2016年4月3日 15:00
自伝的要素も…万城目学の新作は「東京らしき街」「夢」「希望」と意外がいっぱい?
だからこれまでにも『鴨川ホルモー』で何の見返りもないのに変な競技に臨む学生を書いたように、はたから見れば無駄なことをする人たちを一生懸命書いてきました。僕はそういう人たちのほうが好きなんです」
やがて混乱をおさめるために九朔は重大な決断を迫られるが、それもまた、夢や創作に絡む内容だ。
「最後の屋上のシーンだけは最初から頭にあって、そこにどう接続するかを考えていきました。結果、予想していたものとは全然違う話になりましたが、そうして自分でも持て余すものが書けるのって、嬉しいんです。そっちのほうが大きな話になるし、絶対面白いですから」
◇まきめ・まなぶ1976年、大阪生まれ。’06年に『鴨川ホルモー』でボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。著作に『鹿男あをによし』『偉大なる、しゅららぼん』『とっぴんぱらりの風太郎』等。
◇小さな雑居ビルの管理人をしながら小説家を目指す<俺>は、ある日ビル内の階段で黒ずくめの女を見かけて…。
テナントビルの中で広がる奇妙奇天烈な世界。KADOKAWA1600円
※ 『anan』2016年4月6日号より。写真・土佐麻理子(万城目さん)インタビュー文・瀧井朝世
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