2021年7月5日 22:10
「ルール?展」のユニークな試み 日常に潜む“ルール”の影響力を考える
朝起きてから夜眠るまで、私たちはさまざまなルールを守り、時にはみ出しながら暮らしている。法律からゴミの出し方、家族間の暗黙の了解まで、日常には目に見えないルールが張り巡らされているからだ。
日常を支配する!?「ルール」とは何者なのか。
街中で個人はどこまで自由に振る舞える?ジェンダーの多様性が謳われる中、あらゆる形の“親密な関係”をフォローする婚姻制度とは?ルールは常に多数派のもの?少数派の声はどこへ?
本展で紹介されるパフォーマンスやドキュメンタリーの視点はどれもユニーク。そこで問いかけられる「?」は、日常に潜むルールの存在をくっきりと浮かび上がらせる。
会場では「鑑賞にあたってのルール」を来場者に課すという試みも。例えば「あらゆる線をふんではならない」の場合、鑑賞中も床の線や部屋の区切りが気になり、私たちの行動に強い影響を及ぼすルールの力を実感させられてしまう。
ディレクターを務めるのは水野祐(法律家)、菅俊一(コグニティブ・デザイナー)、田中みゆき(キュレーター)ら3氏。
「ルールは創造力の踏み台」というのは菅氏の言葉。それを縛りとみなすか、その向こうに可能性を見出すかで、ルールが張り巡らされた日常も、別の顔を見せてくれるかもしれない。