノづくりに対する想いや、インフルエンサーさんと共創したい理由についても、熱い想いをお伝えすることを大切にしています。社内メンバーに対しても、インフルエンサーさんに対しても、変わらず誠実ですね。石原さんのような方が前に立つからこそ、今まで関係値がなかったインフルエンサーさんも、味の素(株)や企画を信頼できるのかもしれませんね。素直であるというのは、自分の一つの強みだとは感じます。と言っても、素直にしかできないだけなのですが……。想いがあれば伝わるように語りたいし、分からない時は分からないと伝える。嘘をつかないのは、一緒に働く方々に信用してもらうために、とても大切なことだと思います。■キャリアの軸は「互いにハッピーになれる関係」石原さんの仕事への熱い思いが伝わってきました。そのモチベーションは、どこから湧いてくるんですか?今は、あじふれんず(アンバサダー)になってくださったインフルエンサーの皆さんに「味の素(株)が好きになった」と言っていただけることが一番うれしいですね。それに、社内のメンバーたちも真面目で優しい方ばかりなので、会議中も同じくらい強い情熱を持ってぶつかってきてくれるんです。時に上司と熱い議論を交わすこともあるのですが(笑)、役職に関係なく、自分の思ったことを発言できる風通しの良さもあります。働く場所も一緒に働くメンバーも、どちらも大好きだから、私にとって仕事は趣味みたいなものです。担当する新商品も、自分にとっても便利で美味しいなものばかりなので、PRするのも単純に楽しいです。特に最近の夜ご飯はPRを担当している「パスタキューブ™」に頼りっぱなしです。今後のキャリアへの展望について教えてください。人生を振り返ってみると、1人でできることって全然ないと思っています。私は不完全な人間だけど、色々な人の協力があってこそ生きているし、仕事も同じだと思うんです。インフルエンサーさんや、一緒に働くメンバーが、私と共創したことで自身の生活が豊かになったり、人生が楽しくなったと思ったりしてもらえるように働き続けたいと思っています。「やらない後悔よりもやって後悔する」のがモットーなので、いろいろなことにチャレンジし続けながら、自分や周囲をハッピーにしていきたいです。
2024年05月09日英ロンドンの劇場地区ウェストエンドで最大規模の劇場「ロンドン・コロシアム」で現地時間7日、舞台『千と千尋の神隠し』が4月30日からのプレビューを経て本公演の初日を迎えた。千尋役の橋本環奈と上白石萌音のコメントが到着。さらに、日本人キャストによる日本語での上演を鑑賞した現地の観客の声を紹介する。舞台『千と千尋の神隠し』は、10歳の少女・千尋が、神々の世界に迷い込み豚の姿に変えられてしまった両親を救うために懸命に働き、生きる力を呼び醒ます姿を描いた宮崎駿監督(※崎=たつさき)による大ヒットアニメーション映画をもとに、2022年に東宝創立90周年記念公演として初の舞台化がなされた作品。23年名古屋御園座での再演を経て、24年3月東京・帝国劇場からスタートし、名古屋・御園座、福岡・博多座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruでの上演が決定している全国ツアー公演と並行して、カンパニーが渡英し、初の海外公演がスタートした。日本人キャストによる日本語での海外上演としては演劇史上最大規模、また東宝主催公演としても史上初の試みとなった今回のロンドン公演。会場となったロンドン・コロシアムは、ウェストエンド最大級となる約2300席の客席数の劇場。イングリッシュ・ナショナル・オペラの本拠地でもあり、規模と歴史は、日本の帝国劇場(1911年開場、約1900席)と重なる。今回の4ヶ月にわたる135公演(予定)の観客動員は、約30万人を見込んでいる。初日の千尋役は、午後2時からの公演では橋本が、午後6時からの公演では上白石が務めた。ロンドンの観客も映画で本作のストーリーやキャラクターを知っているようで、1幕の冒頭、引っ越し先の風景に千尋が「ベー」と舌を出す映画を思い出させる演技に観客はうれしそうな反応を示した。どのパペットも出てくるだけで歓迎され、観客の心をつかんでいた様子。神さまたちが油屋を訪れる場面では、グランドサークル(客席内)に設置された提灯が点灯し、場内全体が不思議な街となり、ロンドン公演ならではの光景が見られた。2幕のクライマックス、ハクの名前を思い出す、大きなハク竜と千尋のシーンは、映画同様のシーンに、劇場中の観客が見入っていた。この日の2公演とも、カーテンコールになるとすぐスタンディングオベーションが起こり、割れんばかりの拍手と歓声、指笛で盛り上がった。上演後、現地スタッフが観客にインタビューを敢行。地元の観客たちから「号泣しました。魔法のようでした。何もかもが素晴らしかったです。また泣きそう。ハクが竜にから元に戻った時、最高でした。千尋が背中に乗って飛んだ時、良く出来ていると思いました」「宮崎さん、あなたは天才です」「人生で初めて見た世界でした。日本語で見れたのが何より良かったです。日本の文化のエッセンスを感じました」と絶賛されたという。また、橋本について「千尋を演じる子に才能を感じました。彼女を見にもう一度行きたい。湯婆婆が大きくなったところが怖かった」。上白石について「完璧、可愛い、演技上手い!」「映画の千尋そのままだった!」といった声も。さらに、夏木マリが演じる湯婆婆について「映画と同じ人で見られるなんて信じられない」「2日前に映画を見直したばかりだったんで、そのままで感動」「メイクがすごい」「湯婆婆がうちのお母さんにそっくり(笑)」と大好評だった。■橋本環奈(千尋役)のコメント――日本人俳優として、ロンドン・ウェストエンドで舞台のセンターに立ち、ステンディングオベーションを受けた気持ちはいかがですか?【橋本】今日が初日なので、初日の反応であったりとか、どういうふうな感じになるんだろうという、ワクワクが大きいんですけど プレビューの段階でも日本人のお客様と全然違って、いろんなところで笑いが起こったり、ロンドンの方たちのジブリ好きな気持ちであったり、お酒を飲みながら観ていたり、ポップコーン食べたり、鑑賞スタイルがすごく気楽な部分が、本当に素敵だなと思っています。土曜日は小さなお子さんもいらっしゃいました。そういう方々が見てくださっていることもうれしいですし、カーテンコールのあの熱狂を感じた時、本当にすごいなと思いました。もちろん日本人の方々の、声には出さないけど、すごく楽しんでくれてる気持ちって、舞台に立っていてすごく伝わるんですね。(ロンドンでも)あれだけあたたかい歓声で迎えられて本当にうれしいなと思いました。――舞台『千と千尋の神隠し』のどんなところがロンドンで受け入れられたと思う?【橋本】 作品の強さはもちろんですが、ジブリがこれだけ世界に愛されている理由は本当にさまざまあると思うんですよね。でもその中の一つを挙げるとしたら、雑巾がけのシーンも日本ならではだな、という話をしているんですけど、「ごめんなさい」と千尋がすごく謝っているような日本人らしいところを、ロンドンでも、日本でやっていた公演から本当に変えていなくて、日本の良さやリアルを伝えられる部分はこの演劇ならではだと思いますし、ロンドンの方々から観ても楽しんで受け入れていただけているのではないかなと思っています。■上白石萌音(千尋役)コメント――日本人俳優としてロンドン・ウェストエンドで舞台のセンターに立ってスタンディングオベーションを受けた気持ちはいかがですか?【上白石】浴びたことのない熱気を浴びて、しばらくボーっとしてしまうくらいびっくりしました。 お客様たちがとても喜んでくださったのが伝わって来てうれしかったです。カーテンコールの最後に千尋がオンマイクで「ありがとうございました」と言うのですが、その瞬間に、私は日本人で、私たちは日本から来て日本語で作品を届けたんだなという実感が せりあがって来てグッときました。 毎回そこで感じるものがあります。――舞台『千と千尋の神隠し』のどんなところがロンドンで受け入れられたと思いますか?【上白石】日本人がすごく日本人をやっているというところが大きいんじゃないかと思います。日本らしさを前面に出したシーンや動きがしっかり受け入れられているのを感じるので、これは私たちだからできることなのかな、と思っています。台詞にもたくさん反応があります。母国語ではない言葉で作品を観るのはお客様もエネルギーを使うことだと思いますが、ちゃんと言葉が伝わっているんだな、というのを感じてすごくうれしいです。この作品には言葉のないシーンもたくさんありますが、そこでは日本で感じるのと同じような集中力や言葉のいらない一体感が共通してあって、「ああ一緒に作っているな」という感じがします。
2024年05月09日舞台『千と千尋の神隠し』がイギリス・ロンドン ウェストエンドのロンドン・コロシアムにて本初日を迎えた。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋(橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子)が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、2022年に世界初上演された。○■舞台『千と千尋の神隠し』ロンドン・コロシアムで歓声日本人キャストによる日本語での海外上演としては演劇史上最大規模、また東宝主催公演としても史上初の試みとなる今回のロンドン上演は、ウェストエンド最大級となる約2,300席の客席数の劇場、ロンドン・コロシアムにて4月30日にプレビュー上演を開始し、5月7日に本初日を迎えた。現在、千尋役の橋本環奈/上白石萌音、ハク役の醍醐虎汰朗、カオナシ役の山野光、リン/千尋の母役の妃海風、釜爺役の田口トモロヲ、湯婆婆/銭婆役の夏木マリ/朴ロ美、兄役/千尋の父役の大澄賢也、父役の吉村直、青蛙役のおばたのお兄さんらが現地で公演を行なっている。2月に行われた制作発表でも「これまでのロンドンで記録にないほどのセールス」と前評判の高かったという同作。現地では『千と千尋の神隠し』ラッピングの2階建てバスも運行された。開幕すると、冒頭では引っ越し先の風景に千尋が「ベー」と舌を出すと、映画を思い出させる演技に観客は嬉しそうな反応を示していたという。神さま達が油屋を訪れる場面では、グランドサークル(客席内)に設置された提灯が点灯するなど、日本の劇場では見られない、ロンドン公演ならではの光景も。カオナシの登場には感嘆の声、ボイラー室での“ススワタリ”の様子には笑いが起こり、「おしらさま」「頭」も人気の様子。また、床を這う黒いネトネト(タタリ虫)を千尋が踏み潰し、釜爺が「エンガチョ! 千! エンガチョ」と言ってエンガチョを切った後、2人が喜び合う場面では歓声が。ハクの名前を思い出す、大きなハク竜と千尋のシーンは、映画同様クライマックスの象徴的なシーンとなり、劇場中の観客が見入っていたという。カーテンコールになるとすぐスタンディングオベーションが起こり、割れんばかりの拍手と歓声、指笛で盛り上がった。現地では「宮崎駿は伝説です。英国の子どもにとって思い出の一部です。宮崎さんの世界をこうして見られて最高です」(女性)、「何度見ても新しい発見があるでしょう」(男性)と絶賛の声。「号泣しました。魔法のようでした。何もかもが素晴らしかったです。また泣きそう。ハクが竜にから元に戻った時、最高でした。千尋が背中に乗って飛んだ時、良く出来ていると思いました」と称え、日本語で「ありがとうございました!」とコメントする母娘も。「人生で初めて見た世界でした。日本語で見れたのが何より良かったです。日本の文化のエッセンスを感じました」(女性)、「竜が飛んだところが好き」「大きな竜が好き」(幼児姉妹)、「(橋本環奈について)千尋を演じる子に才能を感じました。彼女を見にもう一度行きたい。湯婆婆が大きくなったところが怖かった」(女性)と好評の様子だった。ロンドン公演はロンドン・コロシアムにて4月30日〜8月24日。日本では現在福岡・博多座にて5月19日まで上演されており、さらに大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月27日〜6月6日、北海道公演は札幌文化芸術劇場 hitaruにて6月15日〜20日。
2024年05月09日女優の上白石萌音が、イギリス・ロンドン ウェストエンドのロンドン・コロシアムにて現地時間7日に舞台『千と千尋の神隠し』の本初日を迎えた。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋(橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子)が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、2022年に世界初上演された。○■舞台『千と千尋の神隠し』千尋役の上白石萌音カーテンコールではスタンディングオベーションの中、湯婆婆/銭婆役の夏木マリから促され、感極まった様子でお辞儀をしていた上白石。「浴びたことのない熱気を浴びて、しばらくボーっとしてしまうくらいびっくりしました。お客様達がとても喜んでくださったのが伝わって来て嬉しかったです。カーテンコールの最後に千尋がオンマイクで『ありがとうございました』と言うのですが、その瞬間に、私は日本人で、私たちは日本から来て日本語で作品を届けたんだなという実感がせりあがって来てグッときました。毎回そこで感じるものがあります」と心境を明かす。ロンドンの観客については「思ったことをそのまま出力してくださる感じがします。すごく楽しみに来てくださっているんだな、というのが伝わってきてうれしいです。客席でお酒を飲んだりポップコーンを食べたりなさっているので、全体の空気感が堅苦しくなくてリラックスしています。同時にすごく演劇へのリスペクトがある、素敵な空間だなと思います」と感じている様子。このように受け入れられたことについては「日本人がすごく日本人をやっているというところが大きいんじゃないかと思います。日本らしさを前面に出したシーンや動きがしっかり受け入れられているのを感じるので、これは私たちだから出来ることなのかな、と思っています。セリフにもたくさん反応があります。母国語ではない言葉で作品を観るのはお客様もエネルギーを使うことだと思いますが、ちゃんと言葉が伝わっているんだな、というのを感じて凄く嬉しいです。この作品には言葉のないシーンも沢山ありますが、そこでは日本で感じるのと同じような集中力や言葉のいらない一体感が共通してあって、『ああ一緒に作っているな』という感じがします」と語った。ロンドン稽古については「色々なことが起きましたが、皆で励まし合って、緊張感を高めながらの稽古でした」と振り返る。「知らない土地で長く暮らすとなると寂しさを感じるのかなと思っていましたが、このカンパニーにちゃんと属しているというか、居場所があるのがとても心強いです。あとは、現地スタッフの皆さんとも沢山話をして、お互いに言葉を教え合っています。(ロンドンでも)日本のスタッフの皆さんと変わらない作品への愛を注いでくださって、国も言葉も関係なくワンチームになっているな、と感じながらお稽古していました」と感謝。またロンドン生活について「アプリでパッとチケットを取って、演劇を観に行けるのが最高に幸せです。稽古が早く終わった日は当日券を押さえて1人で劇場に行って楽しみました。演劇でアウトプットをして演劇でインプットするという純度の高い生活を送っています。夢のようです」と喜んでいた。ロンドン公演はロンドン・コロシアムにて8月24日まで。日本では現在福岡・博多座にて5月19日まで上演されており、さらに大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月27日〜6月6日、北海道公演は札幌文化芸術劇場 hitaruにて6月15日〜20日。
2024年05月09日女優の橋本環奈が、イギリス・ロンドン ウェストエンドのロンドン・コロシアムにて現地時間7日に舞台『千と千尋の神隠し』の本初日を迎えた。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋(橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子)が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、2022年に世界初上演された。○■舞台『千と千尋の神隠し』千尋役の橋本環奈橋本は「今日が初日なので、初日の反応であったりとか、どういうふうな感じになるんだろうという、ワクワクが大きいんですけどプレビューの段階でも日本人のお客様と全然違って、いろんなところで笑いが起こったり、ロンドンの方たちのジブリ好きな気持ちであったり、お酒を飲みながら観ていたり、ポップコーン食べたり、鑑賞スタイルがすごく気楽な部分が、本当に素敵だなと思っています」と印象を明かす。「土曜日とかは小さなお子さんもいらっしゃいました。そういう方々が見てくださっていることも嬉しいですし、カーテンコールのあの熱狂を感じた時、本当にすごいなと思いました。もちろん日本人の方々の、声には出さないけど、すごく楽しんでくれてる気持ちって、舞台に立っていてすごく伝わるんですね。(ロンドンでも)あれだけあたたかい歓声で迎えられて本当に嬉しいなと思いました」と客席の違いについて語った。カンパニーとロンドン生活を送っている橋本。「初演の2年前の時からずっと一緒にいるカンパニーの皆が本当に大好きで、ロンドンに来させて頂いてからも、部屋で皆で集まってご飯を食べながら、しゃべったり、本当に仲良くなれて。一緒に舞台に立っているキャストもそうですが演出家のジョン(・ケアード)であったり(今井)麻緒子(共同翻案)さんであったり、トビー(・オリエパペットデザイン・ディレクション)、サラ(・ライトアソシエイト・パペットディレクター)、ブラッド(・ハーク音楽スーパーヴァイザー・編曲)達ともたわいもない会話をしたりとか仲間という言葉が本当に適切な表現につながると思えるくらい、心から信頼できる皆とロンドンの舞台に立てて本当に嬉しく思います」と、さまざまにコミュニケーションを楽しんでいる様子。「舞台『千と千尋の神隠し』のどんなところがロンドンで受け入れられたか」と問われると、「作品の強さはもちろんですが、ジブリがこれだけ世界に愛されている理由は、本当に様々あると思うんですよね。雑巾がけのシーンとかも日本ならではだなと。千尋が『ごめんなさい』と謝っているような日本人らしいところを、日本でやっていた公演からロンドンでも変えていなくて、日本の良さやリアルを伝えられる部分はこの演劇ならではだと思いますし、ロンドンの方々から観ても楽しんで受け入れて頂けているのではないかなと思っています」と”日本らしさ”が理由になっているのではないかと分析する。ロンドン生活については「もうすでにロンドンが大好きです。イギリス自体初めて来るので「どういう街なんだろう」と思っていましたが、来てみて、本当に最高だなと……。街並みもそうですし、つたない英語でも聞いてくれたり、質問を返してくれたりとか、受け入れるという、文化や歴史の背景があると思うんですけどロンドンの方々が優しくてあたたかいんです」と満喫。「劇場で見てくださっている方々の反応であったりを見ていても受け入れてくれる人柄や街並み、全て素敵だな、というふうに感じました。何をとっても良いところしか思い浮かばなくて、絶対また旅行で来るだろうと思うくらい大好きな街になりました」と語っている。
