2021年2月6日 19:40
まるでBLのお手本!? 「怖い絵」中野京子が教える名画に潜む“官能”
独特な魅力を放つリジーの顔。だがその表情はヒュアキントスとよく似ている。顎をあげ、目を閉じ、かすかに口を開け、恍惚に身をまかす。ヌードでなくとも十分エロティックだ。こうした官能表現は世界共通だからこそ、絵ばかりでなく映像にも使われ続けているのだ。
ジャン・ブロック作「ヒュアキントスの死」
作者は、ルネサンス期の写実的な表現を追求した「新古典派」の画家、ジャン・ブロック(1771~1850年)。代表作といわれる本作は1801年に発表。フランス西部ポワティエ州のサントクロワ美術館に所蔵。
提供:ALBUM/アフロ
POINT1:性愛の没我状態を彷彿させる表情
POINT2:柔らかく輝く二人の肉体
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ作「ベアタ・ベアトリクス」
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1828~’82年)はロンドンのイタリア系の家族に生まれる。本作は1864~’70年の間に発表(モデルとなった妻リジーの死後)。イギリス・ロンドンのテート・ギャラリー所蔵。
提供:akg‐images/アフロ
POINT1:恍惚に身をまかせた表情
POINT2:ケシ(=ポピー)の花は夢と死を象徴
中野京子さん北海道生まれ。