くらし情報『「私にはこがん見えるったい」 自由に描く楽しさ溢れる『塔本シスコ展』』

2021年9月14日 22:10

「私にはこがん見えるったい」 自由に描く楽しさ溢れる『塔本シスコ展』

既成概念をふっとばす。描く楽しさが観る人をも自由に。『塔本シスコ展 シスコ・パラダイス かかずにはいられない! 人生絵日記』をご紹介します。

熊本に生まれた塔本シスコさん(1913~2005)が初めて大きなキャンバスに絵を描いたのは53歳のとき。事故で夫を亡くし、失意から立ち直りかけたある日のこと。かつて画家を志した息子の油絵を包丁で削り落とし(!)、その上から庭の草花を描いた。「私も大きな絵ば描きたかった」。その日から91歳で亡くなる前年まで描き続けた絵の中から、200点余りを展示する。

好んで描いたのは身近な自然や生き物、家族など。キャンバスは鮮やかな色彩で埋め尽くされ、遠近や天地左右、時には時間すら超えてしまう。例えば着物姿のシスコさんとその姉妹が、2人の孫と遊ぶ様子を1つの画面に描くといったように。

「『私にはこがん見えるったい』という本人の言葉が残っていますが、シスコさんの絵には自分が見たように、感じた通りに描こうとするエネルギーが詰まっています」

と学芸員の池尻豪介さん。それは正規の美術教育を受けていないことが関係しているとも。テクニックより、自分の目に映った生命の輝きをキャンバスに表すことの方がシスコさんには大切だったのかもしれない。

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