2024年05月09日取材・文:ミクニシオリ撮影:大嶋千尋編集:松岡紘子/マイナビウーマン編集部自分の仕事って、誰の役に立っているのだろう。生活者から離れた仕事をしていると、どこにやりがいを感じればいいか分からなくなる時もあります。「お客さんと直接関わらなくても、どんな仕事も誰かの役に立っているもの」そう話してくれたのは、ジェネリック医薬品を製造販売する沢井製薬株式会社で、自社の医薬品情報を伝える医薬品情報センター/お客様相談室でセンター長を務め、この春からメディカルコミュニケーション部の部長に昇格した二出川 真由美さん。「患者さんのお役に立つこと」をポリシーに薬剤師として働いてきた二出川さんですが、今は企業の重役。患者さんとの距離は離れてしまっても「自分の仕事は、最終的に患者さんに届く」という思いで、今は社内マネジメントを主業務としながら、サワイグループホールディングスのID&E推進室の室長も兼任しています。「コミュニケーション」を軸にキャリアを積んできた二出川さん。思いの込もった言葉や行動で部下を成長させてきた彼女の人生を振り返っていただきました。二出川 真由美さんサワイグループホールディングス株式会社 グループ人事部 ID&E推進室長 兼 沢井製薬株式会社 信頼性保証本部 メディカルコミュニケーション部長。1999年に病院薬剤師として入職、2001年に別の病院に転職し服薬指導業務を立ち上げたのち、2002年製薬会社(前職)へ入社。2007年に沢井製薬株式会社に入社し、医薬品情報センターの立ち上げに携わる。2017年より医薬品情報センター長を務め、2024年4月より現職。■「なによりも患者さんのために」。企業理念に共感し、4社目で沢井製薬へQ.1 幼少期はどんな性格でしたか?幼い頃は「みんなと同じ」なのが嫌で、人と違う行動をしたがる変わった子でした。下に弟が2人いる長女なのですが、身体を動かすのも好きな、完全なるおてんば娘。小学校の時にはいじめの対象になったこともありましたが、当の本人である私が、全くそのことを気にしていませんでしたね。器械体操の練習に毎日通っていて、興味関心の矛先は、学校よりも習い事に向いていました。Q.2 思春期は学校でどんな存在でしたか?物心ついた頃から、交渉が得意でした。通っている中学校に体操部がなかったので、教頭先生に直談判しに行ったんです。「3人集めたら部活を作っていい」と言うので、言われた通りに部員を集めて、3人きりの体操部をつくって所属していました。結局、他の子は途中で転部してしまったので、1人で隣の中学校に通って練習に参加させてもらっていましたね。自分がやりたいことをしていたので、1人で行動するのは特に苦ではなかったし、むしろ、他校に友達ができて嬉しいなと思っていました。Q.3 学生時代に注力したことはなんですか。中学の進路指導が化学の教員で、私も化学が得意だったので「薬剤師を目指したら?」と言われ、調子に乗って「はい」と返事をしてしまったことをきっかけに、薬学部受験を志しました。大学に入ってからは、大好きな運動を続けながら、様々なアルバイトにも注力しました。しかし、下に弟も控えていて、両親からは「絶対に4年で薬剤師になれ」と言われていたので、試験勉強にもそれなりに時間を割きました。Q.4 これまでのキャリア変遷を教えて下さい。学生時に実習で行った研修先の病院で様々なことを学んだこともあり、調剤薬局よりも多くの職種の方々が働いている病院に就職しました。病院では患者さんとのコミュニケーションが楽しかったです。その後初めて転職した先の病院では、服薬指導業務の立ち上げを行いました。その後、企業の管理薬剤師に転職した後に、沢井製薬株式会社に入社しました。Q.5 現在の会社を選んだきっかけを教えて下さい。転職した時期は、ちょうど政策でジェネリック医薬品の使用促進が進められ、ジェネリックの普及に追い風が吹きはじめた頃でした。薬剤師として、ジェネリックのことをきちんと学んでおく必要性を感じ、ジェネリック製薬会社の大手である、沢井製薬に魅力を感じました。それに、沢井製薬の企業理念である「なによりも患者さんのために」という言葉が、それまで薬剤師として大切にしてきた私のポリシーにぴったりフィットしたことも大きかったですね。■「それぞれに合ったコミュニケーション」が成長スピードを加速するQ.6 リーダー職に就いた時の心境を教えてください。正直、役職にはあまりこだわりがないんです。私はただ「どうしたら患者さんに適切な情報を届けられるのか」を第一に考え、問い合わせてくれた医療関係者の方が患者さんのお役に立てるよう、丁寧な情報を伝えることに注力してきただけなんです。気づいたら、そこに役職がくっついてきたような感覚ですね。身の周りの誰かが「まとめ役を任せるなら、二出川がいいんじゃない?」と言ってくれたようで、それはシンプルに嬉しかったです。Q.7 現在の仕事内容を教えて下さい。医薬品情報センターとお客様相談室には、沢井製薬のお薬に関する問い合わせが、毎日200件ほど入ってきます。医療関係者は忙しい方が多いので、問い合わせに対しては迅速に丁寧に、かつ正確な情報を伝える必要があります。私が入った頃は、患者さんから問い合わせは別の部門が担当していたのですが「一本化できたらいいのに」と思い、当時の本部長に話して合意してもらったんです。なので、今は患者さんからのご相談も受けつけています。役職の高い方々も、平社員だった私のお話を聞いてくれるくらい、風通しがいい会社なんですよ。Q.8 リーダー職についてから大変だったことは?私が入社した2007年当初と比べると、ジェネリック医薬品のシェアはすごく伸びていて、問い合わせの量もどんどん増えています。問い合わせが増えても、情報のクオリティは落としたくなかったので、メンバーを少しずつ増やし、いつの間にか4人から、15人のチームに。2024年度からはメディカルコミュニケーション部の部長に昇格し、サワイグループホールディングスのID&E推進室の室長も兼任することになりました。けれど「リーダーだから大変」と思うことはないですね。「こうしたらどうかな」と思ったことを実行・実現していくことは、やりがいがありますよ。Q.9 仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?やっぱり、お客様や患者さんのお役に立てたと感じることが、一番のやりがいです。医療関係者や患者さんのお困りごとにアプローチするのも、社内でお困りごとを抱える人のために社内改善するのも、クライアントの課題解決をしていくという共通点があると思っています。見えている課題を解決することそのものも楽しいですし、それによって誰かが助かるのなら、積極的にやりたいと思えますね。Q.10 リーダー職として気をつけていることはありますか。部下に対して気をつけているのは、一人ひとりに合ったアプローチをかけることですね。一緒に働くメンバーの成長が見られるのは嬉しいですから、もっとパーソナライズ化したアプローチができたらと思って、カウンセラーやセラピスト、コーチングなどの認定資格を取得しました。それぞれの性格や段階によって、かけるべき言葉や投げかける疑問も変わってきます。自分が選んだ言葉や行動の影響で、メンバーが成長できた瞬間を見るのが、泣けるほど嬉しいんですよね(笑)。マネジメントを学んでやってきたというより、やってきたことを振り返ったらマネジメントだったという感じです。■ただ、人の役に立ちたいだけ。手に届く範囲から、変えていくQ.11 仕事終わりやお休みの日は何をされていますか?満員電車が苦手なので、朝は早めに出社しています。なぜか外国の方に道を聞かれることが多いので、スムーズに道案内できるよう、始業時間までアプリで英語のスピーキングを勉強しています。今は自分が問い合わせの電話を取ることはないのですが、メンバーの受けている問い合わせを把握して、困っている子のフォローに回ることが多いですね。あとは、他部署とのやり取りをしたり、 ID&E推進室の会議に参加したり。家に帰ってからは、新しい資格の勉強をしたりしています。Q.12 ストレス発散の方法を教えてください。身体を動かすのが好きなのは昔から変わらないので、休日はバイクに乗ったり、ダイビングに行きます。海は日常とは全く違う世界なので、気持ちいいんですよね。土日も仕事のことを考えてしまうことも多いので、海に潜ったり、バイクで走ったりしている時間は、私にとって貴重な「無になれる時間」です。仕事も考えることも好きだからいいんですけど、デトックスとして楽しんでいます。Q.13 プライベートや仕事の悩みはありますか?目下「どうしたらもっとジェネリック医薬品を患者さんに届けることができるか」について、悩み続けています。ジェネリック医薬品はいわゆる後発医薬品なのですが、飲みづらさやサイズなど、先に出たお薬が持っていた課題を解決して世に送り出されることも多いんです。その上、患者さんの自己負担額も安く、いいところはいっぱいあるんですけど……。情報をうまく伝えてあげないと、医療関係者に選んでもらえるお薬にならないんです。だから、私たちの目指すところはやっぱり「薬剤師さんが選びたくなるような薬を作って、その情報を伝えていくこと」なんですよね。Q.14 今後の展望を教えてください。今までもこれからも、目指すところは変わらず「人の役に立てることを続けていく」ことです。どんな役職についても、患者さんとの距離が遠くなっても、持ち続けてきたポリシーは貫いていきたいです。せっかく色々な資格も取得してきたので、今後は企業のコミュニケーション推進にまつわる仕事にも関わっていきたいですね。日本では、仕事が忙しくて休めないから、すぐに病院に行く人が多いといいます。だけど、上司や会社ときちんとコミュニケーションができて、心身共にきちんと休息が取れたら、病院に行く前に体調が良くなることもあるでしょう。小さな部分から改善して、忙しすぎる医療機関の現状も変えていきたいですね。
2024年05月08日《皆様ご心配をおかけしました。日本から観に来られたり、昨日の観劇を楽しみにして頂いた方、申し訳ありません。舞台 千と千尋の神隠し ロンドン公演私にとっては本日初日になります!無事に千穐楽まで走り抜けたいと思います!よろしくお願いします!》5月2日、女優の橋本環奈(25)がXを更新し、主演舞台「千と千尋の神隠し」のロンドン公演を休演していたことを謝罪した。同公演の千尋役はクアトロキャストで橋本、上白石萌音(26)、川栄李奈(29)、福地桃子(26)の4人が演じている。橋本は5月1日(現地時間)の公演に千尋役として出演予定だったが、上白石が代役を務めたという。休演の理由は明らかにされていないが、ファンからは橋本の体調を心配する声があがっている。《休演した理由も報告なし。たぶん朝ドラ撮影も抱え(今は舞台で中断)ぶっ続けで異国の地で体調崩したのかなと》《忙しすぎるんじゃないですか?他の仕事のせいでこちらの仕事が出来なかったと言えば角が立ちますし。体調不良でなければいいんですけどね》《人気者は大変だな。無理なスケジュールで体調を崩してメンタルまで不調になったら本当に大変な事になる》舞台「千と千尋の神隠し」は22年の初演で橋本と上白石がダブルキャストで主演を務め、大きな話題となった。今回の再演は3月に東京で始まり、愛知、福岡、大阪、北海道とロンドン公演が並行して行われる。「橋本さんは4月18日にXで《福岡から東京に帰って来たと思ったらすぐロンドンに》と報告していました。おそらく直前まで福岡で今秋放送予定の朝ドラ『おむすび』のロケに臨んでいたのでしょう。ロンドン公演は5月上旬までは橋本さんと上白石さんがダブルキャストのような形で演じますが、それ以降、5月末までは橋本さんが一人で千尋役を務めます。まだ先も長いですし、ここで無理をすると後に響く可能性があるので、大事をとって休んだのかもしれません」(芸能関係者)ハードスケジュールは人気者の宿命とはいえ、体調には十分に気をつけてほしいというのがファンの願いだろう。
2024年05月03日タレントの松嶋尚美(52)、モデルの近藤千尋(34)、タレントでモデルのゆうちゃみこと古川優奈(22)が25日、都内で行われたシャワーヘッド『ミラブル』シリーズの新商品『ミラブルエイジングシリーズ』発表会に参加した。新商品にかけ、世代別の肌の悩みをトークすることに。フリップに書くことになったが、ゆうちゃみの筆がおぼつかないことに。漢字が合っているか不安になったゆうちゃみは確認してもらったが、近藤は「合ってません!」と苦笑いで教えてあげた。しかし、ゆうちゃみは「ニュアンスは、こんな感じですよね?まぁ、いっか」と豪快にミスをしたままのフリップを公開した。「乾燥肌」と書こうとしたが、「乾」の字は乾の右側が包となったオリジナル漢字に、「肌」の字は肥に間違えて書いてしまっていた。会場に笑いが広がると、松嶋は「私らの時代と漢字が変わったのかな?」と優しくフォロー。しかし、松嶋も近藤も間違った漢字に引っ張られて「乾燥肌」が書けないハプニングが発生。なんとか思い出した2人によって正解を教えられたゆうちゃみは「ありがとうございます!」と感謝しながらも「一緒。あんまり変わらないじゃないですか!」と言い、再び会場には笑いが広がった。また、乾燥肌についての悩みは、「ずっと悩まされているんです。季節が変わるとガサガサになるので」と話していた。『ミラブル』シリーズでは、年齢に応じて、肌質や肌悩み、求めるケアは変化する中で、3つの世代に向けた新たなシャワーヘッドを開発。若年層向けの『ミラブル爽』、ミドル層向けの『ミラブル潤』、それより上の世代に向けた『ミラブル艶』の3種類となる。
2024年04月25日取材・文:ミクニシオリ撮影:大嶋千尋編集:松岡紘子/マイナビウーマン編集部この仕事が苦手、あの作業をしたくない。自分の苦手って、仕事の中ではできれば避けたいものだけど……やってみたら意外とできたものや、楽しめたものもあるのではないでしょうか?「もともと人見知りだったので、販売やPRの仕事が、自分に向いているとは思っていませんでした」そう話してくれたのは、株式会社ユナイテッドアローズのブランド『UNITED ARROWS green label relaxing(以下、green label relaxing)』でPR担当を務める、藤野かりんさん。芸術系大卒でアパレル店員になったという藤野さんですが、もともとアーティスト気質で、人との交流が得意ではなかったそう。しかし、モノづくりから販売まで一貫して行っていることに興味を持ってユナイテッドアローズに入社し、販売~PRと職歴を重ねてきた藤野さん。販売とPRは、一見全く違う仕事のように見えるかもしれませんが、藤野さんはユナイテッドアローズでのキャリアの中で「相手に合わせてコミュニケーションする」というキャリアの軸を見出したといいます。■芸術系の大学から販売員になり、社内異動でPR職へ藤野さんは、新卒でユナイテッドアローズに入社して、今年で9年目になるそうですね。販売員からキャリアをスタートさせたとのことですが、なぜ販売員になろうと思ったんですか?もともと芸術系の大学に通っていて、専攻がテキスタイルアートコースだったんです。アーティストを目指す道を考えたこともありましたが、勉強していくうちに、小売の方に興味が湧いてきたんです。ユナイテッドアローズはアパレル会社の中でも最大手企業の一つなので、モノの売り方から作り方まで、幅広く学ぶことができるのではないかと思い、入社しました。なるほど。モノづくりに興味があったということなんですね。もちろん、お洋服も好きですよ!ただ、販売の仕事もとても楽しかったですし、当初は自分が本社で働けるとは思っていませんでした。どのようなきっかけで、販売員から本社スタッフとして異動されたんですか?入社時は大阪で地域採用されたのですが、1年ほど経った頃に、名古屋の新店舗メンバーに選んでいただいたんです。そこでさらに1年半、販売員として経験を積み、社内公募でPR職の募集があるのを見て、応募しました。大阪から名古屋、東京と、働く土地も変えられてきたとのことですが……不安はなかったですか?当初は地域採用していただいているので、住む土地まで変えようとは思っていなかったんですが、仕事が楽しくて異動を重ねていくうちに、住む場所はあまり気にならなくなりましたね。お仕事がお好きなんですね。公募に受かるために、なにか努力されたことはありますか?まずは自店舗のお客様を増やすために、基本的な接客努力をしながら、SNS投稿やスタッフスタイリングの投稿、本社から来るスナップなどの依頼にはなるべく手を挙げるなど、社内PR活動には力を入れていました。■ブランドの「なんでも屋さん」として、幅広い仕事にチャレンジ現在はどんなお仕事をされているんですか?PR職は販売員だった私からすると、転職したのかと思うほど仕事内容が変わりました。私は『green label relaxing』というブランドのPRを担当しているのですが、シーズンごとの施策を考えて企画から撮影まで進行する、まるで編集者のような仕事をする時もあれば、ブランドのSNSアカウントやHP、店舗で扱うコンテンツの作成・進行をすることもありますし、サンプルを雑誌やテレビなどのメディア様にリースする手配をしている時もあります。