2021年9月11日 20:00
性差別や偏見は教育にも問題が…トランスジェンダーマンガ家が体験綴った一作
「性差別や偏見が生まれるのは、教育にも問題があることを明かしたかったんです。そういう学校教育をたぶん加害者であるX氏も受けていて、被害者である私も受けているから。もし私がナイフで刺されたり、ぶん殴られたとしたら普通に警察に届けられたと思うけど、セクハラは受けたほうもそんなにひどいことじゃないと思ってしまいがち。時代が変わってきたからこの作品を描けたように、そういうことを許さない社会の空気が絶対に必要だと思います」
苦しくなる描写もあるが、ペス山さん持ち前のユーモアが救いにも。
「マンガを描きながらいつも思うのは、昔の私が読んで楽になるようなものにしたいってこと。似た悩みを抱える人も多いだろうし、社会問題に直面しているという意味では、みんな私と同じだと思うので、この社会を生きる人に読んでほしいです」
一見脈絡がなさそうだけど、「あれが描けて、やっとこのマンガが終わった!と思った(笑)」とほくそ笑む、番外編もお楽しみに!
『女(じぶん)の体をゆるすまで』上・下性被害は受ける側にも非があるのか。繰り返されてきた不毛な問いに、トランスジェンダーの著者が生き返るため立ち向かう、ジェンダー・エッセイコミック。