くらし情報『“白衣の天使”の過酷な日常 現役医師の作家・南杏子の『ヴァイタル・サイン』』

2021年10月17日 20:40

“白衣の天使”の過酷な日常 現役医師の作家・南杏子の『ヴァイタル・サイン』

看護師になって10年が経つ堤素野子が勤務しているのは〈二子玉川グレース病院〉の東療養病棟。後期高齢者が多く、終末期を活き活きと過ごせるよう尽くしている。南杏子さん著書の『ヴァイタル・サイン』は、素野子を軸に、看護師たちの過酷な日常業務の様子を描いた医療小説だ。

看護師が背負う、日常業務の過酷さ。実は、誰もに通じる苦悩と希望の物語。
“白衣の天使”の過酷な日常 現役医師の作家・南杏子の『ヴァイタル・サイン』


著者の南さんは作家業のかたわら、終末期医療に携わる現役の医師でもある。これまでは女性医師の目線で、医療現場の問題や人間関係の難しさ、患者やその家族との軋轢、女性としての生きづらさなどを描いてきたが、本書は初の看護師視点になっている。

「医師と看護師で立場は違えど、悩んでいることはオーバーラップする部分が多々あるんです。
作中で起きる出来事は、自分の体験や見聞きしたことから作ったフィクションですが、感情という点ではウソのない物語にしたかったんですね」

作中にも出てくる〈ヒエラルキーのミルフィーユ〉や〈感情労働〉という言葉は、素野子が日々晒されているストレスの元凶。

「看護師たちは、患者さんにとっていちばん身近で頼れる存在である分、自分の心身をすり減らしてまでも細かな要求にも誠心誠意応えています。

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