数え始めたらキリがないのですが、ブランド露出に関わることはなんでもやる、ブランドのなんでも屋さんです。社外だけでなく、社内の他部署との調整役になることも多いので、ブランドと外の世界とのハブのような存在ですね。PRのお仕事ってキラキラしているイメージだったけれど、思っていたよりも大変そうですね……!そうなんです、地味な仕事も多くて、時間がたりないこともしばしば(笑) 。だけど、販売員時代のキャリアもしっかり生きています。販売経験があるからこそ、お客様の背景を考えながら、ニーズをつかんで発信することができていると思います。『green label relaxing』はユナイテッドアローズの中でも特に幅広いニーズに特化しているブランドなので、様々な背景を持つ、様々な年代のお客様に対して響く訴求は何なのかを、日々考えています。PRとしての業務はかなり幅広いとのことですが、思い出に残っている仕事はありますか?自身が立ち上げに携わった「find my size」というシリーズは、特に思い入れがありますね。幅広い身長、体型の方が「自分らしいサイズの服」を見つけられることをコンセプトに、通常のサイズ展開に加えて、裾や袖だけを短くしてバランスを調整した低身長の方向けの「SHORT」、反対に裾や袖だけを長くしてバランスを調整した高身長の方向けの「TALL」を展開しています。green label relaxing は、ユナイテッドアローズの中でも幅広いサイズを展開しているブランドなんです。中には7サイズもある商品もご用意しています。私自身が低身長なこともあって、販売員時代は色々と悩みましたし、お洋服のお直し代を工面するのも大変だったので……身長や体型に関わらず、自分に合うサイズの服を誰もが探せるように、という思いをこめています。これだけのサイズ展開があれば、誰でも自分の体型に合う服を見つけられそうですね!どんなお洋服にこのシリーズが採用されているんですか?毎年定番のコートやパンツ、ワンピースなどがラインナップされるシーズンが多いですね。私が今履いているのも「find my size」のものなのですが、低身長の私でも、お直しナシで丈感もウエストもピッタリなんです!だいたい、どちらかが大きすぎることが多いので、私自身本当に助かっています。パンツは特にサイズや丈感が大切ですから、きっと助かっている方も多いでしょうね。ただ、もっと多くの方に知っていただきたいなとも思っているんです。既存のお客様の中には、毎シーズンの新作を楽しみにしてくださっている方もいるのですが、新規の顧客様にも広めていきたいです。基本的にWeb販売を行っているラインにはなるのですが、店舗限定でポップアップイベントを行ったり、店舗から取り寄せ販売を行ったりと、色々工夫してみています。企画を進行する中で、特に嬉しかったことはありますか?自分の意見が反映されてできあがった商品を初めて目にした時は、やっぱり感動しましたね。それに、お客様からのリアルなお声が届く時も、すごく嬉しいです。店舗を離れてから、お客様と直接関わる機会は少なくなってしまったけれど、SNSに届くお礼のメッセージが特に励みになります。気持ちのこもったコメントを読むと、お店で直接、接客させていただきたいなって思います。 直接お礼を言いたいなって。「find my size」では商品企画に近いこともご経験されたんですね。社内のパタンナーさんやデザイナーさんと一緒に考える機会をいただけたのは、とても貴重な経験でした。他部署の人と仕事で関わる機会は限られていますし、社内で新しいつながりを得ることができて、皆さんの仕事の仕方を間近で見れたことも嬉しかったです。PR職はなんでも屋さんだとおっしゃっていましたが、色々な仕事を経験してみることで、自分に向いている仕事を発見するきっかけにもなりそうですね。■発信活動も社内交流も「相手に合わせたコミュニケーション」が大切PRとしてはゼロベースで本社にジョインしていると思うのですが、5年間お仕事をされて、誰かに情報を届けるためのコツはつかめましたか?PRの部署に来て学べて良かったなと思うのは、情報を伝える手段は何通りもあることを知れたことかなと思います。販売員だった時は、接客という手段しか知らなかったけど、SNSだけでなく、ブランドイメージを上げるコンテンツの作り方は色々あるし、協力してくださる他メディアさんもいらっしゃいます。自分が大切にしているのは、どんな時も「お客様の立場になって考える」ことですね。売りたいものがあるから施策を打つという考え方ではなく、商品を買ってくださるお客様のことを想像して、どの手法なら思いが伝わるのかを意識しています。届ける側の一方通行な思いを伝えるだけでなく、届けたい人の現状を考えてくださっているところに、思いやりを感じますね。私たちの仕事は、コミュニケーションが大切だと思うんです。SNSの発信も、いかにお客様に一緒に参加していただけるかで、インプレッションは大きく変わりますし、撮影や調整の業務はリアルな交流が大切なので、今はほとんど出社しています。PRはブランドとお客様をつなぐことが仕事ですし、何か制作物に関わる時も、やっぱりメールだけではなく、直接リモートで話して 意見を交わしたほうが、相手に伝わりやすいと思っています。ある意味、接客をしていた時以上に「どうコミュニケーションするか」に重点を置いて働いています。今後、どのようなキャリアを描いていきたいですか。販売~PRと、一貫してコミュニケーションを軸にキャリアを築いてきたので、今後もそのスキルが生きるような仕事を続けていきたいです。ただ、PRの仕事は奥が深くて、5年続けても効率化できないこと、まだ知らないことがあったりもするので、今後もしばらくはこの仕事を続けて、PRという仕事の在り方を追求していきたいですね。職人気質がキャリアへの考え方にも現れていますね(笑)。『green label relaxing』のお洋服は訴求できる層が広くて、ビジネスシーン用にご利用の方はもちろん、親子でお買い物に来てくださる方もけっこう多いんです。ブランドの成長とともに、20代の頃にオフィスカジュアル服を購入されていた方が子育てを始めて、休日用のカジュアル服をパートナーやお子さんと一緒に買いに来てくれたり……。お客様と一緒に歳を重ね、愛し続けてもらうブランドでいるために、お客様や時代に合わせて変化しつつ、新規のお客様へ届く発信をしていきたいです。
2024年04月24日ゲキ×シネ『天號星』(公開中)の初日舞台挨拶が5日に都内で行われ、古田新太、早乙女太一、久保史緒里、山本千尋が登壇した。同作は、座付き作家・中島かずき氏による新作公演で、江戸の町を舞台にした“あっ”と驚く入れ替わりの物語。世のため人のため、生きていてはならない輩に引導を渡す引導屋の主人・半兵衛を新感線の看板俳優・古田新太が演じ、その半兵衛とひょんなことから中身が入れ替わってしまう冷酷無比なはぐれ殺し屋・宵闇銀次を早乙女太一、銀次の宿敵で荒くれ者の人斬り・朝吉を早乙女友貴が演じる。○■古田新太、唯一“父上”と呼ばれる俳優明かす劇団☆新感線初参加となった久保と山本から“おとっつぁん”と呼ばれているという古田は、2人の印象について聞かれると、「かわいかったですよ。2人のかわいい娘が新しくできた」とメロメロ。「業界に“娘”(を演じた役者)とかいっぱいいるのよ! ただみんな呼び方が違って、お父さんとかパパとか、この2人はおとっつぁんと呼んでくれる。その中でも1人だけ、(鈴木)福くんだけが“父上”って呼んでくれます」と笑いを誘った。また、上演期間中には久保・山本とディズニーランドに行ったそうで、山本が「7カ月一緒にいたので思い出だらけですが、ディズニーランドに一緒に行ったのは思い出深いですね」と話す。「バスタ新宿からバスに乗りまして……意外と海外の方しかいなくて、おとっつぁんを見ても派手な日本人がいるなぁぐらいにしか思ってなかったから行きやすかった」と明かし、久保も「おとっつぁんもご機嫌で!」と振り返っていた。古田たっての希望でバスで行くことになったそうで、山本が「本当は現地集合でいいんじゃないかと話していたんですけど、おとっつぁんが行き方がわからないというのと、バスだったらお酒が飲めるじゃんということで(笑)『ディズニーに行くなら、俺はバスでしか行かねぇ』って(言っていた)(笑)」と説明。パーク内では、古田も楽しんでいたようで「『チッ!』とか『何がだよ!』とかいうタイプだけど、美女と野獣めっちゃ楽しかった(笑)」と笑顔を見せていた。
2024年04月05日一昨年に初演され、アニメーションの世界を見事に表出させたことで話題になった舞台『千と千尋の神隠しSpirited Away』。評判を受けて再演された今回、千尋役として新しくカンパニーに参加することになった福地桃子さん。10歳の少女の純粋さと無鉄砲さに冷静さ、内に秘めた生のエネルギーを、まっすぐ丁寧に演じ話題を呼んでいる。――千尋役はオーディションで決まったそうですね。福地桃子さん(以下、福地):今でも自分が千尋として参加していることが不思議でしょうがないです。オーディションは声をかけていただいて受けたんですが、舞台のオーディションが初めてだったのでご縁を感じ、可能性があるならと思って受けたんです。――手応えはありました?福地:手応えはわからないですが、オーディションでは子供の体でセリフを言ってみる、みたいなことをやりました。後で演出のジョン(・ケアード)さんから「自分の中に10歳の女の子だったり、千尋がいたんじゃない?」と言っていただいたので、そこを信じて演じていきたいと思っています。――ジョン・ケアードといえばミュージカル『レ・ミゼラブル』の初演の演出でも知られていますが、印象を伺えますか?実際に演出指導を受けて、とくに刺激になるのはどんなところでしょう?福地:完成した作品が素晴らしいですよね。演出に対して何か言えるほど舞台経験はないですが、何よりお人柄が素晴らしいんです。ジョンさんは、モノづくりの現場ではプレッシャーを与えることが一番よくないことだとおっしゃっていたんですが、その言葉通り緊張させない稽古場の空気を作ってくださるんです。ジョンさんが実際に演じて見せてくれるときがありますが、毎回とても楽しそうなので、私もやってみたいと思わされます。しかも、こちらのお芝居を何回も見ているはずなのに毎回新鮮なリアクションをくださいます。再演だから形が決まったものをやるのかと思っていたけれど、稽古場で一つひとつ掘り下げながら積み上げている感じで、初演から出演している(橋本)環奈ちゃんや(上白石)萌音ちゃんも、つねに新しくなっているって言っているくらい。スタッフさんたちもあたたかい雰囲気を作ってくれていて、わからないことも聞きやすい現場でありがたいです。――実際に千尋を演じてみて、いかがですか?福地:車のシーンから始まるんですが、細かい描写まで映画にとても忠実で、とてもリアルに感じられるところが素敵なので、その瞬間を大切にするというのを忘れずにやりたいなと思っています。――昨年の『橋からの眺め』で初舞台を踏み今回が2作目となりますが、舞台はいかがですか?福地:声を出したり体を動かしたりっていう感覚が楽しいです。劇場に声が響いているのが感じられて、お客さんと場を共有できている感覚がありました。最初は意識がいろんなところに飛んでいるけれど、途中からそれを忘れて役に集中できて、それが途切れることなく、気づくと終わってた…みたいな。ただ、映像と違って、本来なら独り言としてポソッと言いたい場面でも、言葉としてしっかり伝えなきゃいけなかったり、感情とは違うところでやらなければいけないことがあるのが難しいです。でも逆に、セリフを口にすることで気持ちが追いつくみたいなこともあって、それは映像とは違う感覚で面白いです。――先ほどの「子供の体でセリフを言う」という表現も、舞台ならではなのかなと感じました。福地:有名な作品ですし、稽古の最初の頃は映画の千尋のしゃべり方に寄せてみたり、子供っぽくセリフを言うみたいなこともやりましたが、あまりうまくいかなかったんです。それで一つひとつの場面にリアクションするところからセリフに繋げていって、自分の中から自然と出てきた言葉のトーンでセリフをしゃべるようにしたら、ようやく楽になれたんですよね。ただ、映画を観ていると、千尋はいろんな表情をする子なので、自分が映画の中でとくに印象的だった場面に関しては、そこの千尋の表情を思い浮かべながらやっていたりはしています。納得ができないときは立ち止まって考える。――今回の千尋もですが、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』など、自分の経験を重ねられない役を演じるときは、どのように役にアプローチされるんでしょう?福地:もちろん普段の自分の生活では経験しないこともたくさんありますし、全てを重ねられないかもしれないけれど、寄り添うことはできると思っています。どういうところにときめきを感じるのかは、その人の日常を実際に経験していなくても想像することができるんじゃないのかな。――ただ、理解できない行動を取る役もありますよね?福地:どうしてこんなことを言うんだろう?と理解ができないときは確かにあって。そういうときは、この役を私が演じさせてもらう意味について向き合う時間を作るようにしています。他の方がやったらどうなっていたんだろうと考えてみたりもします。でも、そうやって試行錯誤しながらやった役も撮影が終わったとき、この役に出合えてよかったと思うことが今まで多かったです。――まずはとにかくやってみて、動いていくうちに徐々に役が見えてくる、みたいな感じですか?福地:そうですね。でもどういう感情で言ったらいいかわからない、と思ったら監督に相談することはあります。この人はなんでこんなことをやったんだろうと納得ができないときは立ち止まって考えると思います。そのまま進むのではなく、視点を変えて、自分だったらこうなら言えるかもしれない、というところを一生懸命に探します。その中で自分がやる意味みたいなものが見つけられたときは嬉しいなぁと感じます。――ここまでで、ご自身が演じられてよかったなと思った役や、出合えてよかった作品というと?福地:人として興味が湧く役をいただくことがとても多いのですが、最近だとドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』で演じた環という女の子がとても魅力的な人だと感じました。それに近い感覚だと、『女子高生の無駄づかい』という漫画原作のドラマでやらせていただいたヤマイという役がそのひとつです。すごく癖のある動きが多かったので、最初はかなり苦戦しましたが挑戦してみることで、いつもの自分にはない考えが生まれてきたり想像することの楽しさを教えてもらい、それが活力に繋がりました。あと、2023年にNetflixで配信された『舞妓さんちのまかないさん』という舞妓さんの日常を描いた作品で演じたつる駒という役も。監督の是枝(裕和)さんがはじめに書いてくださった台本には10種類くらいモノマネのレパートリーがちりばめられていたので、とにかく一生懸命練習しました。待ち時間に共演のみなさんに見てもらったりしているうち、自分の中ではうまくなっている気がして、すごく自信を持ってやれるようになりました。…まわりから見たらほとんど似ていなかったみたいなのですが(笑)。そこで自分は人を楽しませるのが好きなんだなと思いましたし、今もたまにモノマネをやりたくなったりするくらい楽しかったです。福地桃子さんら4人が千尋を演じる舞台『千と千尋の神隠し Spirited Away』は、3月30日(土)まで帝国劇場で上演中。その後、愛知・御園座、福岡・博多座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruなどで上演するほか、ロンドン・コロシアムでも上演。演出はジョン・ケアード。東宝テレザーブ TEL:03・3201・7777ふくち・ももこ1997年10月26日生まれ、東京都出身。2019年に連続テレビ小説『なつぞら』に出演し注目を集める。近年の出演作にドラマ『舞妓さんちのまかないさん』『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』など。’24年5月には映画『湖の女たち』が公開予定。※『anan』2024年4月3日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2024年03月30日取材・文:ミクニシオリ撮影:大嶋千尋編集:松岡紘子/マイナビウーマン編集部自分のカラダを受け入れることは、誰でも簡単にできることではありません。身長や肌質、骨格、声質、毛質……「もっとこうだったらよかったのに」と思えば思うほど、理想どおりになれない自分を責めてしまうこともあるでしょう。「私も、生まれ持った自分の性質をずっと愛せなかったし、大嫌いでした」そう語ってくれたのは、天然パーマさんやくせ毛さんのためのヘアブランド「Curly Me」を立ち上げた、カーリーガールリンさん。小さな頃から、自身の天然パーマがコンプレックスだったそう。さらに、髪の毛だけでなく、体型や顔のパーツも「嫌いだった」と語る彼女ですが、現在のリンさんは自身の過去を明るく語り、ポジティブなオーラで周囲を元気にしてくれます。そんな彼女が教えてくれたのは、自身のコンプレックスを武器に発信活動をしようと思った理由と、自分の持つ“個性”の愛し方でした。■どうして私は人と違うんだろう……世間的な「美」を追い、自分を責めた――リンさんのカールヘア、とっても素敵ですけれど……ご自身では、コンプレックスを感じてらっしゃったんですよね。自分の毛質や天然パーマのことについて色々学んで、今はこうして自分らしいヘアスタイルを楽しめているのですが、昔は天然パーマの自分が大嫌いでした。メディアで見る憧れの芸能人たちのような、柔らかそうで艷やかなストレートヘアに憧れて、3カ月に一度は必ず縮毛矯正をかけていました。幼い頃から「どうして私の髪の毛はみんなと一緒じゃないんだろう」と、自身を責め続けてきました。少しでもみんなに近づけるようにと、必死でストレートヘアを取り繕ってみても、上手くいかなくて……その過程で、自分のヘアも、自分自身のことも嫌いになっていったような気がします。