くらし情報『島本理生が描く、コロナ禍で迎えたひと夏の物語。』

2021年8月29日 18:10

島本理生が描く、コロナ禍で迎えたひと夏の物語。

いなくなるとはどういうことか、春の父親と同世代の吉沢さんに語らせることで消化できないかと思いました。書いてみて、自分の中で決着がついた感覚があります」

吉沢に「もっと自分に同情しなさい」と言われる春。彼女のように、自己評価の低い若い人は多い。

「自分は頑張っていないと思う若い人に限って、すごく努力している。私自身も、若い時はどんなに働いても自分は頑張っていない気がして悩みました。でもある時、自分を大事な女友達に置き換えて考えたら、“え、すごく大変な状況だ”って気づいて。いきなり自分を見つめるのは難しいけれど、身近な人に置き換えると突然分かるんですね。今回、主人公のことも、大事な女の子として同情したり共感したりしながら書きました」

沁み入り、突き刺さる言葉がちりばめられた本作。
あなたもこの本を通して、自分や、自分の人間関係で見えてくるものがあるはず。

『星のように離れて雨のように散った』コロナ禍の夏。大学院生の春は、社会人の恋人からプロポーズされるが喜べない。行動が限られるなか、論文の準備を進め、院の仲間と交流を深める彼女は自分の内面、そして過去と向き合っていく。文藝春秋1540円

島本理生が描く、コロナ禍で迎えたひと夏の物語。


しまもと・りお2001年『シルエット』で群像新人文学賞優秀作、’03年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞、’15年『Red』で島清恋愛文学賞、’18年『ファーストラヴ』で直木賞を受賞。

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