くらし情報『残酷、支配的、暴力的…元アイドル・渡邊璃生の小説集『愛の言い換え』』

2020年6月17日 21:00

残酷、支配的、暴力的…元アイドル・渡邊璃生の小説集『愛の言い換え』

その時どきで好きだったものが反映されています」

次の「規格青年」は潮井いたみという少年にいじめられ続ける女の子の告白、「規格青年――潮井いたみくんの愛した世界」はそんな潮井いたみくんの本心が明かされる一編。

「自分の中にいつも天然パーマの男子高校生像があって、そのキャラクターで書こうと思いました。私はいたみくんのように人の容姿を馬鹿にしたりしたいわけじゃないけれど、自分の中に確固たるものがある人には憧れがあります」

この話を完成させた時、「自分はこれまでずっと愛のお話を書いてきたんだと気づきました」と渡邊さん。ただし彼女の描く愛の世界は、時に残酷で、支配的で、暴力的。それは表題作の「愛の言い換え」にもいえる。教会を訪れた「わたし」が親切な青年と出会うが、これもまたとんでもない展開に。

「自分の中で愛と信仰は近いところにあります。ただ、信仰って男性社会的なものが強いなとも思っていて。
暴力も、愛とひどく離れたものではなく、受け手によって愛になったり暴力になったりする気がします」
次の「蹲踞(そんきょ)あ」はラブコメテイスト。よくぞこんなものを思いつくなと恐れ入るので、ぜひ作品でお確かめを。

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