――そんな中、なぜカールヘアについて発信活動をしようと思われたんですか?実は両親の都合で、私は思春期をカナダで過ごしているんです。就職活動の時に日本に帰ってきて、今は日本企業で会社員としても働いています。発信活動することを決めたのは、日本社会で働く中で、ダイバーシティに興味を持ったからです。就活時も、会社員として働きはじめてからも、ずっと髪の毛への偏見に苦しんできました。小さい頃はシンプルに髪をバカにされることが多かったですが、社会人になってからは、ビジネスマナーを違反しているのではないかとツッコまれることが何度もありました。髪について何か言われるたびに、社会的なプレッシャーを強く感じました。けれど自分に自信がなかったし、当初はカールヘアについて発信するつもりはなかったんです。コロナ禍で仕事が落ち着いたことをきっかけに、アクティブな活動がしたくて発信者になる決意をし、自分に伝えられることを模索していました。その時、改めてカールヘアという自身の個性と向き合い、髪質について色々と勉強をしたんです。そこで、無理してストレートヘアを目指すのではなく、カールヘアを生かしたヘアスタイリングの方法などを知ったことで、そのメソッドを広めようと活動を始めました。――Youtubeなどでは、カールヘアのケア方法やヘアセットの方法などを発信されていますし、ブランドではくせ毛の方向けのヘアスタイリンググッズを展開されていますよね。色々な方がヘアケアやヘアセットについて情報を発信していると思いますが、私が活動を始めた時には、天然パーマの正しい取り扱い方について日本語で発信している人が誰もいなかったんです。というのも、やはり日本では「天パやくせ毛をどうストレートにするか」に意識が向いている人が多いのだと思います。私自身、過去にそのような考えに取り憑かれていましたし、ドラッグストアに行っても、くせ毛を治すアイテムは売っていても、くせ毛を活かすアイテムは売っていなかった。だから、自分で作ることにしたんです。――言われてみると、日本には「ストレートがマジョリティ」という固定概念があるのかもしれませんね。私自身、カナダに住んでいた頃も「美=ストレートヘア」というイメージを持っていましたし、大人になってからも「美しいストレートヘアを作る方法」を調べて、ケアを実践していました。けれど、私のようなカールヘアを持っていると、ストレートヘアを作るための方法を真似しても、髪により大きなダメージを与えてしまうだけだったんです。カールヘアを上手く扱うには保湿が大切です。アイロンで髪に熱を与えたり、縮毛矯正を何度も行ったりすることは、長い目で見れば髪にダメージを与え続ける一方です。私の場合、そこまでしても理想のストレートヘアになることはできなかったですし、髪の健康と心の健康、どちらにとっても適切ではありませんでした。■自分を理解し、人との違いを認めて、コンプレックスが個性になった――では、リンさんはカールヘアを生かしはじめてから、髪だけでなく心もよりヘルシーになれたということでしょうか。カールヘアの扱い方を学んで、天然パーマを「自分の個性」と受け止められるようになりました。もちろん今でも、髪に対してつらい意見をぶつけられることもありますが、自身を否定していた時よりも細かい意見を気にしなくなりました。それに、カーリーガールリンとして活動をはじめてからは、自身と同じように髪質で悩みを持つ人とつながるようになりました。「Curly Me」を始めたのは、そんな同じ悩みを持つ友人たちも救いたい、みんなで一緒に自身を愛する気持ちを大切に生きたいと思ったからです。だから、ブランドやプロダクトを作る時には、フォロワーさんたちの意見をとても大切にしています。――「Curly Me」のプロダクトについても、詳しく教えてください。今は、ヘアセットとヘアケアのためのアイテムを主に取り扱っています。「Curly Me」のジェルやクリームを使うと、広がって見えるくせ毛に束感が生まれ、今の私のようなこなれ感のあるカールヘアを楽しむことができます。それに、カールヘアを楽しむためには適切なヘアケアも大切です。適切なアイテムを使うことも大切なのですが、ドライヤーの当て方や乾かし方など、細かいコツがたくさんあるので、YouTubeや私の著書『もう天パで悩まない! あなたのクセ毛を 魅力に変える方法』の中で、カーリーガールを楽しむための髪の取り扱い方を紹介しています。――「Curly Me」のプロダクトとリンさんの発信を見れば、誰でもカールヘアを上手く取り扱って自分の個性に変えることができるんですね!そうはいっても十人十色の髪のクセがあるので、何度も練習することが大切です。日本はカールヘアの人口が少ないこともあり、美容室に行ってもなかなか適切なアドバイスをもらえないので、まずは自分と、自分の髪への理解を深めながら、私の発信も参考にしてもらいたいと思っています。ただ、髪の毛を上手に取り扱うことがすべてというわけでもありません。「Curly Me」ではマンツーマンでのヘアセットトレーニングも行っていますし、フォロワーさんたちと一緒にオフ会を行うこともあります。同じ悩みを持つ人とつながることで、一人ひとりのくせにも色々な違いがあることを知ってほしいし、違いが分かってこそ、自身の個性も認められるようになるんです。――人との違いが分かるからこそ、人と違う自分も愛せるようになるのでしょうか。私自身、人と自分の違いを認められなかったあの頃、ずっと苦しかったです。ストレートヘアを無理して作っていた時は「ダメな自分を改善しなきゃ」と、マイナスをゼロにするために努力して、息切れしていました。違いがあるのは当たり前のことなのに、みんなと一緒を目指すから苦しかった。しがらみから開放されるために、違いを認めることは大切だと思います。■自身を受け入れてくれる場所を、それぞれ探せばいい――ブランドを運営している中で、嬉しいこと、つらいことなどありますか。「Curly Me」は、私にとっても大切な居場所です。本業と二足のわらじで活動しているので、時間が足りないと感じることはありますが、苦しいと思うことはないです。「Curly Me」はプロダクト開発からサイトデザイン、コミュニティ運営まですべて一人でやっているので、やることはとても多いですが、むしろ活動における喜びが、日常の疲れを癒やしてくれています。フォロワーさんから寄せられる私の活動への思いや「ありがとう」の言葉が、人生を楽しむ大きなモチベーションとなっています。――「Curly Me」やリンさんの今後の展望を教えてください。「Curly Me」としての一つの大きな夢は、美容学校との関わりを持つことです。実は、美容専門学校でも、くせ毛について学ぶ時間はとても短いのだそうです。今はマンツーマンでのカーリーガールメソッドを共有する機会に参加してくれている現役の美容師さんたちとのつながりもありますが、日本全国のくせ毛に悩む人たちに適切なアドバイスをしてくれる髪のプロを、教育機関と関わることでさらに増やしていきたいです。私個人としては、今年度にはサラリーマンを辞めて、アメリカに一年だけ渡ろうと思っています。「Curly Me」での活動をもっと本格化させていきながら、私自身もダイバーシティやセルフラブについて、さらに知見を深めて、日本に帰ってきたいと思っています。――最後に、自身のカラダを愛したいという女性に、伝えたいメッセージはありますか。私が言えるのは、人と比べない方が人生を幸せに過ごせるということ。私自身が、自分を殺して傷ついてきたからこそ、そう思います。自分が嫌いだった頃の私は、髪の毛どころか自分の高い身長も、人より重い体重も、目の形だって大嫌いでした。けれど、自分の髪を受け入れて、前よりも明るい自分になってから、人から「かわいいね」と褒めてもらえる機会が増えました。最初は「こんな私が?」と思ったけれど、今はその意見をまっすぐ受け止められるので、褒められると嬉しい気持ちになります。だって、こんなにたくさんの価値観が世の中にあるんですから、私を好きだという意見があるのも、おかしくないでしょう?私のことを嫌いな人もたくさんいるかもしれないけれど、全員に好かれる必要なんてない。あなたを否定するものからは離れて、自分を受け入れてくれる場所、受け入れてくれる人を探してみてほしいです。――リンさんにとっての「Curly Me」のような居場所を、みんなが見つけられたらいいですね。SNSや、リアルのオープンな場所だけだと、色々と気を使ってしまったり、美しさの基準にプレッシャーを感じてしまったりすることもあると思います。すぐに目の届くところにはないかもしれないけれど、諦めずに居場所を探し続けてみてほしいです。きっと、誰しもにあるはずです。あなたらしくいられる、あなただけの居場所が。
2024年03月29日女優の川栄李奈が、27日に東京・帝国劇場で舞台『千と千尋の神隠し』の初日を迎えた。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋(橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子)が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、2022年に世界初上演された。○■『千と千尋の神隠し』川栄李奈が千尋デビュー3月11日に初日を迎えた同作だが、千尋役の川栄と、湯婆婆/銭婆役の夏木マリはこの日が初日となった。再演から新たに千尋役として加わった川栄は、カーテンコールで「今日は私が初日を迎えまして……」と挨拶し、会場は拍手に包まれる。さらに「スウィングの木村和磨くんが今日デビューいたしまして! ハク役の新井海人くんがデビューしました! 我らが湯婆婆、夏木マリさんが初日を迎えました」とこの日初日のメンバーを紹介した。川栄は「帝劇の幕が開いてからも、ここにいる(アンサンブルの)湯屋組のみなさん、そしてここにはいないけど油屋組のみなさんが一緒に稽古をしてくださって、たくさん助けてもらって無事今日この場に立つことができました。スタッフキャストの皆さんはもちろん、ここにいる今日来てくださる皆さんが拍手で迎えてくださって、本当に感謝しています。ありがとうございます」と感謝。そして「私は初演の時にお客さんとして観に来てたんですけど、その時に感じた感動や、終わった後の『なんてすごいものを観たんだ』と思ったあの気持ちを、今度は自分が皆さんにお届けできるように、このメンバーで最後まで駆け抜けたいと思うので、最後までよろしくお願いします。今日はご来場いただき、本当にありがとうございました」と頭を下げた。東京公演は帝国劇場にて3月11日~30日、 ロンドン公演はロンドン・コロシアムにて4月30日~8月24日、名古屋公演は御園座にて4月7日~20日、福岡公演は博多座にて4月27日~5月19日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月27日~6月6日、北海道公演は札幌文化芸術劇場 hitaruにて6月15日~20日。
2024年03月28日現在上演中の舞台『千と千尋の神隠し』より、千尋役・川栄李奈の舞台写真が公開された。2022年に英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイトディレクター、ジョン・ケアード翻案・演出により世界で初めて舞台化された本作。2024年版は、東京・帝国劇場での3月11日(月) 夜の部にて橋本環奈の千尋役で幕を開け、12日(火) 夜の部で上白石萌音、13日(水) 夜の部で新キャストの福地桃子、そして27日(水) 夜の部で同じく新キャストの川栄が初日を迎えた。舞台『千と千尋の神隠し』は、2024年3月30日(土) まで同所で上演後、4月から8月にかけてロンドン・名古屋・福岡・大阪・北海道公演が予定されている。<公演情報>舞台『千と千尋の神隠し』原作:宮﨑駿演出・翻案:ジョン・ケアード共同翻案:今井麻緒子出演:千尋:橋本環奈 / 上白石萌音 / 川栄李奈/ 福地桃子ハク:醍醐虎汰朗 / 三浦宏規(帝劇公演を除く)/ 増子敦貴(GENIC)カオナシ:森山開次 / 小㞍健太 / 山野光 / 中川賢リン/千尋の母:妃海風 / 華優希 / 実咲凜音釜爺:田口トモロヲ / 橋本さとし(帝劇公演を除く)/ 宮崎吐夢湯婆婆/銭婆:夏木マリ / 朴璐美 / 羽野晶紀 / 春風ひとみ兄役/千尋の父:大澄賢也 / 堀部圭亮父役:吉村直 / 伊藤俊彦青蛙:おばたのお兄さん / 元木聖也頭:五十嵐結也 / 奥山ばらば坊:武者真由 / 坂口杏奈【東京公演】日程:2024年3月11日(月)~3月30日(土)会場:帝国劇場【ロンドン公演】日程:2024年4月30日(火)~8月24日(土)会場:ロンドン・コロシアム【名古屋公演】日程:2024年4月7日(日)~20日(土)会場:愛知・御園座【福岡公演】日程:2024年4月27日(土)~5月19日(日)会場:博多座【大阪公演】日程:2024年5月27日(月)~6月6日(木)会場:梅田芸術劇場メインホール【北海道公演】日程:2024年6月15日(土)~20日(木)会場:札幌文化芸術劇場 hitaruチケット情報:()日本公演公式サイト:海外公演公式サイト:
2024年03月28日取材・文:ミクニシオリ撮影:大嶋千尋編集:松岡紘子/マイナビウーマン編集部働く女性たちは、自分の意思で社内キャリアを築いていくことの難しさを感じることは多いもの。結婚や出産といったライフイベントもあり、描いたとおりにキャリアを築ける人はなかなかいないのかもしれません。「年齢や性別、それまでのキャリアに関係なく、挑戦したい時や挑戦できる時に行動してみると、何かが変わる可能性があるよ。私は“挑戦が身を助く(たすく)”って思っています」そう話してくれたのは、新卒でNTTに入社し、30年かけてグループ会社の役員にまで上り詰めた、新宅亮子さん。彼女にとっても、自分のキャリアは思い描いた通りのものではなかったといいます。30代でシングルマザーとなった新宅さんは「若い頃は逆に、自分のキャリアを棚上げにして他に優先すべきことに全集中!ということも多かった」と話してくれました。そんな彼女のキャリアが花開いたのは、なんとアラフィフを迎えてからのこと。彼女のキャリアや人生の話を聞いてみると、何かに挑戦するのに、遅いなんてことはないのだと思わせられます。また、地方の営業・企画職を長く務めてきた新宅さんのキャリアを大きく変えるきっかけになったのは、とある「飛び道具的」な努力のおかげなのだとか。新宅 亮子さん1992年NTT入社。仕事と育児を両立しながら地域に閉じたキャリアとして20年以上営業畑をわたり歩き、その後人事労働部門の育成業務に従事。40代後半に差しかかる頃、個人で社外のビジネスコンテストや起業家養成プログラムに挑戦し、そこで得た知見や人脈を社内に持ち込むかたちで活用。イントレプレナーとして活躍する中、介護も経験した後、2022年に飛び級扱いでNTT西日本のグループ会社役員にハードアサイン。その後、2023年7月に新設された「イノベーション開発部」の組織長に任命され、インキュベーション段階にある新サービスの早期立ち上げや新規事業開発に邁進中。■40代後半を迎えて「社外活動」をフックに事業開発組織へとキャリアチェンジQ.1 幼少期はどんな性格でしたか?好奇心旺盛だった一方で、食が細く体格も小さかったので、母をよく心配させていました。幼少からなんとなく、自分は他の子とちょっと違うかもしれないと思っていました。他の子が興味を持つことに自分は興味を持てなかったり、ちょっと空気が読めなかったり。もちろん悪気はなかったのですが、先生からしても扱いづらさがあったのではないかと、今になって思います。ただ、母がとても優しい人で、何かあった時は「亮子ちゃんは大丈夫」と強く抱きしめてくれました。そのおかげで背負いすぎることなく、のびのび成長できたと思います。Q.2 学生時代に注力したことはなんですか。バイトやサークル活動など、みんなと同じようなことを特に深く考えることなく、楽しんでいたと思います。特に思い入れがあるのは、FM局でのバイトですね。番組コンテンツの企画制作や選曲、パーソナリティまでやらせてもらっていて、エンタメ業界にも興味を持っていました。就職活動も、当時はバブルだったこともあって「女の子はキャラ採用」なんて言われていたので、あまり苦労した覚えはありません。その分、入社してからは色々と苦労しました……(笑)。Q.3 これまでのキャリアを教えて下さい。1992年にNTTに入社し、現在32年目です。長らく、名古屋で営業・企画職として現場仕事を続けてきました。20代で結婚、出産し、30代には離婚も経験しています。シングルマザーとして子育てしてきたので、40代半ばまで拠点を変えないことがキャリアの最優先事項だったのですが、「もっと色々な仕事に挑戦してみたい」という思いもずっと持っていました。私は50代を迎えてから、介護も経験した頃に「NTT University」という多様な経営人材のキャリア形成を支援する社内制度を知り、ちょうど一般公募での募集があったので思い切って受験したところ、合格することができました。「NTT University」では、経営等の研修プログラムの受講に加えて、未経験業務分野でのポスト配置によって実践の業務経験を積むカリキュラムが導入されていました。そのため、「NTT University」への入学を契機に、その年の夏には地域の現場課長から飛び級でNTTメディアサプライの役員にハードアサインされ、現在は新設されたイノベーション開発部の部長を務めています。Q.4 リーダー職に就いた時の心境を教えてください。新卒時代から「新規事業をやってみたい」「海外で活躍したい」という思いで働いてきましたが、20代後半、30代では、プライベートでのライフイベントが忙しく、目の前の仕事と日常に追われて精一杯の時期が続きました。40代を迎えてから「私の人生ってこれでいいんだっけ」と立ち返り、自費でビジネススクールに通ってMBAを取得したりビジネスコンテストに応募したりと積極的に活動してきました。私から言えるのは、40代、50代でも新しいことを学んだり、挑戦したりするのは遅くないということ。ただ、いきなり高いポジションに就くと今までとは当然見える景色が変わりますから、もちろんプレッシャーは大きかったです。