くらし情報『“過ぎる正義”とは何か…辻村深月が選ぶ「ドラえもん」お気に入りエピソード3つ』

2020年12月1日 21:10

“過ぎる正義”とは何か…辻村深月が選ぶ「ドラえもん」お気に入りエピソード3つ

誰もが子供のときに妄想したであろう、“あったらいいな”な世界が描かれているところも大好きです。私の好きなお話の『天の川鉄道の夜』で描かれる夜空をSLが駆けるというシーンは、そんなドラえもんの世界観の象徴的なエピソード。きっぷにハサミを入れるとSLが迎えに来てくれるという展開も、ロマンが溢れていて心が躍ります」

また、大人になってから読み返すと、幼い頃には読み取れなかったメタファーやメッセージに気が付くことも多々ある、とも。

「子供のときはただただ展開が面白かったマンガでも、今読むと、ひみつ道具の持つ強い社会性や、風刺、また“こんな意味があったのか!”と驚かされることがたくさんあります。最近改めて、強くそう思ったのが、『おそるべき正義ロープ』と、『悪魔のパスポート』の2つ。『おそるべき~』は、自分の正義が絶対で、他人の正義は許さない、という、昨今の世の中の風潮にとても近い物語。また『悪魔の~』は、どんな悪いことでも許されてしまう権力を持ったらどうなるか…という内容です。いずれのひみつ道具も、最初はのび太がいい気になって使うのですが、途中で罪悪感に苛まれたり、道具の持つ怖い側面に気が付いたりして、自ら濫用を止めようとします。

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