2018年12月6日 18:00
“親友”という言葉が関係を狭める? 最果タヒの新作で考えさせられること
インターネット上や雑誌など、さまざまなフィールドで作品を発表する詩人・最果タヒさんの、待望の最新詩集が発売された。
“みんなのことがあまり好きじゃない、ということがばれないようにしたくて、丁寧に、親切に接している。(「かるたの詩」)”のように、今作にも、私たちに寄り添う言葉が綴られている。
「読む人が“ん?”と止まって現実に戻らないよう、できるだけ自然に読める言葉を使いたいんです。それは、生活と地続きの状態で読んでほしいから。今作にはルミネのクリスマスキャンペーンのために書いた詩がありますが、それは街中に出るものなので、景色と馴染みながらも、溶け込まない文章になるように意識しました。こうして、さまざまなお仕事をするにつれ、想像の中にしかいなかった“読者”の姿が見え、実感が蓄積し、言葉に手応えが増していく感覚があります。インスタで私の本を映している写真を見るのも、実感を得るのにとてもいいです」
詩の選択や順番は自身で決める。
「詩集を作るというのはただ詩をまとめるというよりは、それもまた一つの創作と思っています。タイトルは、詩集『空が分裂する』の作品のタイトルで、急に“これしかない”と思いだしたんです。