■新しいことを学び、新しい人と出会い……夢だった海外出張にもQ.5 新しい挑戦のために、どんな努力をしましたか。自分の実力試し、運試しも兼ねて社外での実績づくりに力を入れました。40代半ばで通ったビジネススクールでの学びは大きかったですね。そこでの成績が想像以上に良く、志を同じくする仲間にも恵まれ、自分の強みを知ったことをきっかけに様々なビジネスコンテストに応募し、社外実績を持ち込むかたちでNTTグループ内のジョブポスティング制度に応募して夢に見た本社組織への転身をかなえました。大企業務めだったり、地方で働いていたりする方だと、今の会社で新しい挑戦なんてできない、と感じるかもしれません。私もそうでしたが、ハングリー精神と好奇心だけでここまでやってきました。Q.6 仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?新規事業や国際的な仕事にはずっと興味があったので、今扱っている商材には非常にやりがいを感じています。例えば、eSIMサービスでは、お持ちのスマートフォンがeSIM対応端末であれば、Webでのお申し込みのみで、物理的なSIMの抜き差しをすることなく海外でもスマートフォンを使っていただけます。コンシューマ向けサービスの取り扱いは当社で初めてのことなので苦労も多いですが、時代の変わり目を作るサービスに携われていることが嬉しいです。Q.7 リーダー職に就いてから、大変だったことはありますか?挑戦するタイミングが遅かった分、周囲で活躍するエリートとの格の違いに悩むこともあります。経営という新しい領域へのチャレンジをしながら、新規事業の数字を伸ばしていかなくてはいけないというプレッシャーに押しつぶされそうになった時もありましたが、人の倍は努力しないとできないことも多いので、とにかくがむしゃらにやるしかありません。とはいえ、完璧をめざすのではなく、不完全なままの私であっても、できるだけ自然体の私で通用する世界をつくりたいと思っています。理想は、個の強みのかけ合わせで共助・協働・共創が育まれ、価値創造に向けた強いチームビルディングが成されること。私は能力に偏りのある人材なので、標準的なリーダーができる当たり前のことができず、その分苦労も多いのですが、誰しも社会のどこかには、自分が活躍できる領域があるはずです。今は自分の活動を通して、キャリアに悩む女性にそのことを伝えていくことをモチベーションに、努力を続けています。Q.8リーダー職に就いてから、嬉しかったことはありますか?去年、海外でのモバイル展示会に視察と個別商談を兼ねて参加させていただきました。念願かなって初めて海外出張に行くことができた時は感慨深かったですね。通訳もなしにトライしなくてはいけなかったので、英語で起業したビジネススクールの友人に個別でビジネス英会話のレッスンをつけてもらってから行きましたが、それでも現地での交流は緊張の連続でした。ただ、「NTT University」で知り合ったNTTグループのグローバル人材の方を通じて得たご縁にも恵まれ、現地で彼女と再会した際にはそこからさらに新たな出会いもいただき、想像以上のグローバル人材との人脈開拓につながりました。初めての海外出張で、個別商談を成功できたことも嬉しかったですが、人とのつながりの大切さを噛み締めた瞬間でもありました。Q.9 仕事終わりやお休みの日は何をされていますか?介護もやり切り、子どもも手が離れているので、ここ数年は今まで以上に、自分のために時間を使えるようになりました。社内では会議をしている時間が長いですが、現在も退勤後は社外活動に力を入れています。ビジネススクールで出会った仲間たちと情報交換をしたり、新しい知識を身につけたり……最近では「中部女性リーダーズサロン」という中部圏を中心に多様性と変革を育むコミュニティにも所属しており、ずっと興味のあったダイバーシティ推進活動にも力を入れています。■異色のキャリアも「当たり前」になる世の中を願ってQ.10 プライベートや仕事での悩みはありますか?今は、仕事で新しい挑戦をさせていただいていることに全力で応えたいという思いが強く、人生も後半に差しかかっているというのに、プライベートな悩みはほとんどありません(笑)。ただ仕事では、様々な社外活動に参加したり、新しい知識を身につけたりしているにも関わらず、なかなか仕事の成果につなげられていないことが苦しいです。ただ、思い悩んでばかりなのもよくないので、睡眠と食事には気をつけて生活しています。身体と心のどちらかが疲れている時は、一方だけでも気をつけてケアするのが大切だと思っています。Q.11 ストレス発散の方法を教えてください。土日も社外活動に勤しむことも多いですが、美味しいごはんも好きなので、地元のママ友たちとおしゃべりしてストレス発散することも。時に、仕事と直接関係のない人と話をすることが、私にとって心安らぐ瞬間になります。離婚やシングルでの子育て、介護など、人生の中で大変なことはこれまでも何度もありましたが、そういった時に人生の先輩や、ポジティブな友人に話を聞いてもらうことで、心が軽くなったことが多かったように思います。今でも心に残っているのは、やりたいことが思うようにできなかった30代の頃、40代の先輩に「女の人生は40からよ」と言われたこと。数年後、その先輩にはさらに「50になると女はもっと自由になる」とも言われました(笑)。確かに、色々なライフイベントがいったん落ち着いたタイミングだったからこそ、今こうして自分の仕事のためだけに生きることができています。苦しい時はいつも、背中を押してくれる誰かの一言に助けられてきたような気がします。Q.12 働く女性たちに一言、メッセージをお願いします。自分としては、飛び級での就任は到底かなわないミラクルのように思えましたが、思い切って踏み出してみたら、新しい世界が開けました。こういったキャリアが、これからは世の中でもっと当たり前のことになっていくと思います。私は決して完璧な人間ではなく、標準的なリーダーと比べて圧倒的に足りていない部分があります。けれど、そんな私を必要としてくれる部署があった。完璧ではなくても、助けて応援してくれる人がいて、活躍できる場所はあります。会社にいるからこそ、足りない部分は人を頼ることもできます。私は、足りない部分も多いけれど足りている部分を強みにした“ありのままの自分”で通用する領域、世界があると証明し、日本のダイバーシティの懐を広げていきたいです。
2024年03月22日3月11日(月)、東京・帝国劇場にて幕を開けた舞台『千と千尋の神隠し』2024年公演。クアトロキャストの千尋役をはじめ、新キャストとともにさらなる成長をとげようとする本公演のゲネプロレポートをお届けする。舞台に広がるのは、青い空。左右を見れば、古びた鳥居や小さな祠。そこへ主人公・千尋が現れる。どこか不安そうな彼女の表情と、手にした花束が印象的だ。舞台『千と千尋の神隠し』は、そうして幕を開ける――。日本はもとより世界各地で高い人気を誇る、宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠し』(2001年)。ジョン・ケアードの翻案・演出による舞台版初演(2022年)も大きな反響を呼んだことは、記憶に新しい。上白石萌音・橋本環奈のダブルキャストによる主人公・千尋をはじめ、キャスト陣も高い評価を得た。千尋=上白石萌音千尋=橋本環奈そして2024年公演は、帝国劇場に続いて名古屋・福岡・大阪・札幌、さらにはロンドン公演も行われる。千尋役は上白石・橋本に川栄李奈・福地桃子が加わり、クアトロキャストに。ハク役も初演の醍醐虎太朗・三浦宏規に加えて増子敦貴が抜擢された。本公演初日の前日である3月10日に行われた公開ゲネプロから、帝国劇場デビューとなる福地千尋・増子ハクを中心にレポートしたい。千尋=福地桃子映画同様、千尋と両親が車で転居先に向かう場面から物語は始まる。神々の世界に迷い込み、両親が勝手に神々のための食物を食べて豚になってしまうまで、恐る恐るついて行く千尋の姿が印象的だ。必死に「戻ろうよ」と訴える福地の千尋は全身で、震える声で、不安を伝えてくる。その姿は、映画を観ている観客であれば「千尋がそこにいる!」と嬉しく思うに違いない。未見の観客にも、「この子は怖がりなんだな」と彼女の性質が自然に伝わったはず。福地の千尋はアニメ的な表情の豊かさを見せるというよりも、ぶっきらぼうな表情が印象的。だが細やかな声色や体の動き全体で千尋の心を表現しているかのようで、いたいけで愛くるしい千尋がそこにいる。そして千尋の前に現れ、神々が集う「油屋」で働けるように計らうなど何かと彼女を助けるハク。増子のハクは一見して「端正」という印象を受けた。それは彼の容姿や硬質な響きをもつ声質からくるものだが、それが終盤で明かされる彼の正体にも絶妙にはまり、キラリと光る存在感につながっているのではないだろうか。千尋への思いやりや周囲への警戒心といった彼の心情がにじむと透明な光が淡い色合いを帯び、自然と惹きつけられる。公演を重ねるごとにさらに濃く、深みを増していく予感がする、魅力的なハクの誕生だ。ハク=増子敦貴ハク=増子敦貴初出演組も既に安定感すらある活躍ぶりこの日ゲネプロに登場したプリンシパルキャストは、カオナシ・中川賢、リン/千尋の母・実咲凛音、釜爺・宮崎吐夢、湯婆婆/銭婆・羽野晶紀、青蛙・元木聖也、頭・奥山ばらば、坊・坂口杏奈と、初出演組がずらり。それぞれに自身の役どころをしっかり務めているように見受けられ、すでに安定感すら覚えるほど。その中でも、個人的には実咲凛音のリン、羽野晶紀の湯婆婆/銭婆、そして元木聖也の青蛙が特に印象的だった。リン=実咲凛音リンは油屋で働き始めた千尋の面倒を見る姉御肌なキャラクター。さばさばとした口跡の良さをはじめ、実咲は小気味よく演じている。一日の務めを終えた後に従業員部屋から出て夜空の下で千と共に握り飯を食べ、そのまま横たわる場面での風情も心にしみる。羽野の湯婆婆/銭婆は、どすの効いた声から慈愛を感じさせる温かみのある声まで多彩な声色で緩急を利かせる。作中屈指のクセの強いキャラクターを、映画そのままの顔立ちに見せるメイクで演じ切っている。ちょっとした動きからも劇団★新感線で鍛え抜かれた芸達者ぶりが感じられ、「さすが」の一言。湯婆婆/銭婆=羽野晶紀動きで言うなら、元木聖也も帝劇では既に『キングダム』でパルクール巧者の身体能力を見せつける殺陣を披露していた。今回は蛙のパペットを操りつつ蛙飛びで移動するなど、身体能力はさりげなく発揮。前面に出るのは、コミカルでありながらも砂金に目がくらんでカオナシに飲み込まれてしまう、がめついキャラクターだ。飲み込まれた後のカオナシとしての声の芝居も、巧みにこなしている。カオナシ=中川賢こうしたキャストの好演と、印象的なセリフなど映画のエッセンスを網羅しつつ舞台上での展開として非常にスムーズにアレンジした脚本、そして回り舞台が存在感を放つ舞台美術や、照明、音楽、小道具・大道具。さらにアンサンブルキャスト(「湯屋組」「油屋組」の2班体制)の芝居と舞台転換が巧みに一体化したステージングが加わり、『千と千尋の神隠し』の世界観が見事に “ライブ”として現出している。特に映画でも印象的な千尋とカオナシが電車に乗る場面は、照明の演出効果も相まってこの上なく美しい。千尋=上白石萌音千尋=橋本環奈油屋での日々を通して、千尋は大きな成長をとげる。福地千尋も、増子ハクも、飛躍的な成長をとげるだろう。川栄千尋も鮮やかなデビューを飾り、先輩千尋の上白石・橋本、先輩ハクの醍醐・三浦も深化し続けるだろう。彼らのその姿を観るために、油屋を訪れる客になったような心持ちで何度も劇場を訪れたくなる。とてもとても、幸せな舞台だ。帝国劇場での公演は3月30日(土)まで。その後、全国公演、ロンドン公演あり。取材・文:金井まゆみ<公演情報>舞台『千と千尋の神隠し』原作:宮﨑駿演出・翻案:ジョン・ケアード共同翻案:今井麻緒子出演:千尋:橋本環奈 / 上白石萌音 / 川栄李奈/ 福地桃子ハク:醍醐虎汰朗 / 三浦宏規(帝劇公演を除く)/ 増子敦貴(GENIC)カオナシ:森山開次 / 小㞍健太 / 山野光 / 中川賢リン/千尋の母:妃海風 / 華優希 / 実咲凜音釜爺:田口トモロヲ / 橋本さとし(帝劇公演を除く)/ 宮崎吐夢湯婆婆/銭婆:夏木マリ / 朴璐美 / 羽野晶紀 / 春風ひとみ兄役/千尋の父:大澄賢也 / 堀部圭亮父役:吉村直 / 伊藤俊彦青蛙:おばたのお兄さん / 元木聖也頭:五十嵐結也 / 奥山ばらば坊:武者真由 / 坂口杏奈東京公演:2024年3月11日(月)~3月30日(土) 帝国劇場ロンドン公演:2024年4月30日(火)~8月24日(土) ロンドン・コロシアム名古屋公演:2024年4月7日(日)~4月20日(土) 愛知・御園座福岡公演:2024年4月27日(土)~5月19日(日) 博多座大阪公演:2024年5月27日(月)~6月6日(木) 梅田芸術劇場メインホール北海道公演:2024年6月15日(土)~6月20日(木) 札幌文化芸術劇場 hitaruチケット情報:()日本公演公式サイト:海外公演公式サイト:
2024年03月13日舞台『千と千尋の神隠し』の製作会見が2月29日に都内で行われ、千尋役の橋本環奈、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子が登場した。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋(橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子)が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、2022年に世界初上演された。○■上白石萌音、『千と千尋の神隠し』千尋は「ずっと心の中に」自身にとっての同作の存在について聞かれると、上白石は「本当に大切な作品ですし、他のことをしていてもずっと千尋が心の中にいるなという感覚があります」と説明。「街にいるときに10歳くらいの子を見かけると目で追ってしまうんです。10歳の子ってどうやって立つのかな、走るのかな? どうやって喋るんだっけ? とか、いまだに千尋のために子供を研究している自分がいて、千尋の稽古をしてなくてもそうなので、ずっと千尋を心の中に飼ってるんだなというのは感じますね。友達のような子供のような愛しい存在です」と語った。新キャストの川栄は、オーディションに受かった感想について「『やったー!』というより、萌音ちゃんの千尋を(劇場で)観て『うわ、これ運動量すごいな』『こんなに走るんだ』と大変そうだったのを間近で見ていた」と苦笑する。NHK 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では上白石とリレー形式でヒロインを務め「朝ドラで萌音ちゃんと同じだった時に、萌音ちゃんが稽古に入ってて途中からお会いしたら、げっそり痩せてて、『大丈夫!?』と。それほど大変なんだなと近くで感じていました」と明かした。東京公演は帝国劇場にて3月11日〜30日、 ロンドン公演はロンドン・コロシアムにて年4月 30日〜8月24日、名古屋公演は御園座にて4月7日〜20日、福岡公演は博多座にて年4月27日〜5月 19日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月27日〜6月6日、北海道公演は札幌文化芸術劇場 hitaruにて6月15日〜20日。
2024年03月01日舞台『千と千尋の神隠し』の製作会見が2月29日に都内で行われ、千尋役:橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子、ハク役:醍醐虎汰朗/三浦宏規/増子敦貴(GENIC)、カオナシ役:小尻健太(※尻の中は丸)/中川賢/山野光 ※森山開次は欠席、リン/千尋の母役:妃海風/華優希/実咲凜音、釜爺役:田口トモロヲ/宮崎吐夢 ※橋本さとしは欠席、湯婆婆/銭婆役:夏木マリ/羽野晶紀/春風ひとみ ※朴ロ美は欠席、ジョン・ケアード(翻案・演出)、今井麻緒子(共同翻案)、松岡宏泰(東宝 代表取締役社長)、イアン・ギリー(PWプロダクションズ 最高経営責任者)が登場した。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、2022年に世界初上演された。○■舞台『千と千尋の神隠し』製作会見に22名登場これまで千尋を演じていた橋本、上白石に加え、新キャストとして川栄、福地が仲間入り。会見では、難しい質問に対して千尋役の4人がじゃんけんで順番を決め合うような一幕も。稽古場ではスケジュールの都合で4人が揃うことがなかったというが、上白石は「同じだけ走って転んでやってるので、同志ですね。私は早くりっちゃん(川栄)と、桃ちゃん、そして(スウィングキャストの森)莉那ちゃんの千尋を世にお披露目したくてたまらないです。私たちも稽古場で観ながらボロボロ泣いてて」と新キャストに太鼓判を押す。橋本も「客観的に観るからこそ千尋も素敵だし、作品のすごさもわかるし、すごく感動するんです」と同意し、上白石は「新しい刺激をたくさんいただいて、『私も変わらねば』と思ってやっているところです」と心境を明かした。会見では、キャスト陣に対し自身の演じる役について「〇〇の(キャラ名)」というキャッチフレーズをつけるという無茶振りもなされ「キレキレのハク」(醍醐)、「幻のハク」(三浦)、「消えそうなハク」(増子)、「アンニュイなカオナシ」(小尻)、「キュートなカオナシ」(中川)、「真面目なカオナシ」(山野)とそれぞれに表す。リン役については、妃海が「たまたまなのか、宝塚娘役出身3人がリン。宝塚は清く高く美しくということで、清いリン」と宣言し、華が「正しいリンです」、実咲が「美しいリンです」と連携プレイで拍手をさらう。初演から出演する田口は、新キャストの宮崎が冒頭で「私は帝国劇場も初めて、ロンドン公演も初めて、W(トリプル)キャストも初めて、東宝さんの制作する舞台に出演させていただくのも初めて。初めて尽くしなので、初々しいもぎたての釜爺をお届けできたら」と言っていたことを受け、「古々しい、落ちてしまったオールドな釜爺」を自称する。一方宮崎は「不安な釜爺」と表していた。さらに羽野は「たくさんの段取りをいただきまして、ふわふわしていて、本番で何が出るかわかんないので『何が出るかわからない湯婆婆』」、春風は「私も宝塚出身ですので、『清く正しく美しく、迷いある湯婆婆』。まだ迷宮の中を歩いている感じの湯婆婆」と語った。○■千尋役4人のキャッチフレーズは?この質問は千尋役の4人と夏木には振られなかったものの、会見終了後の囲み取材にて千尋役も答えることに。橋本について、上白石は「直感型。『直感を大事に進む千尋』って感じ。初演からすごく感じてます」と表現する。橋本は上白石の印象を「よく聞いてる。周りの人の動向とか、油屋に行った時に周りの全体を感じ取ってその場にいるんだろうなと感じる」と説明し、上白石は「『聞きの千尋』だ」とまとめた。川栄は「最初の方は桃ちゃんと2人の稽古があったんですけど、本当に対照的で。私が“せっかち”だとしたら桃ちゃんが“のんびり屋さん”。一つの動作が全然違っていて。例えば扉を閉めて走る動きも、桃ちゃんは扉を閉めてコテコテ走って『のんびりしてますよ』と言われたりするけど、私はサッと閉めてサッと行っちゃうので『SPみたいになってますよ』と言われる」と苦笑する。橋本は「そこが川栄ちゃんの良さ。淡白な感じが。アニメでも千尋って何考えるかわからないサラッとした感じがあるじゃないですか、それがめちゃくちゃお芝居に表れてるなと思います」、上白石は「誰よりも幼い。脳がバグります」とそれぞれに川栄の印象を述べた。「のんびり屋さんな千尋」と言われた福地だが、上白石は「桃ちゃんはめっちゃ走るの速いんですよ。すごい走るところがあるんですけど、桃ちゃんだけ最初間に合ってて。おっとりしてるのに足速い人が好きなので、けっこうぶっ刺さってます」とハマっている様子。福地が「タイムを測られるんです」と明かすと、橋本は「(初演で)スピードが遅いとか、全然走ってなかったとか言われて。萌音ちゃんがなりふりかまわず走ってたみたいで。私は裏で他のキャストとイエーイ! とかやりながらだったので」と裏話を語った。
