2021年3月24日 19:00
自閉症の息子と父親が命令無視で逃避行…金もあてもない旅で見つけた答え
そのなかでも特に印象的だったのは、村のようになっている施設。そこは本当に特別でしたね。
―ほかとは何が違ったのでしょうか?
監督施設のなかにはいろいろな工場があるので、ワインを作ったり、農業をしたり、といった具合にみんなが仕事をできる場所にもなっていたのです。社会のなかにこういう場所を作ることはすごくいいことだなと思いました。
そのほかに感じたことは、そういった施設に従事している先生方が本当に素晴らしいということでした。すごく忍耐がいる仕事なので、誰もができることではないですし、決して簡単なことではありませんよね。ちなみに、いまノアムは自閉症の施設でボランティアをしているようですが、彼もまたそういった寛大な心を持っている青年なんですよ。
自閉症のいろいろな側面をこの映画で描いている
―実際に彼らと向き合ってみて、新たな発見などもありましたか?
監督今回のことで僕が理解したのは、ひと言で「自閉症」といっても、みなさん本当にそれぞれ違うということ。
つまり、それぞれ違う人間であり、それぞれの形でユニークなんですよね。だから、人に合った接し方や治療法があるんだと知りました。そして、彼らは親やガイドの人たちから、いかに愛されているかということも感じたので、そういった部分もこの映画では表現しています。