2021年8月7日 20:10
松坂桃李×鈴木亮平、『孤狼の血 LEVEL2』は「常に何が起こるかわからない」
(笑)。
鈴木:確かに、コロナで久しぶりの撮影だったから、肩が温まってたんだよね(笑)。
――白石監督の作品は今作も含め“悪”が大テーマです。悪を扱うエンターテインメントになぜ人は惹かれるのでしょうか?
鈴木:僕は、こういうエンタメは自分が“善”であるための必要悪なんだと思うんです。たぶんみんな、善人でありたいと思いながらも、自分の中の凶暴性に怯えながら生きていて。フィクションの中で他者が悪を行使しているのを見ると、自分の中の悪が解放されて、安心して日常に戻れるんじゃないかな。
松坂:もともと人は悪を持っていて、悪を使うことへの強い興味と欲求があるのが人間だと思う。それを理性で抑え込んでいるからこそ、悪に惹きつけられるのかな、と感じます。
暴走する日岡や上林から目が離せないのは、そういう理由なのでは。鈴木:予測不可能さって、エンタメでは重要だしね。
松坂:確かに。そういう意味でこの作品は、悪と物語性とエンタメ性のバランスが絶妙。常に何が起こるかわからない中で、驚いたり、その先に悲しみが待っていたり。マジックみたいな映画だなって思います。
『孤狼の血 LEVEL2』狂気と暴力がはびこる広島の呉原。