2019年12月18日 19:30
森山直太朗「高畑充希さんが歌ったほうが」新録された「さくら」裏話
だから、僕個人としては、新録することはうれしかったんですが、時間がなかったので慎重に進めないといけないと考えました。安易に自分の曲をカバーするのは、いままで「さくら」に向き合ってくれていたたくさんの人たちを裏切ることにもなりかねないので、実はハードルの高いことだと思ったんです。
そこで、まずはオファーをくださったドラマのプロデューサーの大平太さんの話を聞きました。僕らの仕事は人の思いに応えていく仕事でもあるから、もしそこであまりにもとってつけたような理由や感じるものが何もないようなら、この話はやめておこうと。でも、実際に大平さんから、この曲に対する熱い思いが伝わってきたんです。
大平さんにはドラマの強いビジョンもあったので、「さくら」は主演の高畑充希さんにカバーしてもらうほうがいいのではないかとも考えました。だから再びこの曲を自分で出すということに勝算はあまりなかったんですが、「ここでやらなきゃウソだな」って思ったんですよね。
そう思った背景には、ツアー「人間の森」を経て、足もとを見つめ直して、さらに足もとのもっと奥にあるものを見つめ直すという“自立のとき”でもあったというタイミング。