2024年03月01日舞台『千と千尋の神隠し』の製作会見が2月29日に都内で行われ、湯婆婆/銭婆役の夏木マリが登場した。同作は宮崎駿監督の名作『千と千尋の神隠し』の舞台化作。少女・千尋(橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子)が引っ越し先に向かう途中で八百万の神々の世界へ迷い込み、様々な出会いを経て、人間の世界に戻るため生きる力を呼び醒ましながら奮闘する。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛け、2022年に世界初上演された。○■『千と千尋の神隠し』映画と舞台で湯婆婆/銭婆を演じた夏木マリ原作映画でも同役の声優を務めている夏木は「20数年も1つの役をやらせていただけるのは幸せだなと思ってるし、頑張らなければいけないなと思っているところなんですけど、後輩の俳優たちから『そろそろ譲ってください』ということも言われて。でも私的には湯婆婆も銭婆も愛おしいので、もうちょっとやらせていただけたらなと思います」と希望。舞台で同じ役をやることについては「初演の時に、私だけが映画に参加している人間で、あとは新しいカンパニーでこうなったわけですけども、声だけでやってる時は、過去の作品としてもそれで終わってるわけですよね。だけど20年後にこの体を使って同じ台詞を言ってみると、全然違う表現になるんです」と明かす。一方で「観ていただく方は、ジブリの映画も観て、ファンの方もいらっしゃってくださるだろうし。でも湯婆婆、銭婆が演劇として成立しないといけない。1度声優の声は忘れて新たに作っていったので言葉を誤解を恐れずに言えば二重苦でした。やったことが足かせになってるというか、『前はこう言っちゃったんだけど、本当に動いてみるとそうじゃない』というのがたくさんあって」と苦労も。「でも、(演出の)ジョン(・ケアード)が初演の時に稽古場で『皆さん決して(原作の)モノマネはしないでください』とおっしゃったんで、それでストンと落ちたような気がして。自分の手足を使った湯婆婆、銭婆にしていくのに、他の演劇よりも2倍3倍も時間がかかりました」と語った。東京公演は帝国劇場にて3月11日〜30日、 ロンドン公演はロンドン・コロシアムにて年4月 30日〜8月24日、名古屋公演は御園座にて4月7日〜20日、福岡公演は博多座にて年4月27日〜5月 19日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月27日〜6月6日、北海道公演は札幌文化芸術劇場 hitaruにて6月15日〜20日。
2024年03月01日舞台「千と千尋の神隠し」の製作発表会見が2月29日、都内で行われ、初演から千尋役を務める橋本環奈と上白石萌音、オーディションで新たに千尋役に選ばれた川栄李奈、福地桃子が出席。“4人の千尋”が勢ぞろいした。宮崎駿の大ヒット映画を英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアード翻案・演出により世界で初めて舞台化し大評判となった「千と千尋の神隠し」。演出:ジョン・ケアード映画の世界から飛び出したようなキャラクターたちと、熱い息遣いまでが感じられるライブならではの醍醐味が相まった舞台は、大衆演劇の優れた業績を表彰する第47回菊田一夫演劇賞で上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞を受賞する快挙を成し遂げるなど、高い評価を得た。橋本環奈全国ツアーに、ロンドン公演が加わり、前人未踏の日本/イギリス二か国同時上演が実現する2024年の舞台「千と千尋の神隠し」。橋本さんは「私にとって、かけがえのない作品。これだけ充実した時間を過ごせるのは、役者人生で、本当に幸せなこと」と並々ならぬ思い。今年25歳を迎えて「10歳の千尋が遠ざかったりせず、逆により千尋の気持ちが理解でき、寄り添えるようになって、本当に自分も驚いている」と大切な役どころへの愛着も増している様子だ。ロンドン公演に対しては、「何より幸せ。まだ実感はないですが、楽しみで光栄です」と声を弾ませた。上白石萌音同じく千尋役を続投する上白石さんも「千尋はずっと心の中にいる。友だちのような、子どものような存在」と千尋に対し愛情を注ぐ。全国ツアーとロンドン公演の実施には、「スケールの大きさに、ちょっとフワフワしています」とも語ったが、「毎回、素朴ですばらしいストーリーを伝えることに徹し、新鮮な気持ちで大切に、柔らかく誠実に、千尋を生きたい」と役を演じきる思いに曇りはない。川栄李奈一方、新たに千尋役に挑む川栄さんは、まっすぐな眼差しで「私たち新しいキャストを温かく優しく迎えてくださるカンパニーの皆さんに感謝しながら、一生懸命、千尋を務めたい」と決意表明。“先輩”である橋本さん、上白石さんについて聞かれると「萌音ちゃんは、稽古場に来て、自分が分からないことを実際にやってくれる。背中で見せてくれる」「環奈ちゃんは、とにかく明るく『大丈夫、できるっしょ』って(笑)」と対照的なサポート方法を明かし、「二人に支えられながら、新しい千尋を作れれば」と意気込んだ。福地桃子「まだ、自分が『千と千尋の神隠し』に参加しているのは不思議でたまらない」と本音を語るのは福地さん。青蛙や竜など、劇中に登場する生物に興味がある様子で「大きな生き物、小さな生き物たちのパペットに、人が命を吹き込んでいる。その様子に見えなかったものが見えてくる感動を覚えましたし、自分も千尋としてそうありたい」と瞳を輝かせていた。会見には、演出のジョン・ケアードをはじめ、ハク役の醍醐虎汰朗、三浦宏規、増子敦貴、湯婆婆・銭婆を演じる夏木マリ、羽野晶紀、春風ひとみら、総勢21名が出席した。<公演情報>舞台「千と千尋の神隠し」原作:宮崎駿演出・翻案:ジョン・ケアード共同翻案:今井麻緒子出演:千尋:橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子ハク:醍醐虎汰朗/三浦宏規(帝劇公演を除く)/増子敦貴(GENIC)カオナシ:森山開次/小尻健太/山野光/中川賢リン/千尋の母:妃海風/華優希/実咲凜音釜爺:田口トモロヲ/橋本さとし(帝劇公演を除く)/宮崎吐夢湯婆婆/銭婆:夏木マリ/朴璐美/羽野晶紀/春風ひとみ兄役/千尋の父:大澄賢也/堀部圭亮父役:吉村直/伊藤俊彦青蛙:おばたのお兄さん/元木聖也頭:五十嵐結也/奥山ばらば坊:武者真由/坂口杏奈【公演情報】東京公演:2024年3月11日(月)~3月30日(土) 帝国劇場ロンドン公演:2024年4月30日(火)~8月24日(土) ロンドン・コロシアム名古屋公演:2024年4月7日(日)~20日(土) 愛知・御園座福岡公演:2024年4月27日(土)~5月19日(日) 博多座大阪公演:2024年5月27日(月)~6月6日(木) 梅田芸術劇場メインホール北海道公演:2024年6月15日(土)~20日(木) 札幌文化芸術劇場 hitaru(シネマカフェ編集部)
2024年03月01日2024年3月から帝国劇場、御園座、博多座、ロンドン・コロシアム、梅田芸術劇場メインホール、札幌文化芸術劇場 hitaruで上演される舞台『千と千尋の神隠し』の製作発表会見が2月29日、都内で行われ、初演から千尋役を務める橋本環奈と上白石萌音、オーディションを経て、新たに千尋役に選ばれた川栄李奈、福地桃子が出席。“4人の千尋”が一堂に会し、全国ツアーとロンドン公演への意気込みを語った。また、会見には演出のジョン・ケアードをはじめ、関係者や共演者、総勢21名が出席し、帝劇から世界へ飛躍する本公演のスケールの大きさを感じさせた。原作は2001年に公開された宮﨑駿監督によるアニメーション映画。舞台版は少女・千尋が引っ越し先に向かう途中、トンネルから八百万の神々の世界へ迷い込むところから始まり、人間の世界に戻るために様々な出会いを経て、生きる力を呼び醒ましながら奮闘していく――。千尋役(左から、川栄李奈、橋本環奈、上白石萌音、福地桃子)橋本は「私にとって、かけがえのない作品。役者人生で、これだけ充実した時間を過ごせるのは、本当に幸せなこと」と強い思い入れ。「今年25歳になったんですが、年齢を重ねることで、10歳の千尋がどう変化するのだろうと思った。それが、遠ざかったりせず、逆により千尋の気持ちが理解でき、寄り添えるようになって、本当に自分も驚いている」と千尋役に対する思いの変化も語った。ロンドン公演については「何より幸せ。まだ実感はないですが、楽しみで光栄」と期待を寄せていた。同じく千尋役を続投する上白石も「私にとっても大切な作品ですし、千尋はずっと心の中にいる。友だちのような、子どものような存在」と役柄への思いは格別。前人未踏の日本/イギリス同時上演に「スケールの大きさに、ちょっとフワフワしていますが、毎回、素朴ですばらしいストーリーを伝えることに徹し、新鮮な気持ちで柔らかく誠実に、そして大切に千尋を生きたい」と真摯に語った。一方、新たに千尋役に命を吹き込む川栄は、「私たち新しいキャストを温かく優しく迎えてくださるカンパニーの皆さんに感謝しながら、一生懸命、千尋を勤めたい」とまっすぐな眼差し。“先輩”である橋本、上白石については「萌音ちゃんは、自分が分からないことを実際にやってくれて、背中で見せてくれる」「環奈ちゃんは、とにかく明るく『大丈夫、できるっしょ』って(笑)」とそれぞれ評し、「本当に助けられている。お二人に支えられながら、新しい千尋を作れれば」と意気込んだ。福地は「まだ、自分が『千と千尋の神隠し』に参加しているのは不思議でたまらない」と本音を語り、「青蛙や竜、サイズの違う生き物たちのパペットに、人が命を吹き込んでいる。見えなかったものが見えてくる感動を覚えましたし、自分も千尋としてそうありたい」と独自の感性で、決意を示した。演出を務めるジョン・ケアード演出のケアードは「一番大切にしているのは、いかにストーリーを明確に伝えるかということ」と語り、「宮﨑さんの作品は、良い人悪い人という区別がなく、誰もが良い点悪い点を持っている。ヒロインでさえそうなのです。宮﨑さんの世界は、複雑でカオスに満ちていますが、それは人間世界の反映。観客にもそれが一番重要なんだと伝えたい。釜爺の言葉を借りれば『愛だ、愛』。そこに尽きます」と話していた。取材・文・撮影:内田涼<公演情報>舞台『千と千尋の神隠し』原作:宮﨑駿演出・翻案:ジョン・ケアード共同翻案:今井麻緒子出演:千尋:橋本環奈 / 上白石萌音 / 川栄李奈/ 福地桃子ハク:醍醐虎汰朗 / 三浦宏規(帝劇公演を除く)/ 増子敦貴(GENIC)カオナシ:森山開次 / 小㞍健太 / 山野光 / 中川賢リン/千尋の母:妃海風 / 華優希 / 実咲凜音釜爺:田口トモロヲ / 橋本さとし(帝劇公演を除く)/ 宮崎吐夢湯婆婆/銭婆:夏木マリ / 朴璐美 / 羽野晶紀 / 春風ひとみ兄役/千尋の父:大澄賢也 / 堀部圭亮父役:吉村直 / 伊藤俊彦青蛙:おばたのお兄さん / 元木聖也頭:五十嵐結也 / 奥山ばらば坊:武者真由 / 坂口杏奈東京公演:2024年3月11日(月)~3月30日(土) 帝国劇場ロンドン公演:2024年4月30日(火)~8月24日(土) ロンドン・コロシアム名古屋公演:2024年4月7日(日)~4月20日(土) 愛知・御園座福岡公演:2024年4月27日(土)~5月19日(日) 博多座大阪公演:2024年5月27日(月)~6月6日(木) 梅田芸術劇場メインホール北海道公演:2024年6月15日(土)~6月20日(木) 札幌文化芸術劇場 hitaruチケット情報:()日本公演公式サイト:海外公演公式サイト:
2024年03月01日舞台「千と千尋の神隠し」で新たに千尋役を演じる、川栄李奈と福地桃子のメインビジュアルが公開された。宮崎駿の大ヒット映画を英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアード翻案・演出により世界で初めて舞台化し大評判となった「千と千尋の神隠し」。映画の世界から飛び出したようなキャラクターたちと、熱い息遣いまでが感じられるライブならではの醍醐味が相まった舞台は、大衆演劇の優れた業績を表彰する第47回菊田一夫演劇賞で上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞を受賞する快挙を成し遂げるなど、高い評価を得た。川栄李奈この舞台で、初演から主人公の千尋役を演じ続ける橋本環奈と上白石萌音に、新たにオーディションで同役を射止めた川栄李奈と福地桃子を加えた4人の千尋によって、2024年3月の帝国劇場公演を皮切りとして日本での全国ツアー、更には英国・ロンドンで初の海外公演として上演される。この度公開されたのは、2023年3月開幕の帝国劇場公演から千尋役(交互出演)を演じる、川栄李奈と福地桃子のメインビジュアル。八百万の神々の世界に迷い込んだ千尋の川栄さんの姿と、油屋あぶらやで月夜を背景に佇む千尋の福地さんを、それぞれ捉えている。ビジュアルを見た川栄さんと福地さんからコメントも到着している。福地桃子◆川栄李奈 コメント千と千尋の世界にいる自分を見て、感激していると同時に、いよいよ始まるんだ、と身が引き締まる思いです。観てくださる方の心を動かせるような千尋を精一杯演じたいと思います!◆福地桃子 コメント不思議な町での千尋を導いてくれているようだなと感じました。皆様にお会いできる日を楽しみにしています。舞台「千と千尋の神隠し」は3月11日(月)より東京・帝国劇場ほかにて、4月30日(火)~8月24日(土)ロンドン・コロシアムにて上演。(シネマカフェ編集部)
2024年02月20日舞台『千と千尋の神隠し』で新たに千尋役を務める川栄李奈、福地桃子のメインビジュアルが20日、公開された。○■舞台『千と千尋の神隠し』川栄李奈、福地桃子ビジュアル同作は、初演から主人公の千尋役を演じ続ける橋本環奈と上白石萌音に加え、新たにオーディションで同役を射止めた川栄と福地を加えた4人の千尋によって、2024年3月の帝国劇場公演を皮切りに、日本での全国ツアー、更には英国・ロンドンで初の海外公演として上演される。この度、2023年3月開幕の帝国劇場公演から千尋役(交互出演)を演じる川栄と福地のメインビジュアルが完成。川栄は八百万の神々の世界に迷い込んだ千尋を、福地は油屋で月夜を背景に佇む千尋をビジュアル内で演じている。東京公演は帝国劇場にて3月11日〜30日、 ロンドン公演はロンドン・コロシアムにて年4月 30日〜8月24日、名古屋公演は御園座にて4月7日〜20日、福岡公演は博多座にて年4月27日〜5月 19日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて5月27日〜6月6日、北海道公演は札幌文化芸術劇場 hitaruにて6月15日〜20日。○■川栄李奈 コメント千と千尋の世界にいる自分を見て、感激していると同時に、いよいよ始まるんだ、と身が引き 締まる思いです。 観てくださる方の心を動かせるような千尋を精一杯演じたいと思います!○■福地桃子 コメント不思議な町での千尋を導いてくれているようだなと感じました。 皆様にお会いできる日を楽しみにしています。
