くらし情報『自伝的要素も…万城目学の新作は「東京らしき街」「夢」「希望」と意外がいっぱい?』

2016年4月3日 15:00

自伝的要素も…万城目学の新作は「東京らしき街」「夢」「希望」と意外がいっぱい?

九朔が小説家になる夢を諦めかけていた頃、ビルに謎めいた女が出現するように。その女から逃げた九朔は建物内に秘密の扉を見つけ、気づけば巨大な塔がそびえる異世界<バベル>にいたのだった…。

京都、奈良、大阪などを舞台にしてきた万城目さんには珍しく、東京らしき街が舞台。また、日常と地続きの非日常ではなく、完全な異世界に迷い込む展開ははじめてだ。

「僕が東京を書くとしたら、こんなふうに主人公がビルから一歩も出ない話になります(笑)。ただ、ビルの内側から異世界に行く設定にしたことで、意図せず小説家になりたいのになれない主人公の内面を掘り下げていく話にもなりました。こんなに夢や希望というものを扱った話になるとは思っていませんでした」

そう、本作は夢を追いかけること、何かを作ることが大きなテーマとなっている。小説家になりたい九朔、<バベル九朔>を建てた祖父、成功を夢見て事業を始めるテナントの人々、そして謎めいた異世界<バベル>の創造主などなど――。
「僕も管理人時代は小説家になれずに焦っていたし、夢破れて去っていくテナントの人もたくさん見ました。でも、うまくいかなくてもいいと思うんです。むしろ、湯水のように無駄な時間を使う姿は美しいと思う。

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