くらし情報『桜木紫乃、大竹まことの言葉をまんまタイトルに! 女装歌手、ストリッパーの物語』

2021年2月27日 18:10

桜木紫乃、大竹まことの言葉をまんまタイトルに! 女装歌手、ストリッパーの物語

一冊の本が生まれるきっかけは、実に意外なところにあったりする。桜木紫乃さんの『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』の場合、それはラジオ出演だった。
桜木紫乃、大竹まことの言葉をまんまタイトルに! 女装歌手、ストリッパーの物語


「大竹まことさんのラジオに呼んでいただいた時、私の出身地の釧路の話になって。大竹さんは20歳の頃、年末に釧路のキャバレーに営業に行ったそうです。その時一緒に海を見に行ったメンバーが、“俺と師匠とブルーボーイとストリッパー”って。聞いた瞬間、これは小説のタイトルだと思い、その場で“書かせてください”とお願いしました」

確かに小説化するなら、書き手は釧路出身で、『裸の華』などでストリッパーを、『緋の河』で男に生まれ女として生きる主人公を書いた桜木さんしかいないだろう。

「どういう主人公にするかはかなり悩みました。釧路出身の、親とあまり縁のない子という設定が浮かんだ時、これで書けると思いました」

20歳の章介は親と疎遠で、アルバイト先のキャバレーの寮で暮らしている。
寮といってもオンボロで、住んでいるのは章介だけ。店のスタッフ以外、ほとんど人と交流のない生活を送っている。ある年末、ショーに出演するため店にやってきたのは、自分を「師匠」と呼ばせるマジシャン、体格のいい女装シャンソン歌手、年齢不詳のストリッパー。

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