2024年02月20日舞台『千と千尋の神隠し』が、2024年3月11日(月) から30日(土) に東京・帝国劇場で上演される。このたび、千尋役を務める川栄李奈と福地桃子のメインビジュアルが公開された。2022年に英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイトディレクター、ジョン・ケアード翻案・演出により世界で初めて舞台化された本作。2024年版の千尋役はオーディションを経て新たに選ばれた川栄と福地に加え、初演から引き続き橋本環奈、上白石萌音が演じる。公開されたビジュアルで川栄は八百万の神々の世界に迷い込んだ千尋を、福地は油屋で月夜を背景に佇む千尋を演じている。また川栄は「千と千尋の世界にいる自分を見て、感激していると同時に、いよいよ始まるんだ、と身が引き締まる思いです。観てくださる方の心を動かせるような千尋を精一杯演じたいと思います!」、福地は「不思議な町での千尋を導いてくれているようだなと感じました。皆様にお会いできる日を楽しみにしています」とそれぞれ意気込みを寄せた。舞台『千と千尋の神隠し』は東京公演を上演後、4月から8月にかけてロンドン・名古屋・福岡・大阪・北海道公演が予定されている。<公演情報>舞台『千と千尋の神隠し』原作:宮﨑駿演出・翻案:ジョン・ケアード共同翻案:今井麻緒子出演:千尋:橋本環奈 / 上白石萌音 / 川栄李奈/ 福地桃子ハク:醍醐虎汰朗 / 三浦宏規(帝劇公演を除く)/ 増子敦貴(GENIC)カオナシ:森山開次 / 小㞍健太 / 山野光 / 中川賢リン/千尋の母:妃海風 / 華優希 / 実咲凜音釜爺:田口トモロヲ / 橋本さとし(帝劇公演を除く)/ 宮崎吐夢湯婆婆/銭婆:夏木マリ / 朴璐美 / 羽野晶紀 / 春風ひとみ兄役/千尋の父:大澄賢也 / 堀部圭亮父役:吉村直 / 伊藤俊彦青蛙:おばたのお兄さん / 元木聖也頭:五十嵐結也 / 奥山ばらば坊:武者真由 / 坂口杏奈【公演情報】東京公演:2024年3月11日(月)~3月30日(土) 帝国劇場ロンドン公演:2024年4月30日(火)~8月24日(土) ロンドン・コロシアム名古屋公演:2024年4月7日(日)~20日(土) 愛知・御園座福岡公演:2024年4月27日(土)~5月19日(日) 博多座大阪公演:2024年5月27日(月)~6月6日(木) 梅田芸術劇場メインホール北海道公演:2024年6月15日(土)~20日(木) 札幌文化芸術劇場 hitaruチケット情報:()日本公演公式サイト:海外公演公式サイト:
2024年02月20日ニューエラ(NEW ERA)と、映画『千と千尋の神隠し』とのコラボレーションキャップ&バッグが登場。2024年2月21日(水)より、ニューエラストアほかで発売される。ニューエラ×映画『千と千尋の神隠し』コラボアイテムニューエラと映画『千と千尋の神隠し』とのコラボレーションでは、カオナシをはじめ劇中に登場するキャラクターをあしらったキャップやバッグが勢揃い。カオナシ刺繍の「59FIFTY」たとえば、ニューエラのアイコニックなキャップ「59FIFTY」には、ニューエラフラッグロゴを放り上げるカオナシ刺繍をオン。頭まわり約1cm刻みのサイズ展開で、豊富なバリエーションからジャストフィットを選ぶことができる。劇中に登場するネオンサインを散りばめた「9FIFTY」「59FIFTY」にスナップバックを配したモデル「9FIFTY」は、キャップ全体に劇中に登場する印象的なネオンサインを散りばめたデザインに。正面にはカオナシの刺繍を施しており、異なる質感を楽しめるデザインに仕上げた。ススワタリ&金平糖配した「9FORTY A-Frame」など加えて、ニューエラフラッグロゴの周りに群がるススワタリと金平糖がキュートな「9FORTY A-Frame」、ハク竜を総刺繍で大きくあしらった、ニューエラの人気モデル「9THIRTY」などがラインナップする。“波しぶきにのまれるカオナシ”描いたハットまたバケットハットは、海原鉄道の波しぶきにのまれるカオナシを刺繍でぐるりと配したユニークなデザインがポイント。ワンポイントのネームは、鉄道の回数券になっており遊び心溢れるデザインとなっている。ススワタリ&金平糖がアクセントのデイパックもさらに、「9FORTY」と同様のデザインを採用した小型のデイパックも用意。丸みを帯びた独特のシルエットが特徴で、小物の収納に便利なジップポケットを全面に配しているほか、メインの収納部にはポケットとインナーフックを設けるなど機能性に優れているのが嬉しい。【詳細】ニューエラ×映画『千と千尋の神隠し』発売日:2024年2月21日(水)取扱店舗:ニューエラストア、ニューエラ公式オンラインストア、どんぐり共和国そらのうえ店、エンスカイショップ※ニューエラ公式オンラインストア、どんぐり共和国そらのうえ店、エンスカイショップでは2月21日(水)10:00~発売。アイテム例:・59FIFTY 6,600円・9FIFTY 6,050円・9FORTY A-Frame 4,400円・9THIRTY 4,620円・9TWENTY 4,620円・コラボバケット 5,500円・コラボデイパック 7,700円※掲載画像は開発・監修中のものが含まれる場合あり。実際の商品とは多少異なる場合あり。※諸般の事情により、発売日・仕様等が変更になる場合あり。
2024年02月17日取材・文/ameri撮影:大嶋千尋編集:杉田穂南/マイナビウーマン編集部2024年がどんな1年になっていくのか、気になりますよね。少しでも良いことが起こる1年にしたいと思っているはず。今回は、アダストリア公式Webストア「.st(ドットエスティ)」にて12星座別毎日占いを連載しながら、アパレルブランドとコラボレーションした開運アイテムを発売している占星術師MageCさんに、今年全体の流れと星座別ランキング、開運のポイントを教えてもらいました!MageCさんって?前回のインタビュー「アパレル店員から占いの道へ。占星術師MageCに聞いた“占い師としての生き方”」をチェック■実はまだ“風の時代”のプレタイム。判断力をつける準備を2024年は、“風の時代”の準備段階。「今は風の時代だ」と2〜3年前からよく言われていますが、実はまだプレタイムなんです。というのも、惑星が行ったり来たりしながら順番に風の時代になっていくため、惑星が逆に進むこともあり、まだ完全には風の時代とは言えません。2026年までに徐々に風の時代へと移行していきます。2024年に関しては、1月21日に、時代を創ると言われる冥王星が次の星座のみずがめ座に入りました。そして、5月26日に幸運の星である木星がふたご座に入ります。このみずがめ座とふたご座は「風の星座」と言われていて、これまでの常識が覆ったり、今までやってきたことが普通ではなくなったりということが起こりやすくなる時期になっていきます。なので、今まで大丈夫だったことが大丈夫ではなくなり、逆にやった方が良いことが出てくるようになります。風の時代は個の時代とも呼ばれていますよね。個人が尊重され、自由な時代になっていきます。この時代は、やった方が良いこととそうでないことの判断が自分の中でできないとどうしたらいいか分からなくなってしまうので注意が必要です。具体的には、すでに「あれをやらなければ」と心に浮かんでいる方は、今のうちに進めておくこと。もし思い当たらない場合は、2024年の上半期は、特に身近な人を大切にするようにしてください。自分をしっかり持つためにベースを整えるのが2024年です。身近な人を大事にしたり、部屋の掃除をしたり、自分と向き合う時間を作ったりすることが開運の鍵です。■変化を恐れすぎるのはNG。少しでも良いから違うことを取り入れてみて一方で、注意したいのは、変化を恐れすぎてしまったり現状キープを希望しすぎてしまったりすること。もちろんキープは難しいことなので大切ですが、維持しながら一つでも良いから変化を取り入れるのがポイント。例えば、香水を変えてみるとか、いつも履いている靴や飲み水の銘柄を変えるとか、そういったことをしてみるのがおすすめです。2024年上半期は時代を創ると言われている天体が動くので、準備期間だと思って自分のベースを作ることに注力しましょう。ただし、下半期も穏やかかというとそうではなさそう。下半期も天体が星座を行ったり来たりする期間があるので「今までやってきたことがまた違っていたかも……?」と迷ってしまうかもしれません。2026年まではまだまだ忙しく変化が起こると思います。■2024年の運勢は?星座別ランキングここからは、2024年の運勢ランキングと、星座別に開運のヒントをお伝えしていきます!◇1位おうし座おうし座の方は、12年に1度の幸運期。追い風が吹いているので、人脈を広げたり新しいことに挑戦したりするのに適した時期です。特に前半、5月末まではじっとせずに積極的に行動するとより運気が上がります。◇2位ふたご座ふたご座はおうし座とは反対に、下半期の運勢が抜群です。現状に対して停滞していると感じている方が多いかもしれませんが、後半になると流れが変わるので、しっかりと切り替えてグイグイと挑戦していくのがおすすめです。◇3位やぎ座周りから注目され、恋愛運も上がり、人気者で楽しい1年になるでしょう。ただ、欲張りがちになる時期でもあるので、欲張らないように意識することが重要です。◇4位うお座周りからの評価が良い時期のため、やってきたことが身になることが多いと思います。逆に何も評価されなかった場合は、自分の行動を見直すべきという合図です。周囲の評価に満足できないのであれば、違う行動を取ってみることをおすすめします。◇5位おひつじ座物事が軌道に乗りやすい1年です。特に2023年上半期でやってきたことが具体的に進んでいきそうです。◇6位さそり座さそり座の方は、周りの人たちが助けてくれるなど、人のご縁に恵まれます。元々がすごく優しい性質なので大丈夫だとは思いますが、調子に乗って人への感謝を忘れると一気に運気が下がるので、注意しましょう。◇7位おとめ座憧れていることに近づきそうな1年。今までは無理かもと感じていたこともかないやすく、視野が広がっていくでしょう。ただ、人間関係で悩んでしまうことがありそうなので、人との距離感などを勉強する時期になると思います。◇8位いて座忙しい1年になります。仕事運が良い時期なので、楽しくやりがいを感じながら過ごせそうです。ただし、働きすぎてプライベートがおざなりになってしまうので、オンとオフの切り替えを意識することが大切です。◇9位かに座何か邪魔が入ったり、今までやってきたことに横から入られたりと、予想外の出来事が起こりやすいでしょう。ただし、自分のために何かをしてしまうとネガティブな出来事が起こりやすいので、誰かのためにと思って行うことで成功に近づきやすくなります。◇10位しし座大きな決断を迫られる年になるので、悩むことが多くなりそうです。しし座の方は基本的に勢いで進められるタイプが多いのですが、怖くなったり自信が無くなったりすることがある1年なので、そういった時には「どちらがワクワクするか」を考えて選択するのがおすすめです。◇11位てんびん座ひとりの人に執着しやすく、尽くしすぎてしまう時期です。都合の良い人になりがちなので、仕事や趣味など、他にも没頭できることを探してみましょう。◇12位みずがめ座周りの状況、環境に振り回されやすい1年です。一番星の影響を受けやすい時期なので、驚くような出来事やアクシデントが起こってしまう予感。良い意味でいうとターニングポイントになるので、目の前のことに一喜一憂せず、自分をしっかりと持ち、最終的なゴールを見据えて大きい目で見ると良いと思います。■開運のポイントは「質にこだわること」2024年の運気を上げるポイントは、特に上半期においては「質にこだわること」。良いものを食べたり美術館へ行ったり食材にこだわったりなど、五感を磨くことを意識しましょう。◇ラッキーカラー「ゴールド」また、ラッキーカラーはゴールドです。アクセサリーなどもゴールドを選ぶと運気アップに繋がります。◇ラッキーアイテム「シルクのパジャマ」ラッキーアイテムは、シルクのパジャマやカシミヤのマフラー。こちらも質の良いものとつながっています。◇ラッキーフード「紅茶」生活のなかにゆったりとした豊かな時間を取り入れるのもおすすめ。「紅茶」などを飲んでリラックスする時間を取り入れてみてください。マカロンなどを用意して、ゴージャスな雰囲気で楽しむことでより開運につながります。
2024年02月16日取材・文:ミクニシオリ撮影:大嶋千尋編集:松岡紘子/マイナビウーマン編集部あなたは、自分のキャリアにどんな道を描いていますか?あまり先のことばかり考えても、上手くいかないのかもしれません。急にプライベートでライフステージが変わることもあるかもしれないし、その時に昇進が重なるかもしれない。「自分のキャリアには自分で責任を持つ。それが、アメリカン・エキスプレスのキャリアに対する考え方です。責任というと重たく聞こえるかもしれませんが、上司や会社と一丸になって、それぞれが自分のキャリアを考え抜く必要があるということです」そう語ってくれたのは、新卒でアメリカン・エキスプレスに入社し、コールセンターからキャリアをスタートさせた井出愛さん。彼女は会社の様々な制度を利用し、3年目で部署異動を決意。現在は社内の女性活躍推進組織の活動も参加し、日々の仕事に邁進しています。「でも、昔の自分は消極的でした」とも話してくれた井出さん。アメリカン・エキスプレスの文化に触れ、いい意味で「変われた」という彼女が選んだのは「仕事で関わる人々に喜ばれたい」という、キャリアの軸でした。■自身の希望で、3年目で部署を異動本日はどうぞ、よろしくお願いいたします!井出さんは新卒でアメリカン・エキスプレスに入社されて、とのことですね。そうなんです。もともと東京育ちで、昔アメリカン・エキスプレスのビルがあった地域に住んでいたので、私にとってはすごく身近な会社だったんです。地元でも有名でしたし、幼い頃から世界的な企業だということは知っていたので「あそこで働けたらかっこいいな」と思っていました。なんと。小さい頃から憧れの会社だったのですね!大学生の頃には雑誌の編集部でアルバイトもしていましたし、就職活動の時には興味のあったエンタメ・出版関係の会社も検討していたのですが……憧れの気持ちを忘れられないままに受けて、採用してもらいました(笑)!アメリカン・エキスプレスでは、どんなキャリアを築いてらっしゃるんですか?最初はコールセンターへ配属になり、アメックスカードの会員様に対して電話対応する業務に就きました。その後、部署異動して、現在は加盟店様に対してプロモーションを行う事業部に所属しています。コールセンターの業務には、どんな思い出がありますか?コールセンターと聞くと大変そうなイメージがある方も多いかもしれませんが、私はとても楽しく働いていました。アメリカン・エキスプレスのコールセンターは業界でも珍しく、全員が正社員で構成されていることもあり、電話越しながらも深いお付き合いをさせていただくことが多いんです。たとえばお客様からのお電話で、カードの利用枠についてご相談いただいた際も、枠をお伝えするだけではなく、その理由までお伺いするように心がけていました。もしもお客様が、海外旅行のためとおっしゃったら、海外保険のご説明の資料をお送りしたりもしていました。クレジットカードの案内を超えた接客をされるんですね。マニュアルに沿って決められた内容をご案内するのではなく、お客様の背景や環境を察しながら適切なご案内をするよう努めていたので、会話の柔軟性やアイデア力が身につきました。周辺の音や声の大きさまで聞き取って、どんなタイミングでお電話をかけてくださっているかまで読み取り、お客様にとって一番適切な対応ができるよう、心がけていました。想像するコールセンター業務より、かなり高度なことをされていたんですね。やりがいを感じられていた中ご異動されたのは、社内辞令だったんですか?実は、アメリカン・エキスプレスには社内辞令というものが存在しないんです。異動したい場合は、グローバルで展開されている社内向けのジョブポスティングのサイトを見て、応募したい部署のポジションが空いているかを確認します。そこで採用基準などを確認し、適性に合っていれば自発的に応募し、書類選考と数回の面談に合格すれば、部署を移ることができるんです。日系企業ではあまり聞かない制度ですね。アメリカン・エキスプレスには“Own My Career(オウン・マイ・キャリア)”という考えがあり、自分がキャリアの中で何を成し遂げたいか、どうなりたいかを考え、会社や上司はそれを支援することが、文化として根付いています。上司との1on1面談も多く、日頃から自分のキャリアについて考える癖がついています。異動したのは3年目ですが、社歴が浅いからといって異動できないということもありません。ただ、ポジションによって必要なスキルが違うので、足りないものがある時は、どうしたらそのスキルを養えるかも、上司と一緒に確認していくんです。■仕事の正解も、自身で選び抜くでは、井出さんも今後のキャリアを考えた上で、ご自身の希望で異動されたんですね。若いうちからすごいですね!とはいえ、私自身は10年先のキャリアを見据えて異動したというわけではないんです。きっかけは、コールセンターの業務の中で「アメックスって、高級店でしか使えないんでしょう」という問い合わせが多かったことです。実際にはそんなことはないのですが、世間に認知をされていないことを知りました。そこで、生活者への認知拡大に関わる業務に携わる、加盟店事業部へ異動しました。現在は、どのような業務を行っているのですか?アメリカン・エキスプレスは個人・法人のお客様にカードを発行するだけでなく、クレジットカードを扱う加盟店様も同時開拓しており、今は加盟店様に対するプロモーションを企画・実施するチームにおります。コールセンターにいた時は、いただいたお電話に対して応対をする日々でしたが、現在の部署では数字を追いかけながら、自分から進んで営業をかけていくような動きもするので、最初の部署とは真逆とも言える仕事をしています。キャリアに沿っての異動というよりも、前の業務の中で浮き彫りになった課題に貢献するために異動されたと思うのですが……実際、今までにないスキルを求められるのは大変ではないですか?そうですね、大変な部分もあったとは思います。もともと目立つのが好きな方ではなく、学生時代は交友関係も受け身でしたから「自分から動く」という当たり前のことが、元の自分にとっては簡単なことではありませんでした。ただ、学生時代からメモを取るのが癖でして。上司との会話の中で印象に残った言葉や、先輩社員がやっていて参考になると思った行動など、気に留めたことは全て、自分の言葉でメモするようにしているんです。そうすることで、自分になかった考え方を落とし込めるので、仕事が上手くいかない時はメモ帳を見直しています。とてもいい習慣ですね!……けれど、すごい人のすごいところを真似しようとするのって、ストレスになる時もないですか?これは会社に入ってから身についた考え方ですが、すごい先輩や上司がやっていたことだからといって、全てが正解だとは思いません。アメリカン・エキスプレスではフィードバックの文化も根付いていて、社歴の浅い社員が、上司に対してフィードバックをすることもあります。経験が多いからと、その人の言うことを全部鵜呑みにするのではなく、一度自分の中で咀嚼して、自分なりに腹落ちした部分を真似するようにしています!