梶さん映像でのお芝居経験は過去にもあり、そのときにも、声優の表現とは違った難しさとおもしろさの両面を感じていました。なので今回も、あらためて“演じる”という意味では、基本的には同じ構造なんだなと感じました。
ただ、決定的に違うのはアウトプットの仕方。アニメでも吹き替えでも、声優の仕事では、キャラクターたちが画面の中で既にお芝居をしてくれているわけです。なので、そのうえで足し算するのか、引き算するのか、といった専門的なテクニックが必要となってくると思うんです。
いっぽう実写では、声を発さずとも、目線や少しの表情変化などで感情を伝えることができるので、そういった意味ではまったく別物だなとも感じましたね。難しくもあり、でも、そこで「自分に何ができるのか」「こうしたほうがいいのかな」と考えるのが楽しかったです。
―それを受けて、声優の現場で新たに気づくこともあったのでは?
梶さん撮影中も声優業は同時進行で行われていたこともあり、だからこそ、あらためて、声の現場は自分にとってのホームなんだなと感じることができました。
それは経験値やコミュニティが確立しているから、というのが大きいとは思うのですが…映像や舞台の現場から帰ってくると、その安心感からか、「ここでなら俺は何でも自由にできる気がする!」