2019年8月1日 21:00
村を救った14歳とは…学校を退学した少年が起こした奇跡の実話
とか「マラウイで実際に撮影ができるのだろうか」といった不安も当然あったし、それはチャレンジでもあったよね。
あとは、さっき話に出たダンサーのグレワムクルも秘密の団体だし、会うのもなかなか難しいほどの人たちだから出演は無理だと思っていたんだ。実際、ロケハンに行くたびに「いま村にはいません」と言われて何年も会えない状態が続いていたから。それでもある日、僕と数人だけが村に招待されたことがあって、そのときに彼らが僕たちのためだけにパフォーマンスを披露してくれたことがあったんだ。
そんなふうに、自分たちが描きたいものを撮れないんじゃないかと思っていても、パッと扉が開いて、想像していた以上に素晴らしい体験をすることができる瞬間というのがあるものなんだよね。そのときは何世代にも渡って受け継がれてきたさまざまな文化的な踊りを全部見せてくれたのだけど、僕の人生の中でも最も豊かでマジカルな瞬間のひとつだったと言えるよ。だから、人生ってそういうものなんじゃないかな。
―それはウィリアムさんも同じかもしれませんね。
キウェテルさん彼も自分の目の前の問題を解決しようと始めたことが、村全体を救うことにまでつながっていくんだけど、確かにそれが人生の摂理なのかもしれないね。