くらし情報『話題の小説『デッドライン』作者が考える“色気のある文章の特徴”』

2020年3月28日 20:40

話題の小説『デッドライン』作者が考える“色気のある文章の特徴”

繋がるか繋がらないかわからないところで、今は一緒にいる。そこにこそ、色っぽさがあると思う。『デッドライン』にはたぶん、その、いつバラバラになるかわからない感じが、全体的に漲っていると思います。同性愛の相手も、大学院の友達も、家族も、全部そう。だからこそ、そのとき、そこに一緒にいることを言ことほ祝ごう、ということが大きなテーマになっています」

恐れを快楽に逆転させる。その回路を見つけてみて。
本を通じ、文章の色気をもっと楽しむために、何かコツのようなものがあるのかどうか。それについて聞いてみると、

「う~ん…、難しいですよね。
根本的に、性に鈍感な人は、読み取れないんじゃないかな…(苦笑)。あの、レオ・ベルサーニというアメリカ人のゲイの理論家がいるんですが、彼の有名な言葉に、“セックスには重要な秘密がある。それは、誰もがセックスを嫌っているということだ”というものがあります。それはなぜかというと、基本的にセックスとはとても破壊的なもので、性的な状態というのは、自分の理性が崩壊し、保てなくなることなんですね。でも人間は、性の破壊性をマゾヒズム的に楽しめる逆説的な回路を持っているので、確かにセックスは怖いものだけれど、その怖さを逆転することができれば、快楽として楽しめる。

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