社内交流会や社内イベントも多く、チームの上司以外とキャリアに関して意見を交わす機会も頻繁にあり、色々な考え方があって、それぞれが自分の想いを大切にしていいという文化が、社内風土として根付いているんです。そ、そんな会社があるなんて……!めちゃめちゃ働きやすそうじゃないですか。社内の風通しは本当にいいと思います。私自身、上司に対してフィードバックすることもありますが、皆さんフィードバックに対して「気づきを教えてくれてありがとう」と言ってくれるんです。誰か1人の意見だけが正解と思わないのは、尊敬する先輩たちから教えてもらった、意見に対する感謝の姿勢のおかげですね。■消極的だった私に訪れた、ポジティブな変化。すべては、社内風土のおかげチーム以外の社員と会話する機会が多いと、自分の視野も広がりそうでいいですね。井出さんも、積極的に社内イベントに参加されているんですか?私は「WIN」という社内プログラムの運営を、有志でやらせてもらっています。WINはWomen’s Interest Networkの略で、女性の働き方推進を目的としているプログラムで、社内メンター制度のマッチングを行ったり、定期的にキャリアや性にまつわるセミナーなどを実施したりしています。最近では更年期や生理など女性の身体に関わるヘルスケア情報を、講師の方に教えていただくセミナーも実施しました。でも、通常の業務と兼任されているということですよね。お忙しくはないですか?私はもともとボランティア活動的なものには全く興味がなくて、目立つのも苦手だったので、ここに来るまでは挙手制のイベントの運営をすることなんて、一度もなかったんですよ(笑)。でも会社に入って、少し変われたんです。WINは「楽しそうだな」と思って自分から参加して、実際に活動するのもすごく面白くて、こうして続けられています。色々な部署の人と関わってみると気づきも多いですし、新しい視点で物事を考えられるようになったので、やってよかったなと思っています。社会人サークルに参加しているような気持ちですね。会社に入って変わることができた、その理由はなんだと思いますか?会社の文化や、社員のための制度に慣れていることが大きな理由だと思います。会社に入る前とは人との交流の仕方も変わりましたし、自分の意見をはっきり言えるようになりましたね。最後に、これから思い描く自身のキャリアについて教えていただけますか?私は明確なキャリアの道筋に向かって行動しているわけではないのですが、最初の部署での経験も踏まえて、私はカード会員様や加盟店様など、アメックスに関わる皆さんに喜んでいただくことを軸に、今後もキャリアを進めていくのではないかと思っています。また、例えば子育てと仕事でやりたいことのタイミングが重なったらどうしようとか、今後のライフステージの変化を考えると悩みは尽きないですが、今はどうなっても対応できる力をつけるために、毎日すべてに全力で向き合い、そして何よりも毎日楽しく働いています。アメリカン・エキスプレスは産休・育休の取得率・復帰率が非常に高く、周りの先輩たちにお話を聞く機会も多いので、心の支えになっています。ロールモデルが近くにいらっしゃるのは、とても心強いですね。そしてアメリカン・エキスプレスさん、女性にとってもすごく働きやすい会社だと思いました!貴重なお話をありがとうございました。
2024年02月13日2024年1月5日に映画番組『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で、アニメ映画『千と千尋の神隠し』が放送されました。同年が辰年であることから、龍が登場する『千と千尋の神隠し』は、新年のスタートを切るのにふさわしい作品として選ばれた様子。八百万の神々の世界に迷い込んだ少女の成長物語に、多くの人が胸を震わせました。『千と千尋の神隠し』の裏話を公開放送中、同番組はX(Twitter)で作品の裏話を続々と投稿。「初めて知った」という声が上がった、2つの投稿をご紹介します!登場する神様の造形について主人公の千尋がエレベーターに乗った際、守るような行動を取った神様が印象に残った人は多いでしょう。二股の大根のような姿で、歩くと足音がキュピキュピと鳴っていました。この神様の名前は作中で明かされていませんが、同番組によるとおしらさまだとのこと。東北地方では同名の『おしら様』が信仰されており、説話集『遠野物語拾遺』では、カイコや農耕、子供などの神とされています。しかし、『おしら様』の御神体は大根に似た姿をしていません。神々のデザインを新規に考えた理由について、宮﨑駿監督は語っていました。このまっしろな神様は「おしらさま」といいます。東北地方では、古来「おしら様」という同じ名前の神様が信仰されてきました。そのご神体は桑の木で作った棒の先に男女の顔や馬の顔を彫り、衣を重ねて着せたもので、作中に出てくる大根のような姿とは全く違います。 続く #千と千尋の神隠し pic.twitter.com/jNk2w4dFlf — アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 5, 2024 続き宮﨑駿監督は作品に登場する神様について次のように話しています。「もともと日本の神様って形がないんですよ。(中略)百鬼夜行図みたいなものも、全部後から作られたものですからね。だからそういうものを根拠にデザインしたくはなかったんです」 続く #千と千尋の神隠し — アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 5, 2024 続きちなみに東北地方で信仰されてきた「おしら様」は子供が大好きな神様なのだそうです。おしらさまが初対面の千尋を助けてくれたのは、この同じ名前の神様とも関係があるのかもしれませんね。 #千と千尋の神隠し — アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 5, 2024 「もともと日本の神様は形がない」という考えから、先人が描いた姿にとらわれずにキャラクターデザインをした宮﨑監督。だからこそ、おしらさまは子供から大人にまで愛される造形となったのですね。『油屋』に神々が集まる発想のヒント神々に風呂を提供する『油屋』が舞台の同作。「神々が集まる」という発想がどこから来たのか、気になっていた人もいることでしょう。同番組は、発想のヒントについても触れています。神様がお湯屋に疲れを癒しに来る、という設定は長野県南部の遠山郷などで、毎年12月に行われるお祭り「霜月祭」が発想のヒントになっています。宮﨑駿監督「日本中の神様を呼び出してお風呂に入れて元気にするっていう非常に面白いお祭りがあるんです。」と語っています。 続く pic.twitter.com/baNx9l7RKq — アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 5, 2024 続き「日本の神様たちって本当にささやかな人たちだと思うんですよ。(中略)どうして神様たちを登場させたのかというと日本の神様たちはきっとものすごくくたくたになっていると思ったからです。そしたら二泊三日で骨休みにお風呂屋さんに来るに違いないと思ったんです。霜月祭と同じようにね」— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 5, 2024 湯で神々をもてなす祭事が、実際に長野県南部にあるとは…!疲弊した日本の神々も、私たちと同じく風呂でリフレッシュしていると思うと、親近感を覚えますね。投稿には、このような声が寄せられています。・長野県南部出身だけど、知らなかった!地元のお祭りが紹介されて嬉しい。・このシーン、おしらさまのお腹がぽよぽよしていてかわいいんだよね。・初めて知った。島根県東部の出雲に神々が集まる、神在月が元だと思っていたので驚き!作品の裏話は、時に予想と異なる事実を知ることができて面白いもの。『千と千尋の神隠し』の世界を、今までと違う視点でも楽しんでみてはいかがでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2024年01月06日宮﨑駿の原作を、ジョン・ケアードの翻案・演出で舞台化。2022年3月に世界初演として帝国劇場で開幕した舞台『千と千尋の神隠し』。第47回菊田一夫演劇大賞を受賞するなど大きな注目を集め、2023年8月には名古屋・御園座で再演。2024年には再び帝国劇場で上演後、愛知、福岡、大阪、北海道、そして英国ロンドン・ウエストエンドでの上演も決定している本作で、新たに千尋役を射止めたのは川栄李奈と福地桃子。作品への思いや舞台への意気込み、クワトロキャストで演じる千尋役について話を聞いた。「チャキチャキ」と「ふわふわ」時間軸がまったく異なるふたり――川栄さんと福地さんは初対面とのことですが、今のところの印象は?福地数年前に作品で一度ご一緒させていただいていたんですが、長い時間というのは初めてです。ご一緒してからもそうですが、尊敬する俳優さんのおひとりでしたので。なので、またお会いできることもとても嬉しかったですし川栄さんとお稽古をさせていただく時間は学びだなと思います。わたしはなんだろう......ついのんびりしてしまいますが、(川栄さんは)チャキチャキしてる……。川栄そう(笑)。たぶん時間軸が全然違うだろうなっていう、今日はまだひとつしかインタビューを受けていないんですけど、そう感じます(笑)。私はせっかちなんですけど、福地さんと一緒にいるとよりせっかちだなって思うというか、ふわふわ感がすごい素敵だなって。福地いやいや、気をつけようと思います(笑)――『千と千尋の神隠し』という作品の魅力をおふたりはどう感じていて、どんなところに惹かれてオーディションを受けられたのでしょうか?川栄(2001年の映画公開当時は)私自身も小さかったので、千尋が“10歳のちっちゃい子”だとは思わずに観ていて。今こうして千尋をやるとなって作品を観返すと、「こんなにちっちゃい子がこんなに頑張っているんだ!」みたいな親目線というか、必死で生きてる千尋の一生懸命さが素敵だなと思います。原作がとても好きなので最初に舞台化すると聞いた時も絶対に観たいと思って、当時、(千尋役の)上白石さんが朝ドラでご一緒で、そのご縁で観に行かせてもらいました。ジブリ作品の中で一番好きで小さい頃から何回も観ていたので、そこに一番惹かれたのかなって思います。福地私が幼心に感じたのは、スクリーンに次々と登場する生き物たちの力強さと「千尋は、よくこんな怖い世界に飛び込んでいくな」ということ。奇妙な雰囲気がずっとあるけれど、目が離せない不思議さがありました。大人になると、普段の生活をしていてリアルに起こることではないのに、その場面がとてもリアルに感じるキャラクターの人間味だったり、もしかするとそういうところに子どもの頃は真っ直ぐに神経が向くことができるのかな、と感じて、ふたつの面から楽しめる作品だと思いました。そして舞台を通してこれからも、もっと楽しみが広がっていったら素敵なことだなと思っています。オーディションを受けた際に、映像を拝見したのですが、想像を遥かに超えていて……。凄いものをみたという感覚でした。肉眼で一度観てみたい! 観てみたかった! と思いました。凄まじい努力があったんだろうなと、初演を創り上げたチームの皆さんへのリスペクトももちろんありました。私も原作が大好きで、映画の公開日に兄といっしょに母にせがんで連れて行ってもらったという話を、舞台の出演が決定してから聞き驚きました。子どもが観たいという映画に並んだのは「千と千尋の神隠し」が初めてだったそうです。――ちなみに、一番印象深いシーンや、演じるのが楽しみなシーンはありますか?川栄オーディションでハクからおにぎりをもらって号泣するシーンをやらせてもらって、すごく印象的なシーンでいいなと思っていたんですけど……ただ、いざ舞台で一連の流れを通して見てると、めちゃくちゃ走り回った後の“極限の千尋”みたいなシーンなので、やるとなると心的にもすごく大変なんだろうなと思いました。福地私もオーディションでやったシーンで、ハクを助けるために、釜爺に電車のチケットをもらう、映画でも印象に残っていた場面です。自分の中で何かを見せようとする感覚ではなく、湧き出た感情を大事にしようと思えたのがそこのシーンだったので、これから稽古をしていきどんなふうに変化していくのかがとても楽しみです。4人でワンチーム。熱量を繋いでいきたい――初演舞台をご覧になった感想はいかがでしょうか?川栄本当に映画のまんまの登場人物だったりの再現度と、あと、人が手で動かしているのに、その技術がすごいのでパペットにしか目がいかなかったりとか、細部にまでこだわった演出が本当にすごいなと思いました。福地私は、生の空間で聞こえてくる音だったりと、原作の千尋の動きというものが、演じられる方によって合わさったことで生まれる魅力というか、一つひとつのシーンに可愛らしさだったり魅力が詰まっていて、それを肉眼で見られる、聞くことができるという贅沢な空間が舞台にはあるなと思いました。――特に千尋役についてはいかがでしたか?川栄今、橋本さんと上白石さんの両方のDVDを観ているんですけど、同じセリフでも全然違う千尋になっていて。上白石さんはすごく芯の強さみたいなのが最初からある。環橋本さんは、10歳の明るい無邪気な女の子というのがすごく出ていて、本当にふたりとも違ってすごく良くて、さらにその周りのキャストの方々も日によって変わったりするじゃないですか。それによっても、全然違う作品になるんだろうなと。何通り見てもすごいだろうなって思っています。福地(千尋は)本当にどのシーンにも登場するので体力面もそうですし、冒頭で不安を抱えながら登場してくる姿から、流れる風景の中で千尋がとても自然に逞しく見えてくるというのがとても印象に残っています。初演からご出演されているお2人が熱量を持って取り組んできたものを大切に「繋ぐ」という意識を持ち参加したいと思います。――あらためて、生の舞台に挑むお気持ちは?川栄いつも舞台はとても緊張してしまうのですが、観てくださる方も生で観て、良い意味でみなさん緊張しているし、ダイレクトに伝わるじゃないですか。セリフ間違えちゃったりとか、すごく調子が良いときもあればそうでないときもある。そういうことも全部感じ取れるのが舞台の良いところだと思っているので、もちろん頑張るんですけど、ほどよい緊張感を持って、お客さまと一緒に空気感を味わう自分も出して頑張れたらいいなって思っています。福地『橋からの眺め』(2023年9~10月上演)では幕が開いてからも朝に集まり稽古を重ねていたのでほとんどの時間をキャスト・スタッフと一緒に過ごしました。舞台の上で言葉を繋ぐ緊張感も一緒に作っている感覚、過ごしている時間全てが今改めて思い出してもとても貴重な経験でした。これからまた素晴らしいチームの皆さんと共に時間を作っていけること、私も千尋という役を、大切に生の緊張感も楽しみながら作っていけたらいいなと思います。――同じ役を4人で演じることについてはどんなお気持ちを抱いていますか?川栄ライバル心は全くなく、本当に4人でワンチームじゃないですけど、そういう気持ちで作って行けたらいいなっていうのと、やっぱり、他のキャストの方々もそうですけど、初演のふたりが作り上げてくれたものなので、私たちが入ってプラスになるように、4人に増えてさらにパワー増したよねと言ってもらえるようなものにしたいなと思っています。福地こんなにも強い方がいて下さるっていう経験はなかなかない中で、あの表情の裏にはどんなことが起きているのかというのを知ることができるというワクワクもあるなと思いますし、ワンチームとおっしゃってくださったように、私もプラスになるように、発信できるように、そこにいられたらいいなと思います。――4人千尋がいる中で、ご自身の千尋はどんな風になりそうか、こんな千尋になったらいいなという想像など教えてください。福地(まだ見たことのない)川栄さんの千尋...すごく楽しみです。舞台ならではの動きをやってみたらすごく難しかったんですよね?川栄しなやかな動きとか、座ってる状態からいきなりバッと立ったりとか、それこそ服が引っ張られてバッてなったりとか、家でやってみたんですけど全然できなくて(笑)、私結構不安なんですけど……。今回は橋本さんと上白石さんという先輩がいるので、教えてもらえるっていう得と、映像もあるので、良いところを吸収するっていうのは大切だなと思っています(笑)。自分がどうなるか自分でもよくわかってないです(笑)。福地千尋の動きの面だけで見ると、訓練だなと思いました。――体力は自信がありますか?福地あり……ますか?(笑)一同(笑)福地私はどうだろう……(笑)川栄なんかすごいふわふわしてて……稽古場でめっちゃ鋭かったらどうしようっていうくらい、すっごいふわふわ。福地してますか(笑)川栄ふわーんって空気が流れているので、楽しみです、一緒に稽古していくの(笑)福地私もすごく楽しみです(笑)よろしくお願いします!取材・文:ぴあ編集部撮影:TOMOヘアメイク:(川栄)KUMI(LODGE Corp.)・(福地)Moe Hikidaスタイリスト:(川栄・福地)武久真理江<公演情報>舞台『千と千尋の神隠し』原作:宮﨑駿演出・翻案:ジョン・ケアード共同翻案:今井麻緒子出演:千尋:橋本環奈 / 上白石萌音 / 川栄李奈/ 福地桃子ハク:醍醐虎汰朗 / 三浦宏規(帝劇公演を除く)/ 増子敦貴(GENIC)カオナシ:森山開次 / 小㞍健太 / 山野光 / 中川賢リン/千尋の母:妃海風 / 華優希 / 実咲凜音釜爺:田口トモロヲ / 橋本さとし(帝劇公演を除く)/ 宮崎吐夢湯婆婆/銭婆:夏木マリ / 朴璐美 / 羽野晶紀 / 春風ひとみ兄役/千尋の父:大澄賢也 / 堀部圭亮父役:吉村直 / 伊藤俊彦青蛙:おばたのお兄さん / 元木聖也頭:五十嵐結也 / 奥山ばらば坊:武者真由 / 坂口杏奈ほか2024年3月11日(月)~3月30日(土)会場:東京・帝国劇場【ツアー公演】2024年4月 愛知・御園座2024年4月~5月 福岡・博多座2024年4月30日(火)~8月24日(土) 英国ロンドン・コロシアム2024年5月~6月 大阪・梅田芸術劇場メインホール2024年6月 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruチケット情報:()日本公演公式サイト:海外公演公式サイト:
2024年01月05日