2018年9月6日 19:00
31年前に何が起きたのか…驚愕の実話を描いた『1987、ある闘いの真実』
若い学生たちが独裁政権の犠牲になってしまったというもどかしさと同時に、そういった出来事に対して憤りを感じた多くの人々が街に出て歴史を大きく変えたからです。
命を落とした学生たちのことは教科書の中でも簡単に触れられているので、若い人も彼らについては知っているはずですが、どのようなことが起きていたのかという詳細についてはよく知らなかったと思うので、この作品で理解してもらうことができたのではないでしょうか。
―当時を知らない若い世代も、この作品が訴える重みを受け止めているのですね。
監督
実はもうひとつ心に残っている観客のレビューがあって、そこには「パク・クネ政権がなぜ文化界を統制しようとしたのか、この映画を見てわかりました。それは映画が与える力がいかに大きいかということを感じたからです」と書いてあったのです。そのとき、この映画を作った甲斐があったなと本当に思いました。
17歳だった監督の目に映った忘れられない光景
―1987年当時、監督は17歳でしたが、実際にご自身が経験したことも映画に反映されていますか?
監督
私はまだ高校生でしたが、そのときのことで忘れられない記憶もあります。まずは、学校の登下校の際に大学生たちが戦っている姿を何度も目撃していたので、「あのお兄さんとお姉さんはなぜあんなにも催涙弾が飛んでいるなかで戦